仕事・生活で得た情報や記録などを書き留めておくノートの種類は、綴じ方・罫線・紙質などで分類されます。
また昔の日本では寺子屋で使われていた手習草子(てならいぞうし)がノートの始まりであるといわれています。
ノートの種類の分類やノートの規格の決まりなどについて調べたことをまとめました。
また日本のノートの歴史もご紹介します。
ノートの種類は何で分類する?
ノートの種類は主に綴じ方・罫線・紙質で分類されます。
綴じ方
・ 糸かがり綴じ
紙を数枚重ねてから真ん中で折り、糸で綴じます。
・ 針金綴じ
紙を数枚重ねてから真ん中で折り、針金で綴じます。
・ 無線綴じ
数枚重ねた紙束の背に接着剤を塗って固めて綴じます。
・ リング綴じ
螺旋状に加工したワイヤーを穴が開いた紙に通して綴じます。
1本のワイヤーを通した場合はスパイラルリング、2本のワイヤーを通した場合はダブルリングと呼ばれています。
罫線
・ A罫
罫幅が7mmと広く書き込みやすくなっています。
・ B罫
罫幅が6mmと狭く細かい文字が書けるので、A罫よりも多く書き込むことができます。
・ C罫
罫幅が5mmと狭いため、1行おきに文字を書き込むことや表やグラフを書くことに適しています。
・ U罫
罫幅が8mmとA罫より広くなっているので、文字を大きく書くことができます。
・ ドット罫
罫幅が6mmまたは7mmで等間隔でドットが打ってあり、文字を規則正しく書き込む・縦線を書き入れて使うことに適しています。
紙質
・ 上質紙
木材・草から抽出した繊維・化学パルプで作られています。
書き込みやすく、滑らかでコシがあり破れにくいという特徴があります。
・ 中質紙
約40~90%の化学パルプが使われています。
上質紙より化学パルプが少ないため、紙の色はクリームがかっていることが特徴です。
ノートのサイズの一般的な規格はどうやって決まる?
ノートのサイズは日本工業規格によってA判・B判の2種類があります。
A判は国際規格、B判は日本規格となっています。
規格ができたのは昭和の始め頃といわれていて、それまでは紙のサイズはバラバラになっていました。
日本には和紙が使われていましたが、明治時代になると海外から洋紙が入ってきたことによって、様々な大きさの紙が存在するようになりました。
これでは不都合であり、非経済的であることから諸外国で使われている紙の大きさを調べ、1929年に日本工業規格が寸法規格としてA判・B判の2つを定めたそうです。
ちなみにA判はドイツ生まれ、B判は日本生まれです。
A判は19世紀にドイツの物理学者であるオズワルド氏によって提案され、現在では国際標準化機構が定めた国際規格となっています。
日本でサイズの規格をつくるときに諸外国のサイズを調べたところ、A判が日本でなじみのある菊判のサイズに近いということから採用されたといわれています。
A判だけにすると昔から使われている四六判には対応できなくなってしまいます。
だからといって四六判を廃止にしてしまうと混乱する恐れがあったため日本独自のサイズであるB判が誕生しました。
B判は主に日本の公文書や書類に使われていていましたが、1990年代になると国際規格のA判が主流となりました。
主なノートのサイズにはA4・A5・A6・B6がありますが、B5だけはセミB5となっています。1963年頃まではB5サイズがありましたが、原紙のカット方法が変わったことでB5より少し小さくなったセミB5サイズが誕生しました。
ノートが文房具として現在の形になるまでの歴史とは?
日本のノートは江戸時代の寺子屋で使われていた半紙を綴じた手習草子から始まり、明治時代になると雑記帳や帳面と呼ばれる和紙で作られたノートが使われていました。
19世紀末にはヨーロッパから洋紙が輸入されるようになり、大学教授のアドバイスで洋紙を使ったノートが作られるようになりました。
これが大学ノートの始まりであるといわれています。
やがて日本国内でも洋紙の生産が始まったため、和紙で作られたノートは少なくなっていきました。
昭和初期になるとフランスからリングノートが輸入されるようになりスケッチブックや単語帳などに使われるようになりました。
1970年には小学生向けの学習帳としてジャポニカ学習帳が発売されました。
1990年頃から手軽に自分でデザインをしたオリジナルノートが発注できるようになりました。
ノートの種類と歴史 さいごに
ノートは綴じ方や罫線によって様々な種類があります。
使う目的によってノートの種類を使い分けると、まとめやすくて見やすくなっていいですね。
自分にとって使いやすいノートを探してみてはいかがでしょうか。
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