今ではアニメや特撮のキャラクターのお面が主流となっているお面ですが、日本独自のお面も人気となっています。
日本独自のお面には、どんな種類と意味があるのでしょうか。
和風のお面の種類や特に狐面の意味・お面の作り方などを紹介します。
お面でも和風のお面の種類はなにがある?
ひょっとこ
口をとがらせ、おどけた表情をした男性の面です。
舞楽(ぶがく)では滑稽な役を演じています。
「ひょっとこ」という語源には、以下のような諸説があります。
- 竈(かまど)の火を竹筒で吹く役割のある火男(ひおとこ)が訛った
- 口が徳利に似ているが本物ではないという非徳利(ひとっくり)が訛った
ひょっとこは、竹筒で火を吹くことから「火を守る神」、または「竈神(かまどかみ)」と呼ばれていて、家族円満の御利益があるといわれています。
おかめ
広い額・低い鼻・丸い顔という特徴のある女性の面です。
起源は日本神話に登場するアメノウズメであるといわれています。
おかめの他に、「おふく」・「おたふく」・「おと」・「おとこぜ」などの呼び名があります。
般若(はんにゃ)
能で使われる面で、女性の嫉妬・恨みを表現しています。
「葵上(あおいのうえ)」・「道成寺」・「黒金塚」(観世流では「安達原(あだちがはら)」)などの能の演目で使われています。
能面(のうめん)
能で使われる面で「オモテ」と呼ばれています。
ヒノキで彫ってから、顔料を使って仕上げてあります。
大きく分けて「翁面(おきなめん)」・「尉面(じょうめん)」・「女面(おんなめん)」・「男面(おとこめん)」・「鬼面(おにめん)」・「仏面(ぶつめん)」の6種類になります。
狐面の意味とその種類
能楽や神楽などで、神の使いとして狐が登場するシーンや五穀豊穣を祈る舞で使われている面です。
狐は日本では農作物を食い荒らすネズミを退治してくる神聖な動物として崇め、稲荷神社では神の使いとして祀られています。
稲荷神社の総本宮は、京都府にある伏見稲荷大社で、稲荷神である宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)が祀られています。
宇迦之御魂神は農業神で、五穀豊穣や商売繁盛・家内安全・交通安全・諸願成就の神として広く信仰されています。
ネズミから農作物を守ってくれる狐と農業神である宇迦之御魂神が結びつき、白い狐は神の使いとして祀られています。
狐面には白の他に赤や黒などがありますが、特に意味はないそうです。
妖狐の種類
狐面の色には意味はありませんが、妖狐にはいくつかの色があります。
- 白狐(びゃっこ)
白い毛を持つ狐で善狐(ぜんこ)の代表格となっています。人々に幸福をもたらすといわれています。
- 黒狐(くろこ)
黒池を持つ狐で北斗七星の化身と呼ばれています。
平和の象徴といわれています。
- 赤狐(せきこ)
赤い毛をもつ神道系の妖狐です。白狐と同じく、人々に幸福をもたらすといわれています。
- 金狐(きんこ)
金色の毛を持つ仏教系の妖狐です。日の象徴といわれています。
- 銀狐(ぎんこ)
銀色の毛を持つ仏教系の妖狐です。月の象徴といわれています。
お面の作り方/本格的なお面もできる!
祭りの屋台やおもちゃやでお面は買えますが、自分で作ることもできます。簡単な作り方をご紹介。
- 狐面の作り方
- 新聞紙を丸めてから、紙粘土をのせます。
- 狐の形に整え、乾かします。
- 乾いたら、模様や色をつけ乾かしたら完成です。
- 張り子のお面の作り方
- 風船を顔の大きさになるまで膨らませます。
- 耳や鼻などを立体的にしたい場合は、紙で土台を作り風船に貼り付けます。
- 新聞紙を約10cmの大きさにちぎっておきます。
- 糊は水に溶かして薄めます。
- 刷毛に糊をつけ風船につけながら、ちぎった新聞紙を貼り付けていきます。
- 風船全体を覆うように新聞紙を貼り付けたら、もう1周同じように新聞紙を貼り付けたら乾かします。
- 和紙や障子紙などの白い紙をちぎり、新聞紙が見えなくなるまで貼り付け、乾かします。
- 風船の結び目近くにカッターナイフで穴を開けて風船をしぼませます。
- お面になるようにハサミやカッターナイフで半分に切ります。
- 目の部分をくり抜き、顔を描きます。
- 色をつけたら完成です。
日本のお面 さいごに
日本独自のお面には、狐面や能面・ひょっとこ・おかめなどがあります。
ひょっとこは、竹筒で火を吹く役割のある火男が元になっているため、竈神とも呼ばれているそうですよ。
お面にもいろんな意味があるので、気になるお面があったら意味を調べてみてはいかがでしょうか。
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