日本には季節ごとに祭りが行われています。
大小規模もいろいろで実に様々な祭りがあります。
祭りはいつ頃から行われるようになったのでしょうか。
祭りが行われる意味や起源、由来、歴史などをまとめました。
またなぜ祭りをするのか?そのわけなども紹介します。
祭りとは?その意味
祭りとは神仏または祖先をまつる、またはその儀式のことで、特定の日を選び、身を清める・供物をささげて祈りや感謝などを行います。
祭りの起源はいつ?日本の祭りの由来や歴史とは
日本の祭りは、「岩戸隠れ(いわとがくれ)」という神話が起源になっているといわれています。
「岩戸隠れ」は、太陽の神・天照大神(あまてらすおおかみ)の弟である素戔嗚尊(すさのおのみこと)が暴れて周りに迷惑をかけていることに怒って天照大神が天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまいました。
そのため、光がなくなり国中が真っ暗になりました。
なんとか天照大神に出てきて貰おうと、八百万(やおよろず)の神様たちは岩戸の前で大宴会を開きました。
外から聞こえる賑やかな音が気になった天照大神が顔を出した時、剛力の神である天之手力男命(あめのたぢからお)が天岩戸を取っ払い外に連れ出すことに成功し、国中に光が戻りました。
この時に行われた大宴会が祭りの起源であるといわれています。
祭りの歴史
縄文から古墳時代に行われていた祭りは五穀豊穣や平和を願う、または災いを払うなどの目的があり人々の暮らしに密着していました。
飛鳥時代になると天皇を中心とした中央集権国家が誕生し、祭祀(さいし)に関する役所・神祇官(じんぎかん)が作られ祭りに関する制度が整えられました。
中国から伝わった宮廷儀式や行事が日本の宮中行事として、また地方の風習を取り入れた農耕に関わる予祝(よしゅく)や感謝の行事・仏教の儀礼などを取り入れ、恒例的な祭りとなりました。
江戸時代になると祭りは庶民の娯楽として定着し、神輿や獅子舞・花火大会などが行われるようになりました。
明治時代になると「神仏分離令(しんぶつぶんりれい)」が発令されました。
神仏分離令とは、日本の神様信仰である神道と海外からやってきた仏教の信仰を1つにしていた宗教を再び神道と仏教に分けるという命令のことです。
この命令によって消えた祭りもあれば、形式を変えた祭りがあったそうです。
第2次世界大戦後GHQによって国家神道が解体されたとこで、神仏分離令で消えた祭りは伝統を引き継いだ人たちによって復活したそうです。
現在では、寺や神社で行われる祭りには宗派に関係なく多くの人たちで楽しむようになりました。
また町おこしやアピールを目的とした新しい祭りが各地で行われています。
日本で行われている主な祭り
祇園祭
京都で7月1日~31日の1ヶ月かけて行われる祭りです。
行事の無事を祈願する吉符入(きっぷいり)や長刀鉾(なぎなたほこ)の稽古披露・神輿清め・家宝の屏風披露・石御神楽など多くの行事が行われます。
天神祭
7月24~25日の2日間に行われる祭りで、本宮船渡御が最大の見どころとなっています。
本宮船渡御は25日の18時頃から始まり、菅原道真公の御神霊を乗せた御鳳輦船(ごほうれんせん)を中心とした100艘を超える船団が大川を行き交います。
また約5,000発の花火も打ち上げられるので迫力があります。
神田祭
2年に1度5月に行われる祭りで、「日本の三大祭り」や「江戸の三大祭り」といわれています。
神輿を担いで練り歩く・太鼓のフェスティバルなどで派手に行われています。
青森ねぶた祭
8月2~7日にかけて行われる祭りで、灯りを灯した大きなねぶたをのせた山車が練り歩きます。
ハネトと呼ばれる踊り手が、ねぶたの周りでお囃子の音に合わせて飛び跳ねる様子も見どころとなっています。
高山祭
春と秋に行われる祭りで、伝統的な衣装を着た人たちによる大名行列やお囃子・雅楽を披露しながら高山の街をまわります。
春は日枝神社、秋は櫻山八幡宮の表参道が出発地点となります。
祭りをなぜする?祭りに夢中になる理由は?
日本人が祭りに夢中になる理由には、「ハレ」と「ケ」があるといわれています。
「ハレ」と「ケ」は、民俗学者の柳田國男が定義した言葉で「ハレ」は非日常、「ケ」は日常をさしています。
祭りは特別で非日常なものなので「ハレ」となり盛大に華やかに行うことで、「ケ」である日常をリセットするという意味があります。
日本人は祭りのある「ハレ」の日を、「ケ」である日常を生きていくための活力にしていると考えられています。
祭りとは さいごに
祭りは天照大神を天岩戸から出すために行われた大宴会が始まりといわれています。
その後、儀式や神様に感謝するなどの祭りがありましたが、庶民の娯楽として行われるようになりました。
近くで祭りが行われることがあれば、非日常を体験するために出かけてみてはいかがでしょうか。
♪ 祭りのはじまりや祭りがおこなわれる理由がわかったとこで、まつりにつきもののお面についてもこちらをご覧いただければと思います。