空手とは武器を持つことなく、拳による突きや打ち、足での蹴りを中心とした武術のことで、唐手とも書くそうです。
空手はいつどこで誕生したのでしょうか。
道具を使わない武道の空手の起源や歴史はどんな歩みがあったのでしょう?
空手でよくみられる瓦割りをする理由も不思議です。
なぜなのか?気になるこれらの「?」を調べてみました。
空手の起源 発祥は日本?
空手は武術の1つであることから発祥は日本と思われがちですが、実は琉球王国です。
琉球王国は1429年から1879年までの約450年間、日本の西南諸島に存在していました。
中国や日本、朝鮮、東南アジア諸国との外交・貿易を通して海洋王国へと発展し、首里城は政治・経済・文化の中心となっていたそうです。
明治維新によって成立した日本政府は1879年、軍隊を派遣し首里城から当時の国王であった尚泰(しょうたい)を追放して沖縄県を設置したことで琉球王国は滅亡しました。
その琉球王国に中国拳法が伝わり、独自の手(てぃー)と呼ばれる武術に変化していきました。
手の種類
1800年代の終わりから1900年代初頭にかけて、手は琉球各地で発展していき首里手(しゅりて)、那覇手(なはて)、泊手(とまりて)の3つに分かれました。
・ 首里手
松村宗昆(まつむらそうこん)という人が、中国で中国拳法の修行をする・薩摩藩で士現流(じげんりゅう)の技を身につけるなど、様々な体験を元に確立しました。
・ 那覇手
1655年頃湖城親方が中国拳法を学び帰国後一族に伝授し、商業街・貿易港であった那覇に住む人たちによって継承・発展していきました。
・ 泊手
琉球王国第2の貿易港であった泊村に住む人たちによって継承・発展したものです。
当時は多くの中国人や貿易に携わる外国人が出入りしている他に、中国や僚船からの漂着人を受け入れる施設がありました。
施設に収容された漂着人には拳法に長けた人もいて村人たちが教えを乞うたことが始まりといわれています。
柔道との違い
柔道も空手も道着を着て行う競技のため、詳しくない人には同じように見えるのではないでしょうか。
空手と柔道には、どんな違いがあるのでしょう。
・ 技
柔道は投げ技と固め技を使って戦いますが、空手は蹴り技と突き技を中心に両手足を使って戦います。
・ 道着
柔道は相手の道着を掴んで投げることがあるため、破れないように厚い生地を使っています。
それに対し空手は相手に道着を掴まれることがなく、スピードが必要となるので、動きやすいように薄い生地で作られています。
武道の空手の歴史からみる 空手とはなに?
空手とは琉球王国にあった拳や足を駆使した打撃技が主体となる武術として形成された手(てぃー)は、19世紀頃には唐手と呼ばれるようになりました。
琉球王国の滅亡後、琉球氏族が没落したため唐手の存続が危ぶまれましたが、学校教育への採用や他流試合を積極的に行ったことによって唐手の知名度が上がりました。
唐手が空手に名称が変わった時期は不明ですが、1905年沖縄の武道家・花城長茂(はなしろちょうも)が「空手空拳」を唱えたのが始まりといわれていて、次第に空手という言葉が浸透していったそうです。
空手で瓦割りをするのはなぜ
空手には大きく分けて伝統空手と極真空手の2種類があります。
伝統空手はオリンピックに採用され、種目は型と組手があり、型は指定された型を演武して技術を競い合い、組み手は一定の間合いの中で突きや蹴りなどの技を駆使しながらポイントを取り合う種目となっています。
極真空手の型は伝統空手と同じですが、組手は一撃必殺ともいわれていて相手に突きや蹴りを当てることができる競技です。
ただし顔面への突きは禁止となっています。
瓦割りは極真空手の試合で勝敗がつかない時に行われ、規定の枚数より多く割った方が勝ちとなるそうです。
オリンピック種目に採用された伝統空手では、瓦割りはありません。
また瓦割りは空手がどんなものかを知ってもらうためにデモンストレーションとして行われることもあります。
空手の発祥や起源 さいごに
空手は日本ではなく、琉球王国が発祥の格闘技です。
大正時代に日本の武道として正式承認され、今では大きく分けて伝統空手と極真空手の2種類となりました。空手は礼儀作法が身につくだけでなく基礎代謝が上がり、ストレス解消にもなるという魅力があります。
いろんな流派があるので、自分に合う流派を探してみてはいかがでしょうか。
♪空手と似ている柔道についてはこちらの記事を参照してくださいね (^^)
柔道とは?柔術との違い 柔道の起源や柔道の日本の歴史を年表でみる