リニアモーターカーとは、時速約500km以上で走ることができる列車で、東京~大阪間を約1時間で移動することができるといわれています。
リニアモーターカーは、どんな仕組みで走ることができるのでしょうか。
リニアモーターカーとは、どんな乗り物なのか、現状や日本で実用化されているリニアモーターカーなどを紹介します。
リニアモーターカーとは?どんなもの
リニアモーターカーはリニアモーターで駆動する乗り物です。
リニアモーターとは、円筒状と円柱状の固定子と回転子で構成されたモーターを帯状に展開させ、回転運動の代わりに直線運動するようになっています。
ちなみにリニアモーターカーという言葉は和製英語で、超電導リニアの開発者・京谷好泰氏が名付けたといわれています。
また、日本では超電導磁気浮上式鉄道とも呼ばれています。
リニアモーターカーの種類
リニアモーターカーには、空気浮上式と磁気浮上式の2種類があります。
・ 空気浮上式
空気で浮上して走行する方式です。
鉄の車輪を使った列車の速度上限が約300kmと考えられていました。
1960年代に次世代高速鉄道候補としてフランスのアエロトラン、イギリスのトラックト・ホバークラフト、アメリカのトラックトエアクッションビークルなどの開発が進められていました。
しかし、様々な問題によって高速鉄道としての開発が打ち切られていまいます。
その後空港ターミナルでの輸送利用として実用化されました。
・ 磁気浮上式
磁力によって発生する反発力、または吸引力を利用し浮上させて走行する方式です。
1971年に西ドイツで初めて有人走行に成功しています。
リニアモーターカーの代表格であるといわれています。
リニアモーターカーの現状
1962年に新幹線に続く超高速鉄道として、リニアモーターカーの開発が始まりました。
現在では、大阪~名古屋~東京を約1時間で移動できるリニア中央新幹線の国家プロジェクトが進行中となっています。
当初の計画では、2027年に東京~名古屋間開業、2045年に大阪~名古屋間開業となっていましたが、静岡県が南アルプストンネルの着工を認めていないことやトンネル掘削による川の水質問題・工事が遅れているなどの理由で開業予定が東京~名古屋間は2027年から2034年以降、東京~大阪間は2045年頃と変更になりました。
日本で実用化されているリニアモーターカー
● Osaka Metro長堀鶴見緑地線(1991年開業)
大阪府大阪市大正区にある大正駅から門真市にある門真南駅までを結ぶ大阪市高速電気軌道(Osaka Metro) の路線で、1990年に開催された「国際花と緑の博覧会」会場へのアクセスとして日本初の鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄として建設されました。
● 神戸市営地下鉄海岸線(2001年開業)
兵庫県神戸市長田区にある新長田駅から神戸市中央区にある三宮・花時計前駅までを結ぶ神戸市営地下鉄の路線で、「夢かもめ」という愛称があります。
● 福岡市地下鉄七隈線(2005年開業)
福岡市西区にある橋本駅から博多区にある博多駅までを結ぶ福岡市交通局の地下鉄で、沿線には中村学園大学や福岡大学などの大きな大学があるため通学を中心に利用者が多いです。
● 愛知高速交通東部丘陵線(2005年開業)
名古屋市名東区にある藤が丘駅から豊田市にある八草駅までを結ぶ愛知高速交通の路線で「リニモ」という愛称があります。
● Osaka Metro今里筋線(2006年開業)
大阪市東淀川区にある井高野駅から東成区にある今里駅までを結ぶ大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro) の路線で、従来の車両より小さい鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄です。
● 横浜市営地下鉄グリーンライン(2008年開業)
横浜市緑区にある中山駅から横浜市港北区にある日吉駅までを結ぶ横浜市営地下鉄の路線です。丘陵を通っていることから「グリーンライン」と呼ばれていますが、「横浜市高速鉄道4号線」が正式名称となっています。
● 仙台市地下鉄東西線(2015年開業)
宮城県仙台市太白区にある八木山動物公園駅から仙台市若林区にある荒井駅を結ぶ仙台市交通局の地下鉄路線です。
リニアモーターカーとは?さいごに
リニアモーターカーは環境に優しく高速移動ができる乗り物で、神戸市や福岡市などで実用化されています。
しかし新幹線となると、工事による環境の変化や工事の難しさなどの問題があり開業予定が当初の計画より遅れています。
リニア新幹線がいつ開業するのかは分かりませんが、実際に走っているリニアモーターカーに乗ってみてはいかがでしょうか。