料理の味をひきしめたり食材の臭みや水分を取ったりと、塩は欠かすことのできない調味料ですね。
日本ではいつから塩が使われるようになったのでしょう?
塩がどうやって生まれたのか?
日本の塩の歴史や種類って気になりませんか?
そしていろいろある塩の使い方など知りたくなって調べてみましたのでご紹介します。
塩の歴史日本でのあゆみ
日本で塩が使われるようになったのは、縄文時代の終わりから弥生時代頃といわれています。
狩りをしていた頃は動物の肉だけでなく内臓・骨の髄も食べていました。
動物の内臓や骨の随には塩分が含まれていたので、わざわざ塩を取る必要がありませんでした。
その後、農耕によって米や穀物・野菜を中心とした食生活になったため、カリウムの摂取量が増えナトリウムの摂取量が減ってしまいました。
体内から余分となったカリウムを出すためには、塩の成分であるナトリウムが必要となるため、塩が使われるようになったそうです。
なぜ塩が必要とわかったの?
♪ どうやって塩が必要とわかったのか、どうやって海水から塩を作る方法がわかったのでしょう?
ここも気になるところですね。
話はそれますが・・・
今から約46億年前、小さな惑星が衝突を繰り返し誕生したのが地球です。
生まれたての地球は地表温度が1500度以上で液体の水は存在していませんでした。
地球が現在の大きさに近くなると、地表は徐々に冷えていき、さまざまなガスが溶け込んだ大気中の水蒸気が酸性の雨となって大地に降り注ぎました。
そして海を形成していき地球上のほとんどの元素を含んだ海の原型が出来上がります。
原始の海からさまざまな成分が取り除かれ、主にナトリウムイオンと塩化物イオンを含む、現在の塩辛い海水に変化したのは40億年ほど前のこと。
それから約2億年後(推測)地球上で最初の生命が海で誕生したといわれています。
生命が海から陸に上がるとき、海水と同じ成分を体内に持ち込みました。
それが血液や体液です。
血液と海水の成分はほぼ一緒。
体液のミネラル組成も海水とほとんど同じといわれています。
私たちの体には塩は必要不可欠だということが本能でわかっていたんですね。
でも体内で作り出すことはできません。
塩なしでは生きてはいけないので食べ物として摂取しなくてはならなかったということですね。
こういった理由があって、塩を作る方法も本能的に知るようになったのかもしれません。
話を日本の塩の歴史に戻します(^^;)
日本初の塩作りは、干した海藻を燃やして塩が含まれている灰をそのまま使うという原始的な方法から始まったようです。
6~7世紀になると灰塩(焼いた海藻の灰)に海水をまぜて濃い塩水(かん水)を採り、これを煮詰めて塩を作るようになりました。
さらに、干した海藻に海水をかけて作った濃い塩水を土器に入れて煮詰めて作る藻塩焼き(もしおやき)という方法になりました。
8世紀では原料は海藻から塩分が含まれている砂に海水をかけて濃い塩水を作り、焼いた貝殻や灰・土などで作られた土釜に入れて煮詰めて塩が作られるようになります。
この製塩用の土器は、弥生・古墳時代を中心に、九州から東北まで、全国各地の海岸部で数多く出土しています。
17世紀中頃になると、播磨国赤穂藩(現在の兵庫県赤穂市周辺)で入浜式塩田という方法で塩が作られるようになり、備前や周防・讃岐などの瀬戸内海沿岸の十カ国が製塩の中心になったそうです。
入浜式塩田は改良を繰り返しながら1959年頃まで続いたそうです。
現在では戦後に開発されたイオン交換膜を使った方法で塩が作られているそうです。
塩の種類は3種類!それぞれの特徴
塩は海水から作られていますが取ってきた場所によって大きく3つに分類され、製法やミネラルの添加によって細かく分類されます。
海塩
海水から作られた塩のことです。
・食塩
一般的に売られている塩で、イオン交換膜透析法によってナトリウムイオンとカリウムイオンを抽出・濃縮してから真空蒸発缶によって煮詰めて作られています。
ミネラルの添加はありません。
・自然海塩
海のミネラルが豊富に含まれている塩です。
海水を塩田や枝条下流式によって濃縮させた濃い塩水を太陽光と風だけで結晶化させた完全天日塩や平釜で煮詰めた平釜塩などがあります。
・再生加工塩
塩ににがりやミネラルなどを加えて成分調整をして作られています。
製塩方法は海外から輸入した塩を使った自然海塩加工とイオン交換膜透析法によって作られた塩を使ったイオン交換塩加工の2種類があります。
岩塩
海だった場所が地殻変動などによって陸地に閉じ込められ塩湖となり、水分が蒸発して塩が結晶化して長い時間をかけてできた層から取り出された塩です。
岩塩層に水を注入して濃い塩水を作り真空蒸発缶で結晶化させた溶解方岩塩と岩塩層を直接ボーリングまたは露天掘りをして取り出した採掘方岩塩があります。
湖塩
海だった場所が地殻変動によって陸地に閉じ込められ塩湖となった水を蒸発させて結晶化させた塩です。
ミネラルが豊富に含まれている・塩分濃度が高いことが特徴なっています。
塩の種類で用途が違う 料理の使い分けは?
塩は用途によって使い分けると、料理を美味しく仕上げることができます。
食塩
他の塩と比べて入手しやすい・サッパリとした塩辛さを感じることができるので、どんな食材にも合います。
また和食に使うと、食材の味を引き立て丁度良い塩味が感じることができますよ。
自然海塩
太陽の光と風によって作られているので、深みのある味わいが特徴で、白身魚や大根・冬瓜をはじめとする野菜などあっさりとした食材に使うと、塩の味を活かしつつ食材の美味しさを引き立ててくれますよ。
料理の隠し味として使われることもあるそうです。
岩塩
しっかりとした塩味とまろやかな味が特徴で、肉料理や味の濃い料理に適しています。
岩塩には硫黄が含まれているので、肉の臭みを取ってくれる働きがあるので、調理前の振り塩として使うといいですよ。
湖塩
ミネラルが豊富に含まれていて料理に使うと塩味が感じやすくなります。
煮物や煮込み料理など、時間をかけて火を通すことで深みと甘味が出て料理をマイルドにしてくれますよ。
ただし死海で取れた湖塩には塩化カリウムや塩化マグネシウムが豊富に含まれているため苦味が感じやすくなっているので、食材や料理には向いていないので注意しましょう。
塩の発祥と歴史 さいごに
塩は人間が生きていく上でかかせないものです。
そして塩は食材や料理の味を引き立てるためには欠かすことのできない調味料でもあります。
調理法によって合う塩が違ってくるので、上手に使い分けて料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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