おにぎりや焼き餅、寿司などに巻いたり、ラーメンにのせる・ざる蕎麦や和風パスタにかけるなど・・様々な料理に使われる海苔。
いつどこで誕生したのでしょう?
日本人の食べる料理に大活躍の海苔ですが、その発祥やのりの語源などこれは日本独自のものでは?と気になったので調べてみました。
海苔の歴史や発祥・語源などをまとめてみました。
海苔の歴史を紐解けば日本では
海苔は縄文時代から食べられていたのではと考えられています。
日本には約2,500ヶ所の貝塚があり、古代の人々にとって海辺の貝や海藻類は大切な食糧であったといわれています。
海苔という文字が初めて登場したのは713年頃に編纂された「常陸の国風土記」で、ヤマトタケルが関東平野に深く入り込んだ霞ヶ浦に来た時に浜辺一面に海苔が干してある風景を見たという記述があります。
飛鳥時代に制定された日本初の成文憲法「大宝律令」の賦役令(ぶやくりょう)では、大和朝廷に納める海藻類の1つとして紫菜(むらさきのり)がありました。
紫菜は海苔のことで海藻類の中でも高級品とされていて、他の海藻類の約2倍以上の価値があったといわれています。
大宝律令が施行された702年1月1日を新暦に換算すると2月6日であることから、1966年に2月6日を「海苔の日」に定めたそうですよ。
平安時代の貴族は米を主食、副菜にコンブやワカメなどを多く食べていてムラサキノリは佃煮や味噌汁に使われていました。
室町時代になると海苔は椀盛りに入れる・汁物に焼き海苔を浮かばせて食べるほかに、海苔に塩味を利かせて短冊に切った塩海苔というお菓子もあったそうです。
また応仁の乱では、備蓄食糧として焼き米・味噌・干し魚と一緒に海苔も使われていたといわれています。
戦国時代、豊臣秀吉をもてなした料理の中に結び昆布と一緒にトサカノリ・アマノリがありました。
この頃の海苔は流木や岩に生えている天然物を採り乾燥させたものを食べていたと考えられているそうです。
江戸時代では漁師が毎日将軍家に鮮魚を献上するために浅瀬に枝のついた竹などで作った生簀に魚を用意していました。
冬になると生簀の枝に海苔がたくさん生えていたことから海苔養殖が始まったといわれています。
浅草では紙を漉きあげる技術を使った四角い板海苔・浅草海苔が作られるようになり、海苔巻きが庶民の間で大流行しました。
浅草海苔の由来には、浅草和紙と同じ製法で作られている・東京湾が浅草近くまで入り込んでいて浅草川の河口で採ることができたから・浅草寺の境内で売られていたからなどがあります。
その後海苔養殖の生産量が増し、海苔が紙状になったことで流通しやすくなったため、全国に広まっていきました。
1949年イギリスの海藻学者であるキャサリン・メアリー・ドリュー女史が海苔のライフサイクルを解明したことで、長年天然採苗で行われていた海苔養殖は1960年頃から人工採苗で行われるようになりました。
2013年に「和食:日本人の伝統的食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことから、海苔も注目されました。
海苔の発祥は日本?
海苔は日本以外では中国や韓国・イギリス・ニュージーランドで養殖されています。
発祥についてはハッキリとした記録がないのですが、日本には「常陸の国風土記」でヤマトタケルが海苔を干してある風景を見たという記述があるので海苔の発祥は日本である可能性が高いようですね。
ちなみに海苔養殖は江戸時代に海苔が大好きだった徳川家康に献上するために始まったといわれています。
海苔(ノリ)の語源が知りたい
海苔という言葉は藻のヌルヌルした状態から「のり」という名前になったようです。
またいくつか諸説があり、
・潮に乗ったものだから「のり」となった
・海の中では布みたいに見えるので「みのうみ」といっていたが変化して「のり」になった
などがあります。
ちなみに海苔という漢字は江戸時代になってから使われるようになったと云われています。
海苔の歴史や発祥 さいごに
海苔には食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富に含まれていて、1日に2枚程度食べるといいそうです(^^)
成人病予防や疲労回復・美肌効果・肝臓の働きを高める・骨粗しょう症予防・イライラ解消に効果がある海苔を様々な料理に活用してみてはいかがでしょうか。
♪栄養たっぷり美味しい海苔の種類や違いはこちらの記事をご覧いただければと思います。