今では掃除機で掃除をするのが当たり前になり、自動で掃除してくれるロボット掃除機も登場しました。
しかし最近では音が静か・エコで経済的・細い隙間のゴミが取れるなどで、ほうきが見直されています。
今回はほうきの由来や歴史や和箒について調べてみました。
また箒を逆さまに立てると客が帰るという意味なども。
目次
ほうきの由来と歴史 実は神聖なもの
ほうきとは乾燥させた植物の繊維や葉脈・枝などをブラシや筆・刷毛などの形状に束ね、棒の先端につけた掃除用具のことですね。
現在では単なる掃除道具の一つと思われていますが、実はほうきは、古くから神聖なものであると考えられていました。
今でもその考えは残っています。
箒には出産に関する神様である産神(うぶがみ)の1つである箒神(ははきがみ・ほうきがみ)が宿っていると言われていたそうです。
掃く・掃き出すという行為が出産と結びついた、または古名の「ははき」が「母木」と読めるからなどの諸説があるそうです。
新しい箒で妊婦のお腹をなでる、または赤ちゃんが生まれる部屋にほうきを立てて酒を供えると安産になるといわれていますよ。
「古事記」には祭祀の玉箒(たまほうき)・箒持(ははもち)と呼ばれ祭祀の道具として登場していたそうです。
平安時代になると宮中で1年のホコリを払う煤払いの道具として使われるようになりました。
鎌倉時代では中国から禅宗が伝わり、寺では修行の一環としてほうきを使った掃除をするようになりました。
室町時代になるとほうき売りという職業が生まれ、広く使われるようになったそうです。
江戸時代になると江戸と大坂ではシュロほうきを編み上げる職人が現れるようになりました。
板の間が広まっていたため、しなやかさで毛先が柔らかいシュロほうきが板の間掃除に適しているということで良く使われていたそうです。
江戸中期になると庶民でも畳を使うようになったため、座敷ほうきが登場しました。
明治維新後には純外国産の繊維を使った赤シダホウキが初めて開発されました。
シュロほうきの需要に供給が追いつかなくなったことから、新たな供給先として海外に求めたそうです。
赤シダホウキの登場によりシュロほうきは徐々に衰退していきました。
1955年代以降になるとプラスティックを使った化繊ほうき、1973年には玄関やベランダを掃除するのに便利な黒シダホウキが作られるなど、様々な繊維を使ったほうきが出てくるようになりました。
日本特有の和箒とは?
日本には、座敷箒・土間箒など日本特有の和箒があります。
座敷箒(ざしきぼうき)
主に畳のある座敷を掃除するための箒ですが、フローリングにも使うことができます。
シュロを原料にして作られています。
土間箒(どまぼうき)
玄関先などを掃除するための短めの箒です。
パームやヤシを原料にして作られています。
庭箒(にわぼうき)
庭や屋外で地面の落ち葉やゴミを掻き集めるための大きめの箒です。
竹を原料にして作られています。
荒神箒(こうじんぼうき)
荒神は火からかまどを守ってくれる神様ですが、農業全般の神様でもあるため、農家のかまどの上に祀られていました。
そのかまどを清めるために使う約20cmの小さな箒です。
この箒で他の場所を掃除すると罰が当たると言われているそうです。
稲穂の芯を原料にして作られています。
座箒(ざぼうき)
茶道で主人が迎付け前・中立後などに茶室の畳を掃除するための箒です。
鶴や鷹などの羽を原料にして作られています。
箒を逆さまに立てると客が帰る? なぜ?
箒の穂を上にして立ててタオルを被せておくと、長居して欲しくない客が帰るというおまじないがあります。
これにはいくつか諸説があります。
・箒に宿る神様に長居して欲しくない客を早く返して欲しいとお願いする
・掃除中であることをアピールして早く帰ってくださいねという気持ちを表す
・神主さんが御幣を振る仕草に似ているなどがあります。
また箒には神様が宿っているので、跨ぐと罰が当たると言われています。
タイでも出入り口に箒を逆さまに立てかけておく習慣がありますが、これは客が帰った後に掃き清めるためだそうです。
日本の嫌な客が帰った後に塩を撒くと似ていますね。
ほうきの歴史 まとめ
ほうきは神聖なものから掃除をする実用的なものへと変わりました。
でも、神様が宿っているという考えは今でも変わっていません。
掃き掃除をすることで悪いものも一緒に払ってくれるといわれているのですね。
あなたのお部屋も、たまには掃除機でなくほうきでキレイにしてみませんか。
☆ほうきに関して種類などの記事はこちらです^^興味が合ったら覗いてみてくださいね。
☆掃除に関する記事を集めました。こちらも参考にしていただければと思います。