最近の葬儀には様々な形があります。
通常のお葬式をしても、その後お墓に埋葬しない形の自然葬が増えています。
火葬のあとでお骨を海に散骨したり、樹木を墓標とする形など、宇宙葬もそのひとつで遺骨を宇宙に散骨するものです。
宇宙葬の種類・方法・費用などをまとめてみました。
目次
宇宙葬とは? 日本でも可能?
なんとなく想像はできますが、宇宙葬とはどんなものなのか本当のところよく解らないですよね。
宇宙葬は簡単に言えば、遺骨をパウダー状にした遺灰をカプセルに入れ、ロケットで宇宙空間へ打ち上げて散骨する埋葬方法のことです。
死後、お墓に入らず自分の好きな場所で眠りたいと山や海に散骨・埋葬する自然葬を行う人が増えていますが、最近では宇宙空間へ散骨する「宇宙葬」が注目されています。
ただし、日本でロケットを打ち上げて宇宙葬をするのは、少し難しいかもしれません。
もう少し詳しくみていきます。
宇宙葬のメリット
故人の希望をかなえてあげられる
宇宙飛行士になりたかった、または宇宙旅行に行ってみたかったなど故人の希望を宇宙葬でかなえてあげることができます。
お墓の管理が必要ない
遺灰を宇宙空間で散骨するのでお墓を用意する・管理する必要がなくなります。
宇宙葬のデメリット
日時を選べない
ロケット・人工衛星に搭載する場合は、打ち上げ予定スケジュールが決まっているので自分たちの都合で日にちを選ぶことができません。
また、悪天候・参加人数が少ない場合は延期になる可能性があります。
遺灰を取り戻せない
ロケット・人工衛星に搭載する場合は遺灰を1~7g程度専用カプセルに入れますが、バルーンタイプの場合は遺灰を全部入れることができるので、後で遺灰を取り戻すことはできません。
宇宙葬にも種類があった 日本ではバルーン葬?
宇宙葬には、バルーン・宇宙飛行・月旅行の3つのタイプがあります。
宇宙飛行・月旅行タイプで使うロケット・人工衛星は日本では打ち上げることができないので、海外で行います。
バルーンタイプは場所を選べるので日本でも行うことができます。
バルーンタイプ
大きなバルーンに遺灰を入れて飛ばします。
約2時間かけて高度30~50kmの成層圏まで上がり、バルーンが破裂して散骨されます。
日時・バルーンの色を自由に選ぶことができます。
好きな場所を選ぶことができますが、遺灰を入れたバルーンの大きさは直径2~2.5mになるので、周囲に影響を与えない場所に限られます。
【費用】
基本料金は24万円が相場となっています。
バルーンに入れる遺灰は1人分となっているので、夫婦または兄弟も一緒に行う場合はバルーンを増やす必要があり追加料金が発生します。
また業者によっては遺骨をパウダー状にするための料金が必要となる場合があります。
代理散骨は8万円となっています。
【流れ】
現地集合→バルーンに遺灰入れ、ガスを注入→セレモニー開始→黙祷・別れの挨拶→巨大バルーンを飛ばす
宇宙飛行タイプ
専用のカプセルに入れた遺灰をロケット、または人工衛星に搭載して、国際航空連盟やアメリカ航空宇宙局(NASA)が定義するカーマンライン(海抜高度100 km)を超えた宇宙空間へ打ち上げます。
その後、数ヶ月から数年かけて地球の周回軌道を回ってから大気圏に突入し、流れ星のようになって燃え尽きます。
【費用】
ロケットを使った場合は29万円から150万円、人工衛星を使った場合は100万円から300万円が相場となっています。
【流れ】
遺骨を預ける、または送られた専用カプセルに遺灰を入れて業者へ送る→ロケット・人工衛星に搭載して打ち上げ→打ち上げ時の映像や記念品などの送付
月旅行タイプ
専用のカプセルに入れた遺灰を入れてロケットに搭載して、月へ打ち上げます。
ロケットはそのまま墓標として月に残ります。
【費用】
120万円から800万円が相場となっています。
【流れ】
遺骨を預ける、または送られた専用カプセルに遺灰を入れて業者へ送る→ロケットに搭載して月へ打ち上げ→打ち上げ時の映像や記念品などの送付
宇宙葬にかかる費用 それでも一般葬より安いわけ
月旅行タイプや人工衛星を使った場合は高額な費用がかかりますが、バルーンタイプやロケットを使った場合は一般葬より安くなる可能性があります。
宇宙空間へ散骨するので、お墓の購入・管理費が不要となります。
先祖代々の墓がある場合は管理費だけですが、新たにお墓を購入することを考えると、宇宙葬の方が安くなることがあります。
●他にもお葬式や埋葬についてまとめました。こちらの記事も参考になさってください。
宇宙葬 さいごに
宇宙葬を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
宇宙が好きな人にとっては理想的ですが、まだ新しい葬送方法のため親類の方から反対・批判がある可能性があります。
生前中からきちんと話して納得して貰ってから、宇宙葬をスムーズに行えるようにしておきましょう。