はんこを押す時に使う朱肉、当たり前に使っていましたがどんな物でいつから使われるようになったのでしょう?
またはんこを押す道具にはスタンプ台もありますが、朱肉との違いには何があるのでしょうか。
いろいろ知りたいことが出てきました。
気になる判子に必要な道具の朱肉の種類やスタンプ台との違いや使い分け方など調べたものを紹介します。
朱肉とは?朱肉の種類はなにがある
朱肉は実印や銀行印・認印・訂正印・会社の代表者印・役職印・角印などのはんこを押す時に使う肉印です。
色は朱色で、一般的には肉印を入れた容器も含めて朱肉と呼ばれています。
朱肉が使われるようになったのは中国の宋時代からで、日本には奈良時代に仏教とともに伝わり官印として使われるようになりました。
江戸時代では朱肉は武士階級のみに使うことが許されていて庶民たちは黒印を使っていたそうです。
明治時代に署名捺印によって正式な書類とする印鑑条例が発令されたことから、安い支那朱を原料にして製造されていましたが、当時朱肉はとても高価で貴重な物でした。
朱肉を安く作る方法の開発が急がれ1894年頃印刷局の技師によって国産化に成功し、一般官庁でも朱肉が使われるようになりました。
朱肉の種類
朱肉にはスポンジ朱肉・練り朱肉・印泥(いんでい)の3種類があります。
スポンジ朱肉
朱色の顔料に松脂や合成樹脂などを混ぜた朱油を絞ってインク状にして、フエルトやスポンジに染み込ませた朱肉です。
朱油が印面へ均等に吸着するため、押印しやすい・乾きやすいことが特徴となっています。
練り朱肉
ひまし油に松脂・木蝋を加え混ぜ合わせ、加熱してドロッとした油になったら朱色の顔料を加え朱油にしてから和紙などの繊維質を加え練り上げた朱肉です。
印影が変色・退色しにくいので、長期間保存する重要書類・書画の落款(らっかん)として使われることがあります。
印泥
中国で採れる珠砂に乾燥ヨモギを混ぜ合わせ、顔料で色づけ・油で粘度を調整した朱肉です。
印影の鮮明さや色の深み・変色やにじみが少ないことが特徴になっています。
石のはんこや落款印を押す時に良く使われています。
なぜ朱肉とスタンプ台があるの?その違いとは?
スタンプ台はインキを染み込ませたパッドが敷いてあり、ゴム印の印面をパッドに付けることでインクが印面に付着させて紙へと転写するようになっています。
朱肉は朱色の顔料に油などを混ぜて作られていますが、スタンプ台は顔料に染料インキが混ぜてあるという違いがあります。
朱肉とスタンプ台の赤色は同じように見えますが、使われている材料が違うため色も変わります。
また朱肉は印面にしっかりとつきますが、スタンプ台は印面にあまりつかないため押しても印影がかすれたように見えるので役所や銀行での手続き・契約書の取り交わしの時に認められないことがあるので注意する必要があります。
朱肉とスタンプ台を使い分ける理由と分け方
はんこを使う時は朱肉、ゴム印を使う時はスタンプ台に分けられますが、どんな理由があるのでしょうか?
朱肉は印影を長くキレイな状態に保つために顔料に油が含まれています。
スタンプ台は押した後少しでも速くインキが乾くようになっています。
スタンプ台の代用としてゴム印に朱肉を付けてしまうと、油分によってゴム印の劣化を早めてしまいます。
また、はんこをスタンプ台で使うとインキの成分によって印材を変質させてしまい、はんこが使えなくなる可能性があります。
はんこには朱肉、ゴム印にはスタンプ台と正しく使い分けないと、はんこの印影がかすれたり、ゴム印の寿命を縮めたりすることがあるので、正しく使い分けましょう。
朱肉とは さいごに
はんこが使われるようになる前は、自分の血を使って拇印する血判が使われていました。
しかし、そのたびに血を出すわけにはいかないため、疑似血液が使われるようになったのが朱肉の始まりであるといわれています。
自分の肉体を切って判を押していたため「肉」をあてるようになったそうです。
自分を証明してくれるはんこを長く使うために、スタンプ台ではなく朱肉を使うようにしましょう(^^)
♪判子を押す時の正しいやり方も知っておいた方がいいですね (^^)
こちらの記事でご覧いただければと思います。
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