ススキは、お月見に供える植物です。
ススキの色といえば茶色というイメージが強いですが、実際には茶色の他にどんな色があるのでしょうか。
ススキとはどんな植物なのか、詳しいことはよく知らなかったことに気づき調べてみました。
すすきについてどんな植物か、種類や色についても紹介します。
すすきとは?
ススキはイネ科ススキ属の多年生植物で、秋の七草の1つでもあり野原に生息しています。
ススキの原産地は中国や朝鮮半島・日本・台湾などで、暑さにも寒さにも強いという特徴があります。
ススキは1度植えると毎年鑑賞ができる植物で、春になると新芽が出まか。
9~10月頃になると約15cmの穂がつくようになり、冬になると地上から出ている部分は枯れてしまいますが地下にある根は生きているため春になると新芽が出るというサイクルになっています。
お月見にススキを飾る意味
お月見にススキを飾るには主に3つの意味があるといわれています。
- その1
ススキが稲穂に似ていたから見立てて飾った。
- その2
ススキの鋭い切り口は魔除けになると考えられていて、悪霊や災いから収穫物を守り、来年の豊作を願うために飾った。
地域によっては、お月見で飾ったススキを庭や水田に立てる、または軒先に吊して田んぼや家を守る風習があるそうです。
- その3
ススキは神様の依り代と考えられていて、茎の中が空洞になっていることから神様の宿り場になるから飾った。
ススキのさまざまな種類と名前
- イトススキ
葉の幅が約5mmと細長いススキで、やせた尾根などで見ることができます。
葉が立ち上がり、広がらないという特徴があります。
一般家庭の庭に植えるのに適しています。
- 屋久島ススキ
屋久島の高地に生息しているイトススキで、葉の幅は約3mm、丈は約1mとなっています。
鉢に植えると丈は30cm以内におさまります。
- 金華山ススキ
岐阜県金華山や宮城県牡鹿半島金華山が原産で十五夜などに良く見かけるススキです。
とても丈夫で育てやすいので、庭に植えるのに適しています。
- タカノハススキ
葉に虎斑(とらふ)模様のあるススキで、「矢筈薄(ヤハズススキ)」とも呼ばれています。
斑は肥料の影響を受けやすく、チッ素肥料を与えると斑が出てこなくなる可能性があるのでやり過ぎないように注意する必要があります。
- シマススキ
葉に白い縞模様のあるススキで、古くから野山に自生しています。
暑さ・寒さに強く、荒れ地でも良く育つので栽培管理が簡単です。
- ハチジョウススキ
西日本や台湾・中国などに見られるススキで、丈は約2mあり葉は厚みと幅があります。
その年の気候や地域によりますが、冬になっても葉が枯れずに残りやすいススキの変種ともいわれています。
- オギ
ロシアや朝鮮半島・日本の河川敷などの湿った草原に生息しているススキです。
丈が約2~3mと大きく、葉の幅が広い、穂にボリュームがあるという特徴があります。
- カリヤス
東北南部から近畿北部の山地や草原などで見られるススキです。
丈は約50~100cmと低く、8~10月頃に出てくる穂は他のススキより少なく毛がないのが特徴となっています。
- イタチガヤ
紀伊半島や中国地方から沖縄・台湾・インド・インドネシアに生息しているススキです。
丈は15~30cm、穂は麦の穂を小さくしたような黄土色で8~10月頃になると枝先につけます。
ソビまたは紀州オギとも呼ばれています。
- オオイタチガヤ
パキスタンやアラビア・オーストラリアなどの道端や山の斜面に生息しているススキです。
丈は約30~60cmとイタチガヤより大きく、多数の枝を出します。
5~6月になると花が咲き、短い穂は約1ヶ月で散ります。
姫竹や黒軸カリヤス、黒軸姫笹、姫笹とも呼ばれています。
- ヒナヨシ
西表島や台湾・フィリピンの海岸や川沿いの崖などに生息しているススキです。
葉の表面はやや白く滑らかで、茎は長細く垂れているという特徴があります。
大正時代に鈴木吉五朗が台湾から持ってきたことによって日本で栽培されるようになりました。
台湾オギとも呼ばれています。
ススキの色の謎?
ススキは8~10月頃に花が稲穂のように1本の軸に小さな花をたくさんつけます。
稲穂のような花なので花穂(かすい)と呼ばれています
花穂は夏になると緑色、初秋になると赤褐色(せっかっしょく)、秋になると花が咲き淡黄色(たんこうしょく)になります。
すすきとは? さいごに
お月見でススキを飾るのは、花が咲いた状態が秋に収穫する稲穂に似ているから・魔除けになるから・神様の宿り場になるからという理由がありました。
ススキにはいろんな種類があり、簡単に育てることができる植物です。
また花を咲かせるために、花穂の色が変わっていくので見かけたら観察してみてはいかがでしょうか。