爪は指先の形を整える・細かい作業ができる・体を支える・踏み込む力を強くするなど、様々な役割があります。
しかし爪が伸びすぎてしまうと、邪魔になってしまいます。
伸びすぎた爪を切るための道具として爪切りがありますが、いつから使われるようになったのでしょうか。
爪切りの歴史や昔の爪のケア方法などを紹介します。
爪切りの発明はいつ誰が?
爪切りは、いつ誰が発明したのかは不明です。
しかし爪切りに関する特許は、1881年にユージン・ハイムとセレスティン・マッツ、1885年にジョージ・H・コーツ、1886年にデヴィッド・ゲステトナー、1905年にチャペル・S・カーターが取っています。
また爪切りの改良に関する特許は、1876年にウィリアム C. エッジ、1878年にジョン H. ホルマンが取っています。
人間は爪切りをいつから使うようになった?爪切りの歴史
人が爪を切るようになったのは、国によって違いがあります。
古代インドでは紀元前4~5世紀頃、上流階級や資産家が専用の爪切りで手入れをしていたそうです。
中国では清の時代、皇后が住んでいる御殿の人たちは小指と薬指の爪を伸ばして保護するための護指(ごし)をつけるために爪を切っていました。
日本では平安時代から日常的に爪の手入れをしていたようです。
しかしいつでも爪を切っていいわけではなく爪を切るのは、手は丑の日、足は寅の日と決められていたそうです。
爪切り専用のハサミが登場したのは明治時代で、ニッパー式の爪切りは大正時代に諏訪田製作所で作られました。
ニッパー式爪切りは以前からありましたが、諏訪田製作所で作られたニッパー式爪切りは、握りやすくするために取っ手をカーブさせ、刃はカーブした爪を切りやすくするために斜めに改良されました。
現在日本で良く使われているクリッパー式の爪切りは昭和になってから登場しました。
昔はどうやっていた?爪切りが誕生する前のはなし
爪切りが誕生するまで、どんな道具で爪を切っていたのかを紹介します。
原始時代
原始時代では、爪を切る習慣はありませんでした。
爪は獲物の皮や肉を剥ぐ・土を掘る・木登りするなどで、道具のように使っていたからです。
道具として使っていたため、爪はいつも摩耗していたので爪を切る必要がなかったと考えられます。
弥生時代
鉄製の刀が作られるようになり、身分の高い人たちは小刀のようなもので爪を切る、または削るなどで爪を整えていたそうです。
江戸時代
ハサミが使われるようなりましたが、まだ高級品だったため爪切りの道具として使われることはありませんでした。
そのため武士は短刀、庶民はノミなどで爪を切っていたそうです。
言い伝えで「夜に爪を切ると、親の死に目に会えない」とあります。
これは小さな灯りを使って爪を切ると小刀やノミで思わぬケガをして傷口からバイ菌が入り親より先に死んでしまう可能性があるための忠告として誕生したといわれています。
【正しい爪の切り方】
爪を長く伸ばしすぎてしまうと爪の巻き込みを防ぐ皮膚がないため巻き爪になってしまいます。
また爪を短く切りすぎてしまうと露出している指先の皮膚が体重圧により盛り上がってしまい、爪が真っ直ぐ伸びることができなくなることで爪の側縁が皮膚に食い込んで炎症になる陥入爪(かんにゅうそう)になる恐れがあります。
これらの症状にならないようにするには、正しい爪の切り方を知っておく必要があります。
手順を紹介します。
- 洗う
爪を切る前に洗って清潔な状態にします。
爪の中に土が入っている場合は、爪ブラシを使って汚れを掻き出しましょう。
爪ブラシには手用と足用があるので、目的に合ったブラシで爪の汚れを落とすようにしてください。
- 潤いを与える
爪の白い部分は水分量が少なく、乾燥しています。
化粧水やネイルオイルなどで潤いを与えることで爪にかかる負担を軽くして切ることができます。
- 切る
爪のカーブを潰さないように少しずつ切っていきます。
手を裏から見て、爪が飛び出さない程度が長さの目安となっています。
指先のカーブに沿った緩やかなカーブになるようにしましょう。
- ヤスリをかける
切った爪の角がなくなるように、ヤスリをかけていきます。
爪の先端にヤスリを45度になるようにあてて、左右どちらか一定方向に動かします。
爪を往復させてしまうと、爪の層が壊れてしまうので注意してください。
爪切りの発明はいつ誰が さいごに
爪は指先を保護するだけでなく、物を掴む・体重を支えるなどいろんな役割があります。
爪がきちんと機能させるには爪切りは重要なケアとなります。
昔は小刀やノミなどで爪を切るという危なっかしい方法しかありませんでした。
今では安全に爪を切ることができる爪切りがあるので、しっかりとケアしていきましょう。