土をこねて形を作って焼き上げる日本の焼き物は約1万年以上の長い歴史があります。
各地に様々な種類があり、約31種類が国の伝統工芸品として指定されています。すごいですね。
日本の焼き物の起源なんて気になりませんか?
焼き物の歴史や種類など調べたのでご紹介します。
和の文化の焼き物とは?
焼き物とは陶磁器の総称で、陶器と磁器の2種類があります。
原料の土が火にかけることで性質を変化させる焼成(しょうせい)という作業が行われることから焼き物とも呼ばれています。
陶器とは陶土(とうど)と呼ばれる粘土を形成し、約800~1,300度で焼き上げたもので、器の生地が厚くてザラッとした触感があることから「土もの」とも呼ばれています。
素朴で土の質感を感じることができます。
そして熱くなりにくく冷めにくいなどの特徴があります。
磁器とは陶石を粉砕した石粉(いしこ)を形成し、約1,200~1,400度で焼き上げたもので、生地が薄くて硬いことから「石もの」とも呼ばれています。
熱しやすく冷めやすい特徴があります。
六古窯(ろっこよう)
日本には数多くの焼き物がありますが、なかでも鎌倉時代から続く6ヶ所の窯業地を六古窯と呼んでいます。六古窯の種類と特徴を紹介します。
信楽焼
滋賀県甲賀市信楽中心に作られていて、タヌキの置物が有名です。
信楽は近くの丘陵から良質の陶土が取れ、登窯・窖窯での焼成によって温かみのある緋色の発色と燃料である薪から出た灰が降りかかる自然の釉薬によるビードロ釉・焦げなどがあります。
備前焼
岡山県備前市伊部(いんべ)地区周辺が産地となっています。
釉薬を使わずに約1,200~1,300度で焼成して作られています。
土の性質や窯への詰め方・温度の変化・焼成時に出る灰によって作られているため、同じ色・模様になることはありません。
約2週間かけて焼き締めているので投げても割れないと言われるほど堅く、すり鉢や壷などが多く作られていました。
また微細な気孔によって通気性が優れているので、花瓶やビールグラスとして使われています。
丹波焼
兵庫県篠山市今田地区で作られています。
窯の燃料・薪から出る灰が釉薬や土と溶け合い反応して色や模様ができる灰被り(はいかぶり)が特徴となっています。
手に持つと程よい重みがあるので、器としての存在感を感じることができます。
越前焼
福井県丹生郡越前町の宮崎地区・織田地区などで作られています。
鉄分の多い土が使われていて焼き上げると表面が赤黒・赤褐色になり耐火性が高くなります。
また水漏れしにくいので、水や酒・藍染の染色液の保管・穀物の保存や貯蔵などに使われていました。
瀬戸焼
愛知県瀬戸市とその周辺で作られている陶磁器の総称で、東日本で広く流通しています。
採れる粘土は柔らかく耐光性や耐火性に優れています。
また、ほとんど鉄分が含まれていないので、表面は白くなり繊細な線や絵付けなど多彩なデザインがあります。
常滑焼
愛知県常滑市、その周辺を含む知多半島内で作られています。
酸化鉄を多く含む朱泥(しゅでい)と呼ばれる土が使われていて、焼き上げると赤褐色になるため昔は「赤物」と呼ばれていたそうです。
焼成温度が高いため固く締まり十分な強度になるので、食器などに使われています。
焼き物(陶磁器)の日本の歴史
縄文時代に作られた縄文土器が世界最古の焼き物と言われています。
飛鳥時代になると朝鮮から轆轤技術と窯が伝わったことで、様々な形で壊れにくい器が焼けるようになりました。
奈良時代では中国から白地に色のついた釉薬で文様を表した三彩陶伝わり、平安時代から鎌倉時代にかけて釉薬の使用が発展してきました。
本格的に釉薬を使った器が焼かれるようになったのは、古瀬戸からで、灰釉と鉄釉の2種類が使われていました。
室町時代後期から流行した茶の湯文化によって、織部や志野・黄瀬戸・唐津などの茶器が誕生しました。
江戸時代以降、日本各地に様々な技術が伝わり多くの磁気窯が誕生し、幕末には量産できるようになったことで庶民に広まっていきました。
日本の焼き物の起源は土器?
日本最古の焼き物は縄文時代で農耕や牧畜生活が始まったことで、食糧を蓄える・調理をするための器・縄文土器が作られるようになったそうです。
縄文土器は粘土を紐状にして積み上げる、または粘土の塊を押し広げて形を作り、網目模様をつけて焼かれています。
酸素の多い状態で焼かれているため、赤茶色で軟質になっているのが特徴となっています。
和の文化の焼き物 さいごに
食糧を蓄える、または調理するために作られた土器から始まり、今では様々な種類の焼き物が日本各地で作られています。
その土地で採れた土や釉薬の使い方・焼き方によって違いがあるので、見比べて自分好みの焼き物を探してみるのも楽しいですね(^^)
♪和食器の種類についてはこちらも合わせてご覧いただければと思います。