お祭りの屋台といえば食べ物が多いですが、中にはオモチャを扱っている屋台もあります。
お面を売っている屋台もありますが、いつ頃から始まったのでしょうか。
お祭りの屋台にはお面売りが必ずといっていいほどあります。
お祭りの屋台でお面が売られている理由やお面の起源・歴史などを紹介します。
祭りでお面が売られるのはなぜ?
お面を使って顔を覆うことは人間以外のものになれると考えられていました。
そのため神様を迎えて、もてなす祭りには欠かすことのできない小物となっています。
お面を忘れてしまっても、その場で入手できるように売っていたと思われます。
最近ではアニメのキャラクターのお面もあり、子どもの頭にのせる・浴衣に合わせるなどお祭りのコーディネートを楽しむための小道具として使うこともあります。
お面の起源とその由来
古くからお面で顔を覆うことで、象っている動物や神・精霊などになれると信じられていたことから宗教的儀式や儀礼・舞踏などに使われていたそうです。
紀元前4000年頃にはお面を被って舞踏する、または儀礼が行われていました。
中世ヨーロッパでは、お面は儀礼で使う物ではなく顔を隠すために使うことが多かったといわれています。
日本ではお面と呼ばれていますが、海外ではマスクと呼ばれています。
主なお面(マスク)の機能
- 死者を見分ける
古代エジプトでは、遺体が腐らないように布を巻きつけミイラにしていました。
そのため、誰のミイラなのか分からなくなるため、お面をつけて分かるようにしていました。
- 死者を旅立たせる
アフリカでは、この世に未練がありあの世へ行こうとしない死者の魂を遺体から追い出し旅立たせるために、恐ろしい形相をしたお面をかぶり約6日間踊り続ける風習があるそうです。
- 通過儀礼
子どもが一定の年齢になったときに行う通過儀礼で、お面が重要な役割を担う国や地域があります。
長老たちが威圧的・超人的なお面をかぶり恐怖を与え、社会への忠誠・服従を誓わせるそうです。
- 豊穣儀礼
農耕は天気に左右され収穫にも差があることから、呪術を使って天気を自分たちの有利になるようにしていました。
そのときにお面がよく使われていたそうです。
- 治療
未開社会では病気は悪霊が人体に侵入したことで起こると考えられています。
そのため、病気を治すには悪霊を身体から追い出すための儀式の時に恐ろしい形相をしたお面をつけて太鼓を打ち鳴らして祈祷するという風習があります。
- 厄払い
日本では、悪鬼や災禍を払うために鬼の面を使うことが多いです。
お面が生まれてから現在までの日本の歴史
日本で最も古いお面は、縄文時代中期前半の土面であるといわれています。
纒向遺跡(まきむくいせき)から出土した弥生時代に木で作られたお面が日本で現存する最古のお面となります。
飛鳥時代になると大陸から舞踊が日本に入ってきたことで、お面をつけて演じる能や狂言が行われるようになりました。
やがて庶民の娯楽として広まったことで、お面は祭りや行事などで使われるようになりました。
お面が売られるようになったのは江戸時代で、主に桐やスギ・ヒノキを使った木彫りタイプや紙を使った張り子タイプがありました。
神社や寺院での祭礼や縁日などで縁起物として売っていたそうです。
木彫りタイプのお面は大正時代になると姿を消し、セルロイドタイプが登場しました。
現在では、アニメキャラクターを扱ったビニールタイプが主流となっています。
お面を使った祭り
- お面さん祭り(福井県)
毎年2月11日に福井県勝山市滝波地区の神社にまつられている3つの能面・三番叟(さんばそう)・翁(おきな)・父尉(ちちのじょう)を会場の祭壇におき1日だけ公開されます。
3つの能面は勝山市の平泉寺(へいせんじ)が一向一揆で焼き討ちになったときに、寺から持ち出しこの地区でまつられるようになったといわれています。
この3つの能面が笑っているように見えると五穀豊穣と幸運が授かるそうです。
- 日向ひょっとこ夏祭り(宮崎県)
毎年8月上旬に宮崎県日向市で行われている夏祭りです。
2日間行われ、初日では日向ひょっとこ踊りの個人戦、2日目は中心市街地でひょっとこ踊りのパレードが行われます。
この祭りは、日向市の無形民俗文化財に指定されています。
祭りでお面が売られるわけ さいごに
今では子どものオモチャやコーディネートとして使われているお面ですが、昔は神様を迎え入れてもてなすために欠かすことのできない小物でした。
今でもお面を使った祭りが行われているので、興味があれば行ってみてはいかがでしょうか。
♪ お面については和風のお面のこともっと知りたくなったら次をご覧いただければと思います。種類やお面の作り方もあります。
和風のお面の種類は?狐面の意味とその種類本格的なお面の作り方