普通の缶詰とは違う台形の形の缶に巻き取り鍵のついたコンビーフ。
今は形も変わりましたがコンビーフとは塩漬けにした牛肉を缶詰にしたもので、英語ではcorned beefと表記します。
コンビーフはカロリーが控えめで、そのまま食べられるだけでなく様々な料理に使うことができます。
コンビーフの定義や名前の由来や缶詰の形の理由等調べてみました。
目次
コンビーフとは?どんな定義があるの
コンビーフとは牛肉を塩漬けにしてから缶詰にしたもので、イギリス海軍が保存食として作ったことが始まりといわれています。
日本には第二次世界大戦後に進駐軍が持ち込み、1948年野崎産業が初の国産コンビーフを発売しました。
最初は缶詰に必要なブリキが手に入りにくかったため、コップ型のガラス瓶にブリキのフタを使ったアンカー瓶と呼ばれる容器に入れていました。
当時は十分な設備がなく製造に多くの苦労があったため、とても高価な食品でした。
しかし、すでに馴染みの味として庶民に受け入れられていたため、それなりに売れていたそうです。
1950年になると枕缶と呼ばれる台形型の缶に詰められるようになり、1978年には年間生産数が3000万を超える人気商品となりました。
コンビーフができるまで
- 牛肉から脂身とスジを手作業で取り除き、こぶし大の大きさに切ります。
- 切った肉を塩に漬けて、約2日冷蔵庫で漬け込みます。
- 塩漬けした肉を釜で蒸煮します。
- 粉砕機で肉の塊を崩し、繊維状にほぐします。
- 繊維状になった肉から細かい筋肉の膜を手作業で取り除きます。
- ひき肉・砂糖・塩・調味料などを加え、温度を上げながらタンクでかき混ぜます。
- 充填機で容器に詰めます。
- 容器にフタをしてから加熱殺菌をします。
- パッケージラベルを巻き、賞味期限を印字します。
- 検査を行い、問題がなければ出荷します。
食べ方
そのまま食べても美味しいですが、電子レンジで温める・フライパンで焼くなど熱を加えると肉の脂がジュワッと溶けて違う風味を味わうことができます。
コンミートとコンビーフの違い
コンビーフは牛肉100%で作られていますが、コンミートは牛肉の他に馬肉が入っています。
作り方は同じですが、コンミートはコンビーフより値段が安く、少しクセのある味が特徴となっています。
コンビーフハッシュとは
コンビーフハッシュとは、茹でたジャガイモを細かくサイの目に切ってからコンビーフに混ぜ合わせたもので、アメリカでよく食べられていて缶詰だけでなく冷凍食品もあります。
日本では沖縄県のみ普及していて、1食分のレトルトも作られています。
また沖縄独自の商品として、豚肉や鶏肉を使った「コンポークハッシュ」や「コンチキンハッシュ」が開発されています。
卵料理の付け合わせや野菜炒め・焼きそば・チャンポンなどの具材、マヨネーズと混ぜ合わせたパンの具材、コロッケの具材などに使われています。
コンビーフハッシュはコンビーフにジャガイモが入っているため、「畜産物缶詰及び畜産物瓶詰の日本農林規格」の基準では「牛肉野菜煮」となります。
コンビーフの名称の由来とは?
コンビーフは英語ではcorned beefと表記されます。意味は「corned」は塩漬けされた、「beef」は牛肉です。
アメリカでは「コーンビーフ」、イギリスでは「コーンドビーフ」と呼びますが、日本人には「コンビーフ」と聞こえたため定着したといわれています。
コンビーフ缶はなぜ台形?
台形型の缶は「枕缶」と呼ばれていて、江戸時代に使われていた枕の形に似ていたことが由来だそうです。
枕缶は鍵状の専用道具で缶の側面を巻き取り開封するようになっていて、1875年にアメリカの会社が特許を取りました。
コンビーフを詰めた缶詰の形が台形になっているのは、大きな底面側から詰めることでコンビーフを隙間なく充填することができることで、容器の中の空気を抜き酸化を防ぐことができることが理由となっています。
現在では製缶・脱気技術が進歩したことにより、缶の形が台形以外でも品質を保持できるようになり、2020年1月15日に3月で枕缶での製造を終了すると発表しました。
現在では開けやすいシールフタを採用したアルミック缶となっています。
コンビーフとは?名称の由来と台形の缶 さいごに
コンビーフは牛肉を塩漬けにした保存食として誕生しました。
海外では作りたてのフレッシュコンビーフが主流ですが、日本では缶詰となっているので非常食として用意することができます。
そのままでも熱を加えてもおいしく食べることができるコンビーフを活用してみてはいかがでしょうか。
♪コンビーフのおいしい食べ方についてはこちらの記事をご覧いただければと思います(^^)
コンビーフの美味しい食べ方は?買い置きでおつまみと簡単アレンジ