魚は傷むのが早いため、長く保存することができません。
魚を干物にすることで生魚より少しだけ長く保存することができます。
どうして魚を干物にすると腐りにくくなるのでしょうか。
干物とはどんなものなのか、なぜ腐りにくくなるのかなど調べてみましたのでごを紹介します。
干物とは?
干物とは、魚介類を干して乾燥させた加工食品のことです。
水分を少なくすることで魚介類を長期間保存することができます。
干物の種類
- 天日干し
太陽の光を利用して魚介類を乾燥させます。
天日干しにすることで、旨味成分であるアミノ酸が引き出されやすくなります。
- 機械干し
人工乾燥機をつかって魚介類を乾燥させます。
大量生産する工場で使われています。
- 煮干し
しらすやカタクチイワシ・真イワシなどの魚を煮て味を染み込ませてから、乾燥させます。
出汁を取るために使われています。
- 塩干し
魚介類を塩に漬け込んでから干して乾燥させます。
均等に味が染み込ませる食塩水につける方法と貯蔵性を高めるためにじっくりと手間をかけて染み込ませる方法があります。
アジやサバ・カマスなどがあります。
- 丸干し
めざしや小アジ・カレイなどの内臓を取らないまま乾燥させます。
内臓に含まれた栄養も取ることもできます。
- 開き干し
アジやサンマ・ホッケ・サバなどの内臓を取ってから乾燥させます。
内臓を取り除いてあるので、苦味を感じることなく味わうことができます。
- 焼き干し
アユやイワナ・イワシ・トビウオなどの内臓を取り除いてから炭火で焼き、乾燥させます。
そのまま炙って食べるだけでなく、味噌汁や雑煮などの汁物の出汁などに使われています。
- 灰干し(はいぼし)
ワカメや真アジなどを紙に包んでから周りに火山灰を敷き詰め、乾燥させます。
時間をかけて水分を飛ばすので、魚の色味が変わりにくいという特徴があります。
- 寒風干し(かんぷうぼし)
サンマや鮭などに塩を擦り込んでから、潮風に当て乾燥させます。
独特の旨味とコクがあるという特徴があります。
干物はなぜ腐りにくい?
生の魚介類が腐ってしまう原因として水分があります。
水分が豊富に含まれていることで、細菌や酵母・カビなどの微生物が活発になり、タンパク質や脂肪分を分解してしまい腐ってしまいます。
干物は干して水分を飛ばすことで微生物の繁殖を抑えるため、腐敗のスピードが遅くなります。
また塩水につけてから干すことで、水分が蒸発しやすくなるだけでなく塩の殺菌作用で微生物の繁殖を抑えることができます。
自分で干物作り!簡単な作り方
開き干し
どんな魚でもいいですが、主な魚としてカマスやアマダイ・アジ・イワシ・サンマ・サバなどがあります。
【作り方】
- 魚を開きます。
- 水洗いをして汚れを取り除きます。
- ボウルに水(1000ml)・塩(100g)を入れて塩水を作り、魚を約1時間漬けます。
- 塩水から魚を取りだし、水洗いします。
- 水気を拭き取ったら、干し網に入れて風通しと日当たりの良い場所で干します。
- 表面が乾燥したら完成です。
一夜干し
イワシやキス・サヨリなど身の薄い魚に適していて、短時間で作ることができます。
【作り方】
- 魚を開きます。
- 水洗いをして汚れを取り除きます。
- ボウルに水(1000ml)・塩(100g)を入れて塩水を作り、魚を約1時間漬けます。
- 塩水から魚を取りだし、水洗いします。
- 水気を拭き取ったら、干し網に入れて風通しと日当たりの良い場所で約3~5時間干したら完成です。
丸干し
ウルメイワシやカタクチイワシ・ハゼ・アゴなど小さい魚に適しています。
【作り方】
- 魚を洗い、ウロコや汚れを落とします。
- ボウルに水(1000ml)・塩(30g)を入れて塩水を作り、魚を約10時間漬けます
- 塩水から魚を取りだし、水洗いします。
- 水気を拭き取ったら、干し網に入れて風通しと日当たりの良い場所で約1日干したら完成です。
干物を使ったレシピ
- 炊き込みご飯
- アジの干物(1尾)に酒(大さじ1)をふりかけてから、ラップをして電子レンジ(600W)で2分加熱します。
- ニンジン(30g)・ショウガ(1片)は千切りにします。
- 米(2合)を研いでから炊飯器の釜に入れ、醤油(大さじ2)・酒(大さじ1)を加え、水を2合の線まで入れます。
- ニンジンとショウガを加え軽くかき混ぜてから、アジの干物をのせ炊飯器で炊きます。
- 炊き上がったらアジを取りだし、身をほぐし混ぜ合わせたら完成です。
干物とは?なぜ腐りにくい?
生魚だと日持ちはしませんが、干物にすることで長く保存することができます。
魚をまとめ買いしたとき、干物にしてみてはいかがでしょうか。