日本の履物といえば下駄や草履がありますが、現在ではパンプスやスニーカー・革靴など靴が主流となっています。
靴が日本に入ってきて現在のように靴を履くのが当たり前になったのは、いつ頃からなのでしょうか。
日本での靴の歴史や靴の意味など調べたのでご紹介します。
靴とはどういう意味?なぜ靴を履くの?
靴とは、足全体を覆い歩くときに使う道具のことです。
靴の語源には、ケルタル(蹴足)が転じた・足を納める様を表す擬態語「クツ」・朝鮮語の「kuit(グドゥ)」などの諸説があります。
靴には2つの役割があるといわれています。
1つ目は「人を乗せて体を運ぶ」で、狩猟民族や古代ローマの戦士たちは移動するために足を厳重に保護する必要があるため革袋に足を入れて皮紐で縛っていました。
2つ目は、「その人の身なりを表現する」という役割があります。
立派な人の服装の中には、手入れをした靴が含まれています。
いくら服装がきちんとしていても、靴が汚れていると「見えないところには気を配らない人」だという印象を与えてしまいます。
好印象を与えるためには靴もキレイに手入れしておくことが必要です。
靴を履くということは体を運ぶ、自分の身なりを表すという意味があります。
靴の歴史は日本ではまだ浅い?
靴は紀元前3000年頃、シュメール文明で使われていた靴が始まりであるといわれています。
当時の靴は、足を守るために全体を包み込むような形となっていて、陶器で作られていました。
紀元前2000年頃のエジプトでは、貴族たちがシュロの葉っぱ、または動物の革で作ったサンダルを履くようになりました。
王や女王は宝石や金銀を装飾したサンダルを履いていましたが、庶民は裸足のままだったそうです。
古代ローマでは靴は権力や地位の象徴となり、貴族の他に兵士も遠征するときにサンダルを履いていました。
ローマには靴屋街があり、一般市民の男性は1枚の革で作られた靴を履いていたそうです。
また記録によると皇帝はスリッパ、裁判官は赤い靴を履いていたそうです。
8世紀頃になると兵士たちは甲を覆う半長靴を履き、14世紀頃ではつま先が尖って反り返った靴が登場しました。
初めて靴にヒールがつくようになったのは1590年頃、靴紐のついた靴は1790年頃だったといわれています。
またアメリカで靴が作られるようになったのは1628年頃だそうです。
日本に靴が入ってきたのは江戸時代末期で、最初に靴を履いたのは坂本龍馬であったといわれています。
しかし日本家屋は土足厳禁となっていて、出入りのたびに靴を脱ぎ履きするのが面倒だという理由から日常の履物として使われることは少なかったようです。
第2次世界大戦の敗戦によって、アメリカ化が進み洋装がメインとなりました。
当時は徒歩での移動が多かったことから、足を守ってくれる靴が浸透していきました。
日本で靴が現在では当たり前になったわけとは?
日本の履物といえば下駄や草履が主流でした。
昔の道路は舗装されておらず、路面は土となっていました。
土で覆われていた道路は衝撃を緩和してくれるため、足に伝わる衝撃は少なくすんでいました。
さらに昔の人たちの歩行量が多かったことから、衝撃に耐えられる筋力があったといわれていて、簡単に足が歪むことはなかったそうです。
第2次世界大戦後、道路がアスファルトに舗装されたことで足に受ける衝撃が強くなったことで、足を守るために靴を履くようになりました。
また、子どもたちは外で遊ぶことや歩く量が少なくなったことから強い筋力・筋肉をつけることが難しくなり、骨格が歪みやすくなったことも靴を履くことが当たり前になった理由であるといわれています。
日本では靴を脱ぐ習慣になった理由
日本で靴を脱ぐ習慣になった理由に気候があげられます。
日本の気候は、湿度が高く雨が多いです。
湿気対策のために住むスペースを地面と離すために縁の下が作られました。
また床に直接座る・布団を敷いて眠るなど、体を床に直接つけて過ごすことが一般的となっているため、家の中に泥や土を入れないために靴を脱ぐようになりました。
靴とは さいごに
昔の道路は舗装されていなかったため足に受ける衝撃が少なかったので下駄や草履で十分でした。
しかし、道路がアスファルトになったことから足に受ける衝撃が強くなったことから靴を履くようになりました。
靴は足を守るために履くだけでなく、自分自身の身なりを表すものであるといわれています。
他の身なりが良くても、靴の手入れを怠っていると印象が悪くなります。
相手に好印象を与えるために靴の手入れもしっかりしましょう。