リュックサックとは荷物を入れた袋を背負うことができるバックのことですが、登山だけでなく日常生活にも使われています。
背中に背負うので両手があき、雨天時に傘が持ちやすい、左右バランス良く荷物を支えられ重みの負担を軽減できるなどのメリットがあります。
リュックにはいろいろな呼び方があります。意味や違い、歴史などを調べました。
リュックサックとは?本来どんな意味のもの?
リュックサックの語源はドイツ語のRucksackで、背負う袋という意味があります。
「リュックザック」と発音するのですが、日本人にはリュックに続く「ザ」が発音しにくいことから「リュックサック」と呼ぶことが多いです。
リュックサックの歴史と日本での歴史
リュックサックはいつころから使われるようになったのでしょう?
リュックサックの歴史をたどってみました。
リュックサックの始まり
リュックサックは紀元前3300年頃が起源といわれています。
1991年にイタリアとオーストラリアの間にあるエッツ渓谷の氷河で発見されたアイスマンは銅製の斧や弓・短剣などを装備していたそうです。
木製のリュックも発見されていて、長さが約2mのU字型となっている木の棒と長さが約40cmの木の板2枚しかありませんでしたが、紐で結んでフレームにして荷物の入った袋を取り付けて使っていたと考えられているそうです。
南北戦争中の1865年頃、兵士たちが食器や調理道具・応急処置セットを毛布に包み肩から提げるバックにしていました。
しかし使い勝手が悪く、快適なものではありませんでした。
1874年ヘンリー・クレイ・メイアム大佐は、木製のフレームとキャンバス素材のバックを融合させることでバックを身体から遠ざけ負担を軽減させようとしましが、使ってみると背中と肩に痛みを引き起こす結果となりました。
1908年オレ・ベルガンは狩猟中に背中の輪郭に合うように木材のフレームをデザインすることを思いつきました。
このフレームによって、快適にバックを背負うことができるようになりました。
その後フレームの素材を木材から鉄管に変えたことで軽くすることができました。
1920年アメリカの発明家である、ロイド・ネルソンはアラスカ訪問時に借りたリュックサックによって、肩や背中の痛みによる不快感があったため、木製のフレームにクッションと荷物を入れるバックを配置した「ネルソンパック」を開発しました。
パックはスチールピンで簡単に取り外すことができるため、簡単に掃除ができるようになっていることが特徴となっています。
1938年アメリカ・コロラド州に住むジェリー・カニンガムは、ロッククライミング中でも簡単にバックの中に手が届くようにファスナーをつけたリュックを作りました。
1941年アメリカ空軍は多くの荷物を効率良く運ぶためにスチール製ワイヤーにショルダーストラップを取り付け、パッドを配置したリュックサックを開発しました。
第二次世界大戦後、リュックサックは子どもたちの通学用バックとして使われるようになりました。
それまではハイキングや軍事的用途など過酷な環境で使うため頑丈に作られていましたが、日常生活にも使われるようになったため軽くてファッション性のあるデザインのリュックサックが増えてきました。
現在では性別・年齢に関係なく、多くの人にアウトドアや通学・ビジネスなどに使われています。
日本での歴史
日本でリュックサックを初めて使ったのは、地理学者の山崎直方で、1898年にドイツへ地理学研究のために留学しました。
1902年、帰国する時にピッケルや登山靴と一緒にリュックサックも持ち帰ったそうです。
持ち帰ったリュックサックを石川光春たちが複製したのが、初の日本製リュックサックであるといわれています。
リュックサックの名称はいろいろ 違いとは?
リュックサックの語源はドイツ語のRucksack(リュックザック)ですが、オランダ語ではRugzak(リュッフザック)、英語ではRucksack(ラックサック)、またはKnapsack(ナップサック)・Backpack(バックパック)などと呼ばれています。
呼び方はいくつかありますが、どれもリュックサックです。
日本では大きさによって、ナップサック→リュックサック→バックパックと使い分けています。
リュックサック意味と歴史 さいごに
リュックサックは武器を運ぶために使われていましたが、身体にかかる負担が大きく使い勝手が悪いものでした。
いろんな人が様々な工夫をして使いやすいものへと変わっていきました。
今では様々なサイズがあります。
あなたも自分の用途に合ったリュックサックを探してみませんか?。
♪リュックサックが今のようになるまでに様々な歴史がありました。そして現在では背負い心地だけでなく用途やデザインもいろいろです。リュックの種類や特徴についてはこちらの記事をご覧いただければと思います。
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