フクロウは幸運の鳥だけでなく、知恵のシンボルともいわれています。
フクロウが知恵のシンボルといわれるようになったのは神話からだそうですが、どんな話なのでしょうか。
フクロウに関する神話や知恵のシンボルといわれている理由・フクロウという名前の由来などを紹介します。
フクロウの神話-知恵のシンボルのわけ
フクロウが知恵のシンボルといわれているのは、神話に登場する女神の使いや聖鳥だったからです。
ギリシア神話ではアテナは知恵・戦争・学芸・工芸をつかさどる女神。アテナの聖鳥として、使者や化身となったのがフクロウなのです。
ローマ神話ではミネルヴァの聖鳥としてフクロウがいます。
ミネルヴァは音楽・詩・医学・知恵・商業・工芸・魔術をつかさどる女神となっています。
梟の神話は日本ではアイヌのカムイ(神)
日本の神話に登場する動物といえば、龍や狐・タヌキなどがいますがフクロウは登場していないようです。
しかしアイヌ神話ではフクロウは1番偉い神として登場しています。
アイヌ神話とは
アイヌ民族が語り継いできた神話のことです。
アイヌ民族は、北海道や東北北部・樺太(からふと)・千島列島(ちしまれっとう)などで暮らしていた人たちです。
交易民として、本州や北東アジアと関わり独自の言葉や文化をもった日本の先住民族であるといわれています。
アイヌ神話の特徴として、カムイ(神)は自然の中に存在していて自然の恵みそのものが神であることになります。
アイヌの人たちによって、フクロウは特別な存在となっています。
中でもシマフクロウは、夜になると村を見守り偵察して村を守る神・コタンコロカムイと呼んでいました。
鷲子山上神社(とりのこさんしょうじんじゃ)
鷲子山上神社は栃木県と茨城県の県境にあり、「フクロウの神社」とも呼ばれていて、境内全域がパワースポットとなっています。
807年、大蔵坊宝珠上人が諸国遍歴中に徳島県に立ち寄り、紙漉きの技術と一緒に守護神である天日鷲命(あめのひわしのみこと)に来て貰い、鷲子山に社殿を建立したといわれます。
天日鷲命が鳥の神であること、「不苦労」や「福老」・「福来朗」に通じるフクロウが神の使いとして崇拝されてきたことから「フクロウの神社」と呼ばれています。
金運や運気上昇・縁結びなどの御利益があるそうです。
・天日鷲命
天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に入ってしまったときに、出てきてもらうために神々が踊り、天日鷲神(あめのひわしのかみ)が弦楽器を奏でたとき弦の先に鷲がとまりました。
神々たちは、この鷲は世の中を明るくする吉祥を表す鳥だといいました。
そして、神の名前として鷲の字を加え、天日鷲命としたといわれています。
鷲子山上神社にいる主なフクロウたち
- 大フクロウ像
地上7mの日本一大きなフクロウの像で、1番人気のパワースポットとなっています。
運気上昇や金運福徳を願う人たちが多く訪れています。
大フクロウに苦労を運び去って貰い、多くの幸せを運んでくれます。
- 金運不苦労御柱
宝くじが当たった・温泉が湧き出てきた・商売が繁盛したなど、金運にまつわる話題が絶えない不思議な柱です。
笑顔でこの柱を叩くと良いそうです。
- フクロウポスト
お願い事と初穂料(おこころざし)を封筒に入れて投函すると、神前にお供えして神様に報告してくれます。
このポストはこの神社内だけで使われているので、普通郵便は入れないようにしてください。
- フクロウの鐘
家内円満や恋愛成就・職場円満など人との絆を願うための鐘です。
この鐘を叩いたことで、結婚できた・子どもが授かった・人間関係が良くなったなどと神社に報告が来ているそうです。
- 水かけフクロウ
フクロウの石像に水をかけることで、苦労を水に流すことができます。
また、フクロウの石像を撫でてあげると、家庭円満や金運成就など多くの幸せが舞い込んでくるといわれています。
フクロウという名前の由来
フクロウという名前は奈良時代からあり、鳴き方や方言と結びついたなどいくつか諸説があります。
- 「ゴロチョ」や「フルツク」・「ホーホードリ」・「ホロスケ」などの鳴き声からフクロウとなった。
- 中国に古くから伝わる母を食べる親不孝な鳥という説が伝わり、「ははくらふ」(母食らう)または「はふくらう」(父母食らう)となりフクロウとなった。
- ふっくらした羽の様を「膨るる(ふくるる)」と例えたことからフクロウとなった。
- 夜行性であることから、「昼隠居(ひるかくろふ)」といわれたkとからフクロウとなった。
また、フクロウを漢字で書くと「梟」となります。
昔フクロウの死骸を木の上にさらして小鳥を脅していたことが由来となっています。
フクロウの神話と名前の由来 さいごに
フクロウが知恵のシンボルと呼ばれているのは、知恵の神である女神ミネルヴァ、女神アテナの聖鳥・使いであるからだといわれています。
日本には、フクロウの神社といわれている鷲子山上神社があるので、機会があったら出かけてみてはいかがでしょうか。
☆フクロウの神話いかがでしたか?そもそもフクロウとは?と梟のこともっと知りたくなったら、こちらの記事もご覧いただければと思います。