針供養というのがあります。
折れたまたは錆びた・曲がった針を豆腐やこんにゃくなどに刺して供養する針供養。
浅草の浅草寺が有名ですよね。
針供養はいつからはじまったのか?豆腐やこんにゃくに針を刺すにはどんな意味があるのかと疑問がふつふつと・・・。
今回は針供養のことをいろいろ調べてみましたのでご紹介します。
針供養とは始まりは?由来と意味 なぜ針?
中国の「社日(しゃにち)に斜線を止む」という古い習わしが針供養の起源といわれています。
社日とは春分・秋分に最も近い戌の日のことで、生まれた土地の神様をお祀りする日のこと。
斜線とは針と糸・裁縫仕事を指していて、土地の神様をお祀りする日は針仕事を休むという習慣があったそうです。
この習慣がいつ日本に入ってきたのかは不明ですが、平安時代には針供養を行うための堂が法輪寺に建立されたことがはじまりと考えられています。
江戸時代になると和歌山県の淡島神社・淡島信仰と針供養の風習が合体して、現在のような行事になり日本全国に広がったといわれているそうです。
針供養と事八日の関係 事始め事納めどっち
針供養は2月8日または12月8日に行われています。12月8日と2月8日は事八日(ことようか)と呼ばれていて、歳神様と田の神様によって事始め・事納めの意味が違ってくるそうです。
12月8日は田の神様側では農作業を終える「事納め」で、歳神様側ではお正月の準備を始める「事始め」になります。
2月8日は田の神様側では農作業を始める「事始め」で歳神様側ではお正月に関する行事が全て終わる「事納め」になります。
針供養は針が役目を終えることに対して感謝を表す行事なので、東日本ではお正月に関する行事が全て終わる2月8日、西日本では農作業が終わる12月8日とそれぞれの「事納め」に行うことが主流となっているようですよ。
また東日本では事八日には妖怪や厄神が家にやって来るので、身をつつしむ日とされていました。
江戸時代では妖怪や厄神を追い払うおまじないとして、目籠をくくりつけた竹竿を軒先に立てかけていたそうですよ。
行事食として「お事汁」という味噌汁があります。
六質汁(むしつじる)とも呼ばれていて、芋・大根・ゴボウ・ニンジン・小豆・こんにゃくの6種類の具材が入っています。
ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に入った温かいので無病息災を願って食べられています。
地方によっては入れる具材が違うようですよ。
針供養で豆腐に刺すわけ なぜ浅草寺?
豆腐やこんにゃくに役目を終えた針を刺して供養しますが、これは硬い生地を縫い続けた針に最後は柔らかいところで過ごしてください、または楽をしてくださいという意味が込められているそうです。
2月8日に行われる針供養では浅草・浅草寺(せんそうじ)が有名です。
浅草寺は東京都台東区浅草にある都内最古の寺で平安時代に創建されたといわれているそうです。
聖観音菩薩を本尊とし天台宗に属していましたが、1950年に独立して聖観音宗の本山になり浅草観音や浅草の観音様と呼ばれ広く親しまれています。
境内には淡島堂があり、毎年2月8日に針供養が行われています。
江戸時代に紀州の淡島明神をお迎えして祀られていることから淡島堂と名付けられたそうですよ。
淡島神社の御祭神様は少彦名命(すくなひこなのみこと)という医学の神様で婦人系の病気平癒や子宝などに御利益があり、女性の守り神としても信仰されていることから浅草寺・淡島堂で針供養が行われているそうです。
浅草寺・淡島堂で行われている針供養では、三宝にのせた大きな豆腐に古針を刺して供養と感謝の祈りを捧げています。
針歳暮餅
富山県では12月8日の針供養の時に針歳暮餅と呼ばれる大福を贈る習慣があるそうです。
娘が嫁いで初めての針供養に実家から嫁ぎ先へ桜の焼き印が入った赤・白・緑色の大きな大福を届けます。
大切な娘を可愛がってくださいという実家の親の願いを込めて嫁いだ先に贈る最初のお歳暮といわれているようです。
針供養 さいごに
2月に針供養を行う寺院が多いですが、地方によっては12月に行われることがあります。
針供養を行う日を確認して、日頃から使っていた針に感謝して供養してあげるのっていいですね。