豆腐は大豆から豆乳を作り凝固剤を加えて固めてから、型に流し入れて水分を抜いて作られています。
作り方には納豆のように大豆を発酵させることはないのに、なぜ豆腐には「腐」という字が使われているのでしょうか。
豆腐という名前の由来や語源、また豆腐の種類もいろいろあるようです。
絹ごしと木綿の違いなどきになったことを調べてみました。
豆腐の名前の由来や語源とは?
豆腐は中国から伝来した食べ物です。
中国では「腐」という文字には「柔らかくて弾力のあるかたまり」という意味があります。
豆腐は大豆から作られた柔らかいかたまりということから、名付けられたそうです。
また豆腐には奴(やっこ)という別名があります。
江戸時代、武家に奉公する人たちのことを奴と呼び、参勤交代での雑用や大名行列の先頭を歩く槍持ち奴などをしていました。
槍持ち奴が着ていた半纏には釘抜紋(くぎぬきもん)と呼ばれる四角の中に穴が開いている模様が入っていました。
江戸の庶民たちは、その模様を見て食材を四角く切ることを「奴に切る」というようになったといわれています。
四角に切った豆腐を奴、冷えた豆腐を冷奴、湯豆腐を湯奴(ゆやっこ)、または煮奴(にやっこ)と呼ぶようになったそうです。
豆腐の種類は意外に多かった 名称と特徴
豆腐といえば絹ごしと木綿が代表的な豆腐ですが、他にも様々な種類があります。
ソフト豆腐
絹ごし豆腐と木綿豆腐の中間ぐらいの濃度と柔らかさのある豆腐です。
木綿豆腐のようにしっかりとした食感が特徴となっています。
また絹ごし豆腐よりしっかりとした食感があるので、麻婆豆腐のように豆腐の形がある程度残せる料理に使うことができます。
京都では嵯峨豆腐と呼ばれています。
充填豆腐
豆乳に凝固剤を加え容器に詰めて密閉し、約90度で50分ほど加熱してから冷やした豆腐です。
密閉してから加熱凝固してあるので生菌数が少なく衛生的で保存期間も通常の豆腐より長いことが特徴になっています。
焼き豆腐
水切りした木綿豆腐の表面に焼き目をつけた豆腐です。
型崩れが少なく、味が染み込みやすいので、すき焼きの具材や田楽・煮物・炒め物と様々な料理に使われています。
厚揚げ
木綿豆腐を油で揚げてあります。
豆腐の食感に香ばしさが加わっているので、味が染み込みやすくなっていて、おでんや煮物の具材に使われています。
また絹ごし豆腐を油で揚げたものは絹厚揚げと呼ばれていて、なめらかな食感があります。
油揚げ
薄切りにした木綿豆腐を油で揚げてあります。
内部まで揚がっているので、出汁を吸い込みやすく袋状になっているので具材を包み込めるという特徴があります。
厚揚げに対して薄揚げとも呼ばれています。
また地方や形状によって呼び方に違いがあり、奈良県では「大和あげ」、愛媛県松山市では「松山あげ」、山形県鶴岡市では「皮揚げ」などがあります。
がんもどき
木綿豆腐を崩し水分を切ってから、ニンジンや昆布・銀杏などの具材を混ぜ、形を整えてから油で揚げてあります。
おでんや煮物の具材として使われています。
がんもどきは関東での呼び名で、関西では飛竜頭(ひりょうず)・ひろうすと呼ばれています。
高野豆腐
木綿豆腐を凍結・低温熟成させてから、乾燥させた保存食です。
水で戻し、だし汁などで煮込み味をつけます。高野山で作られている精進料理の1つとして全国に広まりました。
豆腐の絹と木綿はどんな違いがある?
よく使われている豆腐には絹ごし豆腐と木綿豆腐の2種類がありますが、どんな違いがあるのでしょうか。
絹ごし豆腐は容器に豆乳と凝固剤を入れてから固めた豆腐で水分を多く含んでいます。
木綿豆腐は豆乳に凝固剤を入れて加熱して固めてから布を敷いた容器に入れ、重石などで圧力を加え水分を抜いてあるという製造方法に違いがあります。
また絹ごし豆腐の食感はなめらかで、木綿豆腐の食感はしっかりとしています。
絹ごし豆腐は崩れやすいのでサラダや冷奴に使われていますが、木綿豆腐は焼く・炒める・揚げるなどの調理方法で様々な豆腐料理を作ることができるという違いがあります。
豆腐の名前と種類 さいごに
文字だけで見ると「豆腐」は豆を腐らせて作った食品というイメージになってしまいます。
しかし中国では「腐」は柔らかくて弾力のあるかたまりという意味があるから豆腐と名付けられました。
国によって意味に違いがあるので気になる名前があったら調べてみるのも面白いのではないでしょうか。
また豆腐には様々な種類があるので、味の違いを比べてみて豆腐を楽しんでみてくださいね。
♪豆腐の起源などはこちらの記事を。合わせてご覧いただければと思います。
豆腐の起源と発祥いつ誰が作った?日本での歴史 伝来されたのは?