味噌汁や煮物など、何かと使い勝手の良い油揚げと厚揚げの違いといえば、薄い・厚いがあります。
そしてその作り方ももちろんちがうわけですが、他にはどんな違いがあるのでしょうか。
また油揚げは地域によって呼び方に違いがあるそうです。
油揚げと厚揚げの違いや地域での呼び方の違い、油揚げの栄養と効果など調べたことを紹介します。
油揚げと厚揚げの違いは厚さだけじゃない?
油揚げは水切りした豆腐を薄く切り油で揚げ、厚揚げは水切りした豆腐を油で揚げた食品です。
どちらも油で揚げてはありますが油揚げは低温と高温の油で2度揚げ、厚揚げは約200度の油で中に火が通らないように揚げるという違いがあります。
厚揚げは中まで火が通っていないので生揚げとも呼ばれていて、外はカリッと中はフワフワとした食感があります。
一方、油揚げは2度揚げしてあるので外は厚揚げと同じくカリッとしていますが、中は空洞になっています。
厚揚げは木綿豆腐で作られていますが、油揚げは木綿豆腐を小さく切ってから圧し脱水して作った生地で作られています。
油揚げと厚揚げの違いには、厚さと作り方・豆腐の3つがあるんですね。
油揚げの種類いろいろ地域で違うわけとは
油揚げは江戸時代中期に庶民でも味わえる食材となり、日本各地へと広まっていきました。
文献や口コミで広がっていくときに地域によって呼び名が少しずつ変わったのではと考えられているそうです。
関西地方では「あげさん」や「あげ」・「おあげ」と呼んでいますが、商品名では「うすあげ」と書かれていることが多いです。
また愛媛県では「松山揚げ」、熊本県では「南関揚げ」と呼ばれていて、通常の油揚げより水分が少ないため長期間保存することができます。
奈良県では「大和揚げ」と呼ばれていて、豆腐を斜めに切って揚げてあるので厚揚げと油揚げの両方を楽しむことができます。
北陸・東北地方では「アブラアゲ」と呼んでいたそうです。
他には「京揚げ」、「きつねさん」、「1枚揚げ」などと呼ばれていたといわれています。
油揚げの栄養と効果
油揚げには大豆タンパクや大豆イソフラボンをはじめとする栄養が豊富に含まれています。
油揚げの栄養と効果には、どんなものがあるのでしょうか。
大豆タンパク
他のタンパク質に比べ低糖質・低脂肪なので、タンパク補給がしやすいという特徴があります。
骨や歯・皮膚・血管・内臓など身体のあらゆる所で利用されています。
不足してしまうと身体の不調に繋がります。
また、大豆タンパクの主要成分の1つであるグリシニンはコレステロール値を下げる、β-コングリシニンには中性脂肪を減らす働きがあります。
大豆イソフラボン
女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きがあり、女性の美しさや若々しさを手助けしてくれます。
また女性ホルモンの低下によってできてしまうシワ・たるみ・骨密度の低下を予防してくれます。
また血小板の凝集を抑制する働きがあるので、血液をサラサラにして血の流れを良くする効果もあるといわれています。
大豆サポニン
抗酸化作用によって活性酸素の除去や脂肪の酸化予防に効果があります。
またリンパ球の1つであるナチュラルキラー細胞を活性化させウイルス・細菌から身体を守ってくれる働きがあります。
大豆レシチン
記憶に関わる海馬の神経伝達物質であるアセチルコリンを作り出す材料の1つで、記憶力低下を防いでくれます。
またコレステロールや中性脂肪を正常な状態に保ち、血流を良くする働きがあるので、動脈硬化予防にもなるといわれています。
ビタミンE
強い抗酸化作用を持っている脂溶性ビタミンで、体内の脂質の酸化を防いでくれます。
また決行が良くなり、くすみやクマ・肌荒れによってできた毛穴の開きなどを改善する効果があります。
脂質
体内のエネルギー源やホルモンの材料・体温調整・栄養素の合成などの働きがありますが、摂り過ぎてしまうと生活習慣病の原因やホルモンバランスの乱れ・皮膚炎など身体に不調が起きてしまいます。
油揚げと厚揚げの違い さいごに
油揚げも厚揚げも豆腐を油で揚げた食品ですが、油の温度と豆腐の加工によって味・食感に違いが出てきます。
油揚げは低温と高温の油で複数回揚げられているので、厚揚げよりカロリーが高くなります。
使う前に油揚げに熱湯をかけるとカロリーを抑えることができます。
栄養価の高い油揚げ、それぞれの味や食感を楽しんでいろいろな料理に使ってみてくださいね。
♪いろいろ使える油揚げですが、おかずとしての油揚げや厚揚げのレシピはいかがでしょう?こちらの記事をご覧いただければと思います。