ご飯を三角や丸・俵型に握った食べ物を「おにぎり」、または「おむすび」と呼びます。
なぜ呼び名が違うのか?おにぎりとおむすびには、どんな違いがあるのでしょうか。
地方によっての呼び名の違いと言うのでもないようです。形でもない?
「おにぎり」と「おむすび」の違いを調べてみました。
またはじまりの歴史や具材などもまとめました。
おにぎりとおむすびの違いはなに?
「おにぎり」と「おむすび」のどちらも、ご飯を握って作られる料理です。同じ料理の「おにぎり」と「おむすび」ですが、違いには以下のような諸説があります。
- 「おにぎり」の形には決まりがないが、「おむすび」は三角形であるという説。
- 「おにぎり」の形は三角形で、「おむすび」は俵型であるという説。
- 「おにぎり」はご飯を握り固めてあるが、「おむすび」は「おにぎり」をワラで巻いて運びやすくしてあるという説。
- 「おにぎり」は丸型で全体を海苔で覆われているが、「おむすび」は三角形でパリッとした海苔を一部に巻いてあるという説。
- 「おにぎり」は江戸時代から呼ばれるようになったが、「おむすび」はそれよりも前から呼ばれていたという説。
など
おにぎりやおむすびの歴史はいつ始まった?
石川県杉谷にある弥生時代後期の遺跡・杉谷チャノバタケ遺跡から、日本最古といわれている「おむすび」が発見されたことから「おにぎり」はこの頃から食べられていたといわれています。
平安時代では現在のおにぎりの原型となる屯食(とんじき)が食べられるようになりました。
この頃の屯食は蒸した餅米を大きな楕円形にしたものでした。
鎌倉時代の承久の乱では、鎌倉幕府側の武士に梅干し入りの「おにぎり」が兵糧として配られました。
これがきっかけとなり梅干しが全国へと広まっていきました。
鎌倉時代末期になると、うるち米で「おにぎり」が作られるようになりました。
戦国時代になると「おにぎり」は兵糧として重宝されるようになり、大根やニンジン・小松菜などの若葉と米を一緒に炊いた「菜飯おにぎり」が主流となりました。
江戸時代になると旅人の携帯食、農作業の合間に食べるものとして「おにぎり」は弁当として重宝されるようになりました。
江戸時代後期にはアサクサノリの養殖が始まったことで、「海苔巻きおにぎり」が発明されました。
明治18年には、黒ごまをまぶした梅干し入りの「おにぎり」2個とたくあん2枚を竹の皮で包んだ日本初となる駅弁が販売れました。
また明治22年になると、山形県鶴岡町にある私立忠愛(ちゅうあい)小学校で貧困児童を対象とした給食が始まりました。
当時の献立は「おにぎり」・塩鮭・漬物でした。
昭和27年にスーパーマーケット、昭和46年にコンビニエンスストアの登場により、作り置きの「おにぎり」が販売されるようになりました。
昭和32年には三重県津市にある天ぷら定食店の千寿が、まかない食として作っていた海老天を具材にした「天むす」が販売され、名古屋めしの1つとして有名になりました。
平成25年に「おにぎり」は、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
おにぎりやおむすびの具には何がある?
ご飯に合う食材なら、「おにぎり」「おむすび」の具にすることができます。
「おにぎり」「おむすび」に使われている具には、どんな物があるのでしょうか。
- 鮭
免疫力や記憶力の向上・老化防止などに効果があります。
- 梅干し
整腸作用や疲労回復・食欲増進などに効果があります。
梅干しの酸っぱさが苦手な場合は、梅干しを包丁で叩いて細かくすると食べやすくなります。
- おかか
シミやソバカスを抑えるなどの美肌効果や骨粗しょう症予防・疲労回復などに効果があります。
- ツナマヨ
ツナとマヨネーズを混ぜ合わせた物で、免疫力向上や疲労回復・貧血予防などに効果があります。
- チーズ
高血圧防止や疲労回復・美肌効果などに効果があります。
鮭や野菜・小魚などと組み合わせることもあります。
- 塩昆布
新陳代謝を上げる・疲労回復・貧血予防などに効果があります。
- 枝豆
高血圧や夏バテ防止・疲労回復・腸内環境を整えるなどの効果があります。
- ひじき
血行促進や動脈硬化防止・骨を丈夫にするなどの効果があります。
- たらこ
疲労回復や美肌効果・骨粗しょう症予防・冷え性改善などに効果があります。
おにぎりとおむすびの違い さいごに
「おにぎり」と「おむすび」の違いについては、いくつか諸説があるためハッキリとした違いは分かりません。
「おにぎり」はずっと昔から食べられていて、今でも手軽に食べられる料理です。
具材の組み合わせや工夫次第で、また違った味の「おにぎり」を楽しむことができるので、「おにぎり」作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。