私たちが普段飲んでいる日本茶は日本独自の飲み物として愛飲されてきました。
緑茶や玄米茶・ほうじ茶・釜炒り茶など、様々な種類のものがあり、日本茶と呼ばれています。
日本茶はいつから栽培されていたのでしょうか。
日本茶の起源やできるまでの歴史を知りたくて調べてみました。
その種類やおいしい煎茶の淹れ方なども紹介したいと思います。
日本茶の起源は?日本のお茶ができるまでの歴史
日本茶は奈良時代に遣唐使や留学僧によって中国から種子を持ち帰ったことで栽培が始まりました。
日本茶は非常に貴重なものだったため、僧侶や貴族など限られた人たちが飲んでいました。
鎌倉時代になると僧の栄西が中国から茶の種を持ち帰り、筑前(現在の佐賀県)・背振山(せふりさん)で栽培を始めます。
その後、栄西から茶の種を譲り受けた弟子の明恵が京都の栂尾山(とがのおさん)にある高山寺で栽培を始めたことが、宇治茶の基礎になったといわれています。
宇治から伊勢・駿河・武蔵川越などへと移植が進められ、今では日本有数の産地となりました。
1214年栄西は将軍・源実朝(みなもとのさねとも)の深酒を諫めるために、日本茶の健康価値や効能などをまとめた「喫茶養生記」という本と一緒に日本茶を献上したことで、日本茶の栽培が推奨され武士階級にも広まっていきました。
南北朝時代では日本茶を飲み比べて産地を当てる「闘茶」が行われていたそうです。
室町代では、室町幕府第3将軍・足利義満が宇治茶に特別の庇護を与えたことで宇治茶のブランドが形成されていきました。
室町時代後半では村田珠光(むらたじゅこう)が佗茶を創り出し、これを受け継いだ武野紹鴎(たけのじょうおう)や千利休たちによって茶の湯が完成し、豪商・武士たちに広まっていきました。
安土桃山時代になると宇治では茶葉の育成中に一定期間光を遮って育てる覆下栽培(おおいしたさいばい)が始まり、鮮やかな緑色と独特の香り・まろやかな旨味と甘味のあるお茶が作られるようになりました。
江戸時代では茶の湯は幕府の儀礼に正式に取り入れられ武家社会では欠かせないものになりました。
日本茶は庶民にも一般的な飲み物として広まっていきました。
庶民が飲んでいたお茶は抹茶ではなく、茶葉を煮出したものだったそうです。
明治時代初期では静岡県・牧之原台地など平坦な土地に集団茶園が創られるようになりました。
その後茶園開拓をしていた士族たちはしだいに離れていき、代わりに農民たちが継承し茶園の形成だけでなく、流通の発展や茶商・仲買人・問屋などの育成、機械の発明など茶業を中心とした関連産業に影響を与えました。
現在では茶園のIT化が進み、効率の良い大規模茶園の運営を少人数でも行えるようになりました。
日本茶の種類はこんなにいっぱいある!
日本茶は栽培方法や製法の違いによって、いくつかの種類に分けられます。
煎茶
最もよく飲まれている日本茶で、爽やかな香りと程よい渋味が特徴となっています。
煎茶より長く蒸して仕上げた煎茶は深蒸し茶と呼ばれていて、香りは弱くなりますが濃厚な味を楽しむことができます。
玉露
新芽が開き始めた頃に茶葉に光が当たらないようにすることで、旨味成分のテアニンが増えるのでコクと甘味が楽しめる日本茶です。
光に当たらない時間を短くすると、かぶせ茶になります。
抹茶
玉露と同じように光を当てずに育てた若葉を乾燥させた碾茶(てんちゃ)から茎・葉脈を取り除き、石臼などで挽いて粉状にした日本茶です。
茶筅でたてて飲みます。
番茶
夏以降に採取した煎茶を番茶と呼んでいます。
夏の強い日差しを浴びているので、渋味成分を多く含んでいます。
ほうじ茶
煎茶・番茶を強火で焙煎した日本茶で、香ばしい香りとスッキリとした味が楽しめます。
ほうじ茶は葉を主体にしていて、茎ほうじ茶は茎を主体にしています。
玄米茶
煎茶または番茶に玄米を混ぜ煎茶の香りと玄米の香りが楽しめる日本茶です。
抹茶を加え、煎茶と玄米の香りだけでなく抹茶のコクも楽しめる抹茶入り玄米茶もあります。
日本茶の煎茶のおいしい淹れ方のコツ
煎茶をおいしく入れるには、お湯の温度が重要となります。
煎茶をおいしく入れる方法とコツを紹介します。
淹れ方
- 湯飲みにお湯を7分目ほど注ぎます。
- 急須に茶葉を入れます。
- 湯飲みで冷ましておいたお湯を急須に注ぎ、約1分間おきます。
- 湯飲みに注ぎ入れます。
コツ
・お湯は1度完全に沸騰させます。
沸騰してからフタを取り5分以上沸かし続けることで、カルキ臭が取れ茶葉の成分をバランスよく抽出することができます。
・湯飲みで冷ましたお湯を使う
湯飲みでお湯を冷ますことで渋味成分が溶け込むことを抑えることができ、甘くてまろやかなお茶になります。
日本のお茶 さいごに
日本茶に含まれているタンニンには血圧を抑える・虫歯予防・殺菌作用などがあります。
ただしカフェインが含まれているので飲み過ぎると頭痛やめまいなどの症状が出ることがあるので注意してくださいね。適量を守って日本茶を楽しみましょう。
♪日本には茶道という文化があります。こちらも合わせてご覧いただければと思います。