使い捨てカイロは、火などの道具を使わずに袋から取り出すだけで熱くなり、冷えた体を温めることができる便利なアイテムです。
どうして簡単に使い捨てカイロが熱くなるのでしょう?
使い捨てカイロの暖かくなる仕組みや種類を探ってみました。
また歴史や起源も気になりませんか?
使い捨てカイロの正しい使い方などもまとめました。
目次
使い捨てカイロの仕組みと種類
使い捨てカイロの仕組みは、中の鉄粉により発熱させているんですね。
鉄粉に水と酸素を与えることで化学反応が起こり、酸化鉄となって熱を発生させます。
鉄粉が酸素に触れ続けていると、火傷を負うくらいの熱さになりますが、活性炭と塩類によって適度な温度を保つことができるようになっています。
使い捨てカイロの原材料
鉄粉・水・バーミキュライト・活性炭・塩類などが使われています。
原材料として使われている物質にどんな役割があるのでしょうか。
- 鉄粉
錆びることによって発熱します。
- 水
鉄粉の錆びる速度を速めます。
- バーミキュライト
ヒル石と呼ばれる雲母系の原鉱石から作られる人工用土で、観葉植物の保水土として使われています。鉄粉が水に濡れてもベタつかずサラサラとした状態を保つ働きがあります。
- 活性炭
表面の気孔には空気を取り込む働きがあります。
- 塩類
塩化ナトリウムまたは塩化カリウムが使われていて、鉄粉の錆びる速度を速める・ゆっくりと温度を変化させるなどの働きがあります。
使い捨てカイロの歴史や起源は?
懐炉(かいろ)は江戸時代ごろ囲炉裏や焚き火を使って石を温め、布にくるみ懐に入れて体を温めていた温石(おんじゃく)が始まりといわれています。
明治時代では木炭末に保温力の高いナスの茎の灰を混ぜ、通気孔のある金属容器に入れて燃焼させる灰式懐炉が使われていました。
現在でも冬場のカメラレンズ結露防止として使われているそうですよ。
大正時代になるとベンジンを気化させたガスと白銀の触媒作用を使って燃焼させる白銀式懐炉が登場しました。
使い捨てカイロはアメリカ陸軍が使っていたフットウォーマーを元にして、1975年に旭化成工業がアッタカサンという商品名で販売したのが始まりといわれています。
使い捨てカイロの使い方 貼るタイプと貼らないタイプ
使い捨てカイロは大きく分けて貼るタイプと貼らないタイプの2種類に分けられます。
貼るタイプは衣服の上に貼ることがでるサイズの大きいタイプや靴下の裏に貼ることができるサイズの小さいタイプがあります。
貼らないタイプのほとんどはポケットに入るサイズとなっています。
使い捨てカイロを使うときに気をつけたいこと
・ カイロ本体は揉まない
袋から取り出して良く揉むことで発熱が早くなると思われがちですが、本体には空気を取り込む目が開けられているので揉まなくても発熱するようになっています。
揉んでしまうと目詰まりを起こして発熱しないことがあります。
貼るタイプも特殊な素材を使って酸素を取り込むようになっているので、揉んでしまうと中身が片寄ってしまう恐れがあります。
・ 食品の保温には使わない
発熱温度は雑菌の繁殖に適しています。
食品の保温に使うと菌を繁殖させてしまう恐れがあるので使わないようにしましょう。
・ 低温やけど
体温より高い物を長時間触れていると、紅斑や水泡ができる低温やけどを起こす可能性があります。
見た目ではたいしたことがないように見えても、場合によっては皮膚の深部までに損傷していることがあります。
1時間ごとに皮膚の状態を確認して低温やけどを防ぎましょう。
就寝時に使うと低温やけどになる可能性が高くなるので使わないようにします。
使い捨てカイロを貼る場所
貼るタイプの使い捨てカイロを効率良く使える場所があります。
・ 首
太い血管があるので温まった血液が全身を巡ることで体全体を温めることができますよ。
・ 背中
肩から背中には僧帽筋という筋肉があり、冷えてしまうと血流が悪くなるだけでなく筋肉も固まってしまいます。
なので背骨にそって2枚並べると暖まりますよ。
・ 足
くるぶし周辺を温めると血流が良くなるので全身が暖まりますよ。
使い捨てカイロ さいごに
使い捨てカイロはいつでもどんな時でも場所を選ばす、気軽に体を温めることができる便利なアイテムです。
上手に使って寒い冬を乗り切りましょう。
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