ハサミには布を切る裁ちバサミや食材を切る調理用バサミ・紙を切る工作用バサミなど切る物によって使うハサミが違ってきます。
布を切る裁ちバサミで紙を切ってはいけないといわれていますが、なぜでしょう?
裁ちバサミで紙を切ってはいけないという理由も知りたいし、和鋏と洋鋏の違いや特徴、またハサミの研ぎ方など、調べたことをまとめました。
目次
裁ちバサミで紙を切ると切れなくなる理由とは?
裁ちバサミとは布を切るためのハサミで、メーカーによって裁断鋏や布切りハサミ・羅紗切りバサミと名前に違いがあります。
布と紙のどちらも繊維が原料として使われていますが、布は繊維を織る・編むなどで交差させた柔らかいものに対し、紙は繊維を絡み合わせてくっつけた固いものになっています。
裁ちバサミの刃は柔らかい布を切るために薄く鋭くなっているため、固い紙を切ると刃こぼれや刃つぶしを起こし切れ味が悪くなるといわれています。
また裁ちバサミで固い物を切るには力がかかるため、刃を繋いでいる軸が緩み、かみ合わせが悪くなることが切れなくなる理由の1つであると考えられています。
和鋏と洋鋏の違いと特徴
ハサミは大きく分けて和鋏と洋鋏の2種類に分けられます。
特徴と違いには、どんなものがあるのでしょうか。
和鋏とは
U字型のハサミで握りバサミとも呼ばれています。
1本の鉄をU字型にしてあるため、指を入れる穴はなくハサミを握るように以て使います。
紀元前1000年頃、古代ギリシア時代に羊毛を刈るために作られたといわれています。
日本へは中国を通して伝わったといわれていて、現在でも生産・使用しているのは日本だけで、糸切りや飴細工などに使われています。
洋鋏とは
X字型のハサミで2本の鉄を交差させネジで留めてあります。
主なハサミとして布を切る裁ちバサミや花や小枝を切る花バサミなどがあります。
紀元前27年、古代ローマ時代に羊毛を刈る・布地を切る・髪を切るなどで使われていたそうです。
和鋏と洋鋏の違い
洋鋏には指を入れる穴があり動かすことで刃が開閉しますが、和鋏には指を入れる穴がなく鋏本体を握って刃を動かすという違いがあります。
ハサミの切れ味は研ぎ方で決まる!
ハサミを長く使い続けていると、刃に傷や汚れがついて切れ味が悪くなることがあります。
ハサミの刃を研ぐことで切れ味を戻すことができます。
砥石を使ったハサミの研ぎ方を紹介します。
手順
- 15分ほど砥石に水をつけて、水分を含ませます。
- ネジで固定されているネジを外して分解をします。分解できないハサミの場合は刃を大きく開きます。
- 液状研磨剤を含ませた布でハサミについたサビや汚れを落とします。
- 水分を含ませた砥石が滑らないように新聞紙を敷いてから砥石をのせます。
- ハサミの刃に角度が付いている部分・小刀を砥石にあて研いでいきます。途中で砥石が乾いたら水をかけてから研ぎましょう。
- 研ぎ終えたら水をかけてハサミの刃を洗います。
- 分解したハサミは組み立てて元の形に戻したら終了です。
ハサミの切れ味を戻す応急処置
砥石がないけど、ハサミの切れ味をすぐに戻したいときの方法を紹介します。
紙ヤスリ
目の細かい紙ヤスリをハサミの刃に角度が付いている部分・小刀にあて削ることで、欠けた部分を修復することができます。
アルミホイル
クシャクシャにしたアルミホイルで10回ほど切ります。アルミニウムがハサミの摩擦熱によって溶け、ハサミの欠けた部分にくっつくことで切れ味が戻るといわれています。
消しゴム
ベトベトとした汚れは消しゴムを使うことで絡め取ってくれます。
メイソンジャー
瓶詰めを作るときに使う口の広いガラス瓶であるメイソンジャーの周りに最大限に広げたハサミの刃をあて切るように滑らせます。
刃が滑らかになったら水ですすいで水気を拭き取ります。
メラミンスポンジ
メラミンスポンジに水を含ませてから水気を切り、ハサミの葉の表面を磨きます。
切れ味が戻ると同時に汚れも落とすことができます。
裁ちバサミで紙を切らない理由や和鋏と洋鋏の違いと特徴 さいごに
裁ちバサミは柔らかい布を切るために作られているので、固い紙を切ってしまうと切れ味が悪くなってしまいます。
ハサミには切る物によって適したハサミがあるので、使い分けてハサミを活用してみましょう。
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