昔は1月15日でしたが、現在は1月の第2月曜日が成人の日となっています。
この日は、二十歳になった人が大人の仲間入りしたことを祝うために、各地で成人式が行われています。
成人式を行うのは日本だけのようです。
成人の日の由来や成人式についてなど調べてみましたのでご紹介します。
日本の成人の日の意味と由来とは?
成人の日は、1948年7月20日に「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」という趣旨で制定された祝日です。
成人の日は元服と裳着(もぎ)が始まりであるといわれています。
元服とは、古代中国で行われていた通過儀礼・冠礼(かんれい)が日本へと伝わり変化しました。
元服は奈良時代に始まり数え年で12~16歳になった男性が、冠がかぶりやすいように髪を束ねた「冠下の髻(かんむりしたのもとどり)」という髪型にして冠をかぶることで成人になったことを祝っていました。
一方、裳着は女性に対して行われていて平安時代の貴族女性の服装や髪型を大人の正装へ整えていました。
江戸時代以降になると、裳着も元服と呼ばれるようになり18~20歳頃に行われていたそうです。
成人の日がつくられた歴史とは
成人の日は第2次世界大戦後の1946年、埼玉県蕨わらび町で行われた「青年祭」が始まりであるといわれています。
将来を担う若者たちを励ますために行われ、とても好評だったことから日本政府は若者たちが大人の一員なったことを自覚して責任を果たすためには、大人になったという門出を祝福すべきであると考えました。
そして、1948年7月20日に祝日法によって1月15日を「成人の日」に制定し、各地で成人式が行われるようなりました。
2000年に、国民の祝日の1部を月曜日に移動させて3連休以上の休みなるように制定されたハッピーマンデー法によって、成人の日は1月15日から1月の第2月曜日へと変わりました。
成人式をするのは日本だけ?
日本の成人式は20歳を迎える人たちが正装して、自治体が主催する式典に参加するものですが、海外では成人式が行われているのでしょうか。
主な世界の成人を祝う方法を紹介します。
アメリカ
成人年齢は18歳ですが、州によっては19歳または21歳と定められていることがあります。
成人のお祝いは、16歳の誕生日に行われるパーティーです。
法律上では18歳で成人とみなされますが、16歳は大人として扱われる年齢となります。
昔は若いうちに結婚する人が多かったことから、女性が結婚のことを意識し始める16歳を成人になる特別な年齢にしたそうです。
16歳の誕生日はSweet sixteen(スウィートシックスティーン)と呼ばれ、女の子によって特別なパーティーです。
パーティーの内容には特に決まりはありませんが、ホテルの会場を貸し切る・子どもの好きなセレブを呼ぶなど趣向を凝らしています。
また16歳で自動車の運転免許が取れるため、車をプレゼントすることもあるそうです。
女の子だけの伝統的なパーティーですが、現在では16歳をむかえた男の子もこのパーティーを行うようになりました。
イギリス
成人年齢は18歳で、飲酒・喫煙が認められ選挙権も与えられます。
お祝いとして、18歳と1969年まで成人としていた21歳の誕生日にパーティーを行います。
18歳、または21歳のどちらかに両親から鍵のネックレスチャームや鍵マークのカードなどをプレゼントして貰うことが一般的となっています。
「ここからは、あなたの人生だからいつでも帰ってきてもいいし、どこで何をしても良い」という意味が込められています。
また18歳未満では花火の購入が禁止されていることから、18歳になったお祝いとして花火をあげることがあります。
オーストラリア
成人年齢は18歳で、飲酒・喫煙・タトゥーを入れることが認められ選挙権も与えられます。
お祝いとして21歳の誕生日に21st(トゥエンティファースト)というパーティーが行われます。
21歳の誕生に行われるのは、1973年まで成人年齢が21歳だったという名残があるそうです。
自宅やビーチ・公園・カフェ・近くの文化センターなどを会場にして、50人以上集まるのが一般的となっています。
夜に始まり、軽食が振る舞われ友人や親戚・本人によるスピーチやダンスなどが行っています。
またプレゼントを渡すときにメッセージカードを添えられます。
これは人とのつながりを大切にするオーストラリアの人たちにとって、手書きのメッセージカードで自分の気持ちを伝えることは、とても大切なことだと考えられているからだといわれています。
日本の成人の日の意味と由来と歴史 さいごに
成人の日は男性の元服、女性の裳着が始まりとなり、戦後の若者たちを励ますために成人式が行われるようなりました。海外では日本のような成人式はありませんが、お祝いするパーティーが行われています。成人の日には、大人の仲間入りをした若者たちを祝ってみてはいかがでしょうか。