ボールペンは申込書や履歴書・書類などの記入に使われている便利な筆記具です。
どんな方向でもスムーズに安定した筆跡で書くことができるため、多くの人たちに使われています。
ボールペンは1884年にアメリカで誕生しましたが、日本ではいつから使われるようになったのか気になります。
ボールペンの歴史や種類・構造などをまとめてみました。
目次
ボールペンの歴史は日本でどう進化した?
日本に油性ボールペンが入ってきたのは1945年で、アメリカ兵によって紹介されました。
その後、国内でも油性ボールペンの生産が始まりましたがインクや材質が悪く、欠陥品も多かったため広く普及することはありませんでした。
1950年代になるとスムーズな書き心地と鉛筆のように削る手間がないことから急速に広まっていきました。
1964年、オート社が世界初となる水性ボールペンを開発したことにより、他の企業からも様々な水性ボールペンが発売されるようになりました。
1966年にはゼブラ社が一目でインクの残量が分かるボールペン・ゼブラクリスタルが発売されました。
1982年にはサクラクレパス社が水性ゲルインキを開発して特許を取得しました。
その後、高性能ゲルインキボールペンの開発を様々な企業が始めたことでボールペンの性能は飛躍的に上がったといわれています。
1980年代後半になると、インクの改良や本体にラバーグリップをつけるなどで書き続けても疲れない工夫がされるようになりました。
1990年代にはインクの色が豊富になったことで、ビジネスだけでなく、学生たちにも広まっていきました。
ボールペンはインクを使っているため、1度書くと消すことができません。しかし2001年に特殊なインクを使うことで紙にインクが染み込まないため、表面に残ったインクを削り取ることで書いた文字を消すことができるボールペンが誕生しました。
さらに温度によって無色透明になるフリクションインクが開発され、消せるボールペンの主流となりました。
ボールペンの種類はいくつ?特徴は?
ボールペンはインクの種類によって4つに分けられます。
油性ボールペン
揮発性が低く粘度の高い有機溶媒をインクとして使っているため、滲みが少ない・裏移りがない・長く書くことができるなどの特徴があります。
また、書き味の重さや書き出し時のかすれ・ペン先に余分なインクが溜まりやすいなどの欠点があります。
インクの色素には染料が使われていて顔料と比べると耐光性は悪いですが、耐水性が良いため約50年以上筆跡を保存することができます。
水性ボールペン
インクの粘土が低いので、サラサラとした書き味があります。
油性ボールペンより、書き味や色の発色性に優れています。
ただし染料インクの場合、水に濡れるとインクが流れて文字が消えてしまうことがあります。
ゲルインクボールペン
水性ボールペンの書き味の滑らかさ、油性ボールペンのインクの出方が一定であるという良さを持ち合わせています。
比較的大きなインク粒子が使いやすいため、白色顔料を混ぜたパステルカラーインクやラメ入りインク・香り付きインク・消せるインクなど特殊なボールペンもあります。
染料ゲルインクは鮮やかな発色や滑らかな書き味がありますが耐水性が弱く、顔料ゲルインクは乾くと耐水性・耐光性が高くなり長期間保存することができます。
エマルジョンボールペン
油性インク彗星ジェルを混ぜ合わせた油中水滴型エマルジョンインクを使ったボールペンで、ゼブラが開発しました。
油性7割、水性3割で混ぜ合わせた状態で安定させることで油性の鮮やかで濃い筆記線と水性の滑らかな書き味を出すことができます。
また耐水性と耐光性にも優れています。
なぜの多いノック式ボールペンの構造
キャップ式のボールペンもありますが、本体上部に付いているボタンを押すことでペン先の出し入れができるノック式ボールペンが主流となっています。
ノック式ボールペンの構造はどうなっているのでしょうか。
ノック式ボールペンの構造はノックカム機構と呼ばれていて、カム本体・ノック棒・回転子の3つの部品で構成されています。
この3つの部品が連動することによってペン先の出し入れが可能となります。
回転子は特に重要な部品で、ノック棒を1度押すと回転子が回転子ながらカム本体の高さの違う溝に収まることでペン先が出てロック状態になり、ノック棒をもう1度押すとロックが解除されペン先が中へ引っ込めることができます。
ボールペンの歴史と進化 種類やノック式構造 さいごに
鉛筆で書類に必要事項を記入しても、こすれて文字が消えてしまうことがあります。
しかしボールペンを使えば文字が消える心配はありません。
ただしインクの種類によっては文字が消えてしまうこともあるので、インクの特徴を確認して使い分けるようにしましょう。
書類の記入だけでなく、勉強にも使える便利なボールペンを活用してみてはいかがでしょうか。