マーガリンはバターに比べ値段が安いので定番として使っている人が多いのではないでしょうか。
しかしマーガリンに含まれているトランス脂肪酸と飽和脂肪酸を取りすぎると体に良くないといわれています。
気になるマーガリンの歴史やファットスプレッドとは何かというのを調べてみました。
また、マーガリンが体に良くない理由などをまとめました。
マーガリンとは?マーガリンができた歴史
マーガリンは1869年フランスで誕生しました。
当時は隣国であるプロシアとの戦争により、バターが不足していました。
フランスを治世していたナポレオン1世の甥であるナポレオン3世は、バターの代用品となるものを懸賞として募集したところ、メージュ・ムーリェという科学者が考案した、牛脂の柔らかい部分を牛乳と混ぜてから冷やし固めたマーガリンが採用されたそうです。
真珠のように美しい油の塊だったことからギリシャ語で真珠という意味のあるマーガリンと名付け特許を取ったそうです。
1870年から勃発した普仏戦争によってマーガリンの量産化ができなかったメージュ・ムーリェは、特許をオランダ人のアントン・パウル・ユルゲンス、ジモン・ファン・デン・ベルクの2人に売却しました。
その後2人は1871~1873年にかけて、オスという町でマーガリンの製造工場を建設し大量生産を始め、デンマークやオランダ・フランス・オーストラリア・ハンガリーで販売しました。
1874年にアメリカ、1875年にドイツ1889年にイギリスでの販売を始めたそうです。
マーガリンの味はバターに似ていましたが、色はラードに似た白色でした。
当時のバターは薄黄色になっているのが当たり前だったので、白いマーガリンではあまり食欲が出なかったそうです。
そのためマーガリンに薄黄色の着色料で見た目もバターに近づけました。
日本にマーガリンが登場したのは1887年です。
日本に住む欧米人のために輸入されたそうです。
山口八十八氏や千足栄蔵氏などがマーガリンの研究を始め、人造バターとして日本国内でも作られるようになりました。
第二次世界大戦になると生産量は減少しましたが、戦後は製造技術の進化や食生活の洋風化によって生産量が増え、1952年からマーガリンと呼ばれるようになりました。
ファットスプレッドってなに?
ファットスプレッドとは、食用油脂の割合が80%未満となっているマーガリンのことです。
マーガリンと比べて油分が少なく水分が多いため柔らかく、パンなどに塗りやすくなっています。
また果実や果実加工品・チョコレートなどの味をつけることができるので、様々な味を楽しめるようになっているのが特徴となっています。
マーガリンのトランス脂肪酸と飽和脂肪酸は何が体に悪い?
バターと比べて値段が安くパンに塗りやすいマーガリンですが、トランス脂肪酸・飽和脂肪酸が含まれているため体に悪いといわれています。
トランス脂肪酸・飽和脂肪酸とは加工油脂や牛などの反芻動物の脂肪に含まれている脂肪酸の1種。
飽和脂肪酸とは乳製品・肉などの動物性脂肪やココナッツ油・ヤシ油など熱帯植物の油脂に多く含まれています。
トランス脂肪酸には血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあるため、摂りすぎてしまうと動脈硬化の促進や心疾患になる可能性を高める・免疫機能の低下・アレルギー疾患の増加・ガンになるリスクを高めるなどの悪影響があります。
飽和脂肪酸は重要なエネルギー源ですが摂りすぎてしまうと冠動脈疾患や肥満・糖尿病になるリスクを高めてしまいます。
また飽和脂肪酸の摂取量が少なすぎると脳出血を発症させる危険性があります。
マーガリンとは さいごに
マーガリンはバターより安いので多くの人に使われていますが、トランス脂肪酸が多く含まれているため、摂りすぎると健康に悪影響を与えてしまいます。
日本は欧米にくらべるとトランス脂肪酸の摂取量は少ないといわれていますが、スナック菓子やファストフード・外食などで摂りすぎてしまう可能性があります。
トランス脂肪酸が少ないものを選んだり、使う量を少なくするなどでマーガリンを上手に使ってみてはいかがでしょうか。
♪バターの歴史はこちらです(^^)ご覧ください。
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