和楽器にはいろいろなものがありますが、その中の弾きものというのが弦楽器になります。
弾きもので琴といっても、いろいろあるんですね。
琴には4つの種類があります。
また同じく「こと」と呼ばれる箏という楽器があります。
琴と箏にはどんな違いがあるのでしょうか?
琴の種類と特徴や歴史、そして箏との違いなどを調べてみましたのでご紹介します。
琴とは?種類とその特徴
和楽器では琴爪や指の爪を使って弦を弾いて音を出す撥弦楽器(はつげんがっき)のことをまとめて琴と呼んでいます。
琴には主に4つの種類があります。
古琴(こきん)
中国の伝統楽器で七弦琴(しちげんきん)または瑶琴(ようきん)とも呼ばれています。
3000年の歴史があり、7本の弦が張ってあります。
日本には遣唐使の時代に譜と一緒に伝わってきました。
一弦琴(いちげんきん)
江戸時代初期に中国から伝わった琴で、木製の胴に1本の弦が張ってあります。
胴の長さが約110cm、幅は頭部が約11cm、尾部が約8cmで中間に2ヶ所のくびれがあります。
胴の表面部には徽(き)と呼ばれる印が13個はめ込まれています。
二弦琴(にげんきん)
1820年、中山琴主(なかやま ことぬし)が出雲大社への献納用楽器として考案されました。
出雲琴(いずもごと)と呼ばれていましたが、代表曲である「八雲曲(やくもふり)」にちなんで八雲琴(やくもごと)と呼ばれるようになりました。
大正琴(たいしょうごと)
1912年、愛知県名古屋市大須にあった旅館・森田屋の長男森田吾郎(本名:川口仁三郎)がタイプライターのキーをヒントにして発明した琴です。
キーの配列はピアノの鍵盤と同じになっていて、哀愁のある澄んだ音が出ます。
簡単に演奏ができるので、大正時代では家庭用楽器として流行しました。
琴の発祥はいつ?琴の歴史を探ると
琴は奈良時代に中国から雅楽を演奏するために伝わってきた弦楽器です。
平安時代では貴族の楽器として使われていて、「源氏物語」にも登場しています。
福岡県にある寺の僧侶によって筑紫箏(つくしごと)というジャンルが誕生しました。
江戸時代になると、音楽家である八橋検校(やつはしけんぎょう)が筑紫箏をもとに現在の箏曲(そうきょく)の原型となる新しい形の曲が作られ、江戸時代後期から明治時代にかけて、普及したそうです。
琴と箏との違いとは?
琴と箏はともに奈良時代に中国から日本に伝わってきました。
その後、琴は消えてしまいますが江戸時代で復活します。
しかし明治時代になると琴は日本から消えてしまいました。
一方、箏は消えることなく残り、現在でも使われていて琴と呼ばれています。
1946年に当用漢字が導入され、難しい漢字の使用を公文書や新聞などで制限することになりました。
その時に箏という漢字が対象となり代替文字として琴が使われるようなったのです。
日本では使われなくなっていた琴は7本の弦があり柱(じ)がなく、現在でも使われていて琴と呼ばれている箏には13本の弦があり柱(じ)のあるという構造の違いがあります。
琴(箏)の種類
現在日本で使われている琴(箏)は弦の数によって、いくつかの種類があります。
- 箏(十三絃)
よく使われている一般的な箏で、十三絃とも呼ばれています。
お正月のBGMとして良く流れている「春の海」や「さくらさくら」は、この箏で演奏されていますよ。
- 十七絃箏
絃が17本あるので十七絃と呼ばれています。
絃が太いので、よく響く重低音が魅力となっています。
- 二十絃箏
絃が20本ある箏で1969年に誕生しました。
2年後の1971に絃が1本増えましたが、名称は二十絃箏のままになっていますよ。
絃が1本増えたことで音域が広がり、調弦を変えなくてもドレミ音階を自由に弾けるようになりました。
和楽器の弾きもの琴 さいごに
現在使われている琴の正式名称は箏ですが、当用漢字が導入されたことで読みやすい琴で呼ばれるようになったため、どちらも「こと」であることは、ちょっと混乱してしまいますね。
本来の琴は柱がない、現在でも使われている箏は柱があるという違いがあるので見分けることができますよ。
琴を習いたいけど看板に箏って書いてあるけど、自分の想像している琴かどうか迷った時の判断材料にしてくださいね。
琴にはいろんな種類があり、定番の曲から流行りの曲をアレンジして演奏している動画もあるので、聴いて楽しんでみてはいかがでしょうか。
♪和楽器の吹きものの分類の笛についてはこちらの記事をご覧いただければと思います。