荷物の受け取りや口座の開設・書類に押すなど、はんこを使うことが多いですね。
はんこを押すという作業は、いつから行われるようになったのか気になります。
そしてはんこという名称もいろいろありますよね。判子、印鑑、印章・・・ちゃんとした違いを知らないで適当に使っていました。
はんこの語源や由来・歴史・印鑑との違いなどまとめました。
はんこの語源と名前の由来とは?
はんこの語源・由来にはいくつか諸説があるといわれています。
・江戸時代に作られていた版行または板行(両方とも読みは、はんこう)が転じてはんこと呼ばれるようになった。
版行・板行とは、絵や文字などを版木に彫る・刷る・発行する作業のことをいいます。
・版行・板行で絵や文書を印刷することと印章で捺印することが混同して、分かりにくいので印章のことをはんこと呼ぶようにした。
・判を押すことを行うことを判行と呼んでいたが、はんこと呼ぶように変わった。
はんこの歴史 日本だけ?
はんこは紀元前7000年前頃のメソポタミア地方で使われていたのが始まりといわれています。
当時のはんこは、円筒形の外周部分に絵や文字を彫り、粘土板の上に転がして押印していたといわれているそうです。
当時はんこを持っていたのは有力者たちで、石や宝石を材料にした独自のはんこに紐を通して首から下げて必要に応じて使っていたそうです。
その後、中国から日本へまたはギリシアやエジプト・ローマから欧州各地へと世界各地に広まっていきました。
・日本ではんこが使われるようになったのは、西暦57年頃に中国から日本へ送られた純金製の漢委奴国王印(かんのわのなのおういん)です。
その後政府や地方の支配者の公印として使われるようになりました。
・平安時代では掌に朱肉をつけて押す手形印という制度が始まり、江戸時代まで使用されていました。
・平安時代後期になると、起請文や遺言状には花押(かおう)が押されるようになりました。
花押とは署名を極端に形容化または図案化し、署名の代わりに使われた記号のことで版刻したものに墨をつけて押印していました。
・明治時代になると法令によって実印が個人の証として管理されるようになり、重要な証文になどに使える印鑑登録制度が導入され、現在でも使われています。
今では、はんこを使う習慣は日本だけで欧米諸国ではサインで個人を証明する方法が使われています。
日本に住む外国人が印鑑証明を必要とする場合は、はんこの代わりにサインをするようになっているそうです。
印章の日
はんこを販売している印章小売店で組織されている印章組合の全国組織である全日本印章業協会が10月1日を「印章の日」と定めた記念日です。
1871年に施行された法令・太政官布告(だじょうかんふこく)で、取引をする時は庄屋などに印影を届け出て作成した印鑑帳で印影を照合・確認できるようにしなければいかないとされました。
1873年7月に出された太政官布告では爪印・花押の使用禁止、同年10月1日には証明書には必ず実印を用意しなければならいと定められたことを記念して定められました。
はんこと印鑑の違いってなに?
はんこと印鑑は同じであると思われがちですが、それぞれ違う意味があります。
はんことは個人や組織が当事者であることを証明するための印のこと。
印鑑とは捺印した紙や書類に残る文字や絵のことをいいます。
「この書類に印鑑を押してください」という場合がありますが、正しくは「この書類にはんこを押してください」となるんですね(^^;) 注意しましょう。
印鑑の語源・由来
印鑑とは、はんこが本物かどうかを判断するために印影(いんえい)の照会に使っていた台帳を鑑(かがみ)と読んでいたことが語源・由来となっています。
印影とは、紙に押して残った朱肉のあとのことをいいます。
台帳には本物のはんこで押された印影が載っていて、持ってきたはんこの印影を見比べて真偽を確かめる方法は、現在でも行われています。
はんこの語源 印鑑との違い さいごに
はんこは古代メソポタミアで誕生しましたが、海外では1400年頃からサインによる署名が信用できる物となり、はんこは使われなくなったそうです。
日本ではんこが使い続けられているのは、民法や法律ではんこが必要であることが多く定められていて簡単に廃止できないことが理由の1つとなっています。
また、役所で登録した印鑑を使えば代理人でも契約を行うことができるメリットもあります。
本人であることを簡単に証明できる便利なはんこを大切に管理して使うようにしましょう。
♪はんこや印鑑に必要な朱肉についてはこちらの記事をご覧いただければと思います。
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