柔道とは古武道の柔術から発展した武道で、今ではオリンピック競技になっています。
海外でも人気があり、ブラジルでは約200万人の人たちが柔道をしているそうです。
柔道といえば日本。
なんて思うわりに柔道のことをよく知りませんでした(^^;)そこで柔道の起源や日本での歴史、柔術との違いなどを調べてみましたのでご紹介します。
柔道とは?柔術との違い
柔道は日本古来の武道である柔術をもとに1882年嘉納治五郎(かのうじごろう)が、心身を鍛錬修養し青少年の教育に貢献することを目的に創始した武道です。
投技、固技、当技の3種類の技があります。
相手の攻撃や防御の動きを交わしながら倒すという特徴があります。
柔術とは日本の古武道を代表する徒手武術のことで、徒手または短い武器による攻防の技法を中心に相手を殺傷せずに捕らえる、自身を守る武道です。
戦国時代の戦は遠くから相手を突く・叩くなどで長槍を使っていました。
しかし戦いの途中で槍の穂先が折れる・槍を失ってしまうことで接近戦になります。
武器がない状態で相手に襲われそうになった時に身を守るために組討(くみうち)が使われていたそうです。
この組討が発展して柔術になりました。
柔術とは刀を持った相手の剣術を封じることを目的とした、剣を使わない剣術です。
柔術は相手の攻撃を封じて自分を守るための技術で、柔道は相手の力を利用して倒すという違いがあります。
柔道の基本ルール
試合は「講道館柔道試合審判規定」に基づいて行われます。試合時間中に相手から1本を取る、またはポイントが高い方が勝ちとなります。
【試合場】
- 5m四方で、中央に9.1m四方の場内を設け、畳を50枚敷きます。
- 場外の周囲73mにマット、または畳を敷き詰めます。
- 場内と場外を区別するために境界線となる内側に幅90cmの赤い標識をつけます。
- 試合の始めと終わりに礼をするための位置を、試合場の中央から64m離れた場所に幅5cm、長さ30cmの赤または白のテープを貼ります。
【技の判定】
- 一本
相手が手や足で2度以上叩いた、または「参った」と言った。
抑込技で25秒抑えきった。
- 技あり
抑込技で20秒以上、25秒未満の間に抑えた。
柔道の起源 始まりは柔術から
柔道は嘉納治五郎が柔術をもとに創始した武道です。
嘉納治五郎は1873年に育英義塾に入ると成績を伸ばし優秀な成績を収めるようになりました。
そのことを気にくわない生徒たちが彼をいじめるようになりました。
当時の嘉納治五郎は小柄だったため、相手に歯が立たない状態でした。
そんな時に小さな体でも強くなれる武術である柔術のことを知りました。
しかしこの頃は文明開化を迎えていて、柔術は古い武術として扱われていたそうです。
柔術を教えてくれる人がいなかったため、書物で柔術を独学していたそうです。
1877年、整骨師には柔術を経験している人が多いことを知った嘉納治五郎は多くの整骨師に頼み回り、八木貞之助と出会いました。
しかし八木貞之助は高齢だったため指導をすることはできないと断りましたが、嘉納治五郎が諦めなかったので柔術かである福田八之助に紹介状を書きました。
紹介状を読んだ福田八之助は嘉納治五郎に柔術を指導することにしました。
柔術を学んだ嘉納治五郎は、柔術には人間の成長に繋がる何かがあると確信したそうです。
東京大学講堂で楊心流(ようしんりゅう)の戸塚一門が武術を披露した時、在学中だった嘉納治五郎は飛び入りで試合に参加したことで、柔術の様々な流派にはそれぞれの良さがあることに気づきます。
柔術を行うことで精神力や勝つために工夫を凝らす心構えなどで人として成長できると考えるようになります。
明治時代では柔術は古いものとして認知されていたため、柔術が受け入れられるように自分で作りかえようとして、柔道が誕生しました。
柔道の日本の歴史を年表でみると
1882年、嘉納治五郎によって誕生した柔道の主な出来事を年表にしてみました。
年 | 主な出来事 |
1887年 | 学校の課外授業になる |
1930年 | 第1回全日本柔道選士権大会開催 |
1931年 | 軍隊・警察・会社・町道場へと普及が広まる |
1945年 | 終戦後、学校柔道の禁止 |
1946年 | 大日本武徳会が解散 |
1948年 | 第1回全日本柔道選手権大会開催 |
1949年 | 全日本柔道連盟の結成 |
1950年 | 学校柔道が再開 |
1952年 | 国際柔道連盟へ正式加入 |
1956年 | 第1回世界柔道選手権開催 |
1964年 | 男子柔道がオリンピックの正式種目に認定される
東京オリンピック開催 |
1978年 | 第1回全日本女子柔道大会開催 |
1992年 | 女子柔道がオリンピックの正式種目に認定される |
柔道とは さいごに
柔道は相手の攻撃をかわしながら自分を守るための技術である柔術から発展した競技です。
日本だけでなく世界でも人気となっています。
身体の小さい人でも大きな人を倒せることが魅力となっているようです。
柔道は身体を鍛えるだけでなく礼節を身につけることができるので、興味があれば見学や体験してみてはいかがでしょうか。
♪武道もいろいろあります。剣道については次の記事をご覧いただければと思います。