ゴボウとはキク科ゴボウ属の多年草です。
牛蒡を食べるのは日本だけで、太平洋戦争では捕虜となったイギリス人・アメリカ人が食事に出されたゴボウを木の根だと思い、食べることを強要し虐待されたとして日本人将兵が戦犯として裁かれたそうです。
名前に牛の漢字が入っているのも気になります。
牛蒡の歴史やゴボウ料理のコツなどをまとめました。
ごぼうの漢字の牛蒡の由来 なぜ牛?
中国ではごぼうは生薬として使われていて、牛蒡と表記されています。
牛は音読みでは「ギュウ」、訓読みでは「ウシ」ですが、常用漢字表に含まれていない表外読みでは「ゴ」となります。
ごぼうの見た目が牛の尾に似ていることから牛という文字が使われています。
また中国では大きな草木を表すときにも牛という文字を使うそうです。
また蒡はごぼうに似た植物の名前で、ごぼうの方がその植物より大きいことから牛蒡と名付けられたといわれています。
ごぼうの歴史 食べるのは日本だけ?
ごぼうは日本では自生していない植物で、ユーラシア大陸が原産といわれています。
日本へ伝わったのは縄文時代、または平安時代といわれていてハッキリとした時期は不明となっています。
平安時代中期に書かれた日本最古の書物・和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)には、ごぼうは薬として使っていたという記録が残っていたそうです。
現在でもごぼうは整腸や便秘解消、奈良県や滋賀県では産後の滋養食・福井県では腎臓病・急性腎炎・盲腸炎の症状改善などで、ごぼうは民間療法に使われています。
ごぼうが食材として使われるようになったのは、江戸時代からです。
いつ誰が食材として使うようになったのかは不明ですが、ごぼうを食べるのは日本だけといわれています。
太平洋戦争中に外国人捕虜に食事として出したごぼうが「木の根」と誤解され、食べるように強要され虐待されたということで日本人将兵が戦犯として裁判にかけられたそうです。
現在では和食ブームによって海外でも、ごぼう料理を食べる人が増えてきました。
ごぼう料理を美味しくするコツ
ごぼうの栄養を逃すことなく美味しく調理するためのコツには、どんなものがあるのでしょうか。
まとめてみましたので牛蒡を料理する祭の参考にしていただけたらと思います。
皮は剥かない
皮には栄養が豊富に含まれています。剥いてしまうと栄養だけでなく、香りも失ってしまうので、表面に付いている汚れをしっかり落としてから使うようにしましょう。
【ごぼうの洗い方】
- アルミホイル
- ごぼうに水をかけて土を洗い流します。
- クシャクシャにしたアルミホイルをごぼうに当て、こすり落としたら完了です。
- スポンジ
- ごぼうに水をかけて土を洗い流します。
- スポンジでごぼうを包んで汚れを洗い流したら完了です。
- 布巾
- ごぼうに水をかけて土を洗い流します。
- 布巾でごぼうを包み、水で流しながら汚れを洗い流したら完了です。
水にさらさない
ごぼうには食物繊維やカリウム・クロロゲンなどの栄養が豊富に含まれています。
しかし、アク抜きをしてしまうと栄養素も一緒に流れ出てしまいます。
苦味・渋味を取るためには、アク抜きは必要ですが水につける時間は短くしましょう。
【アクの抜き方】
・水につける
- 水を入れたボウルに切ったごぼうを入れ、約2分つけます。
- ザルに入れて水気を切ったら完了です。
※ごぼうを2分以上水につけてしまうと風味が落ちてしまいます。
・酢水
アク抜きと同時に、ごぼうを白くすることができます。
- ボウルに水と酢(小さじ1/2)を入れて酢水を作ります。
※酢を入れすぎると、ごぼうが酸っぱくなってしまいます。 - 切ったごぼうを酢水の入ったボウルに入れ、約2分つけます。
- ザルに入れて水気を切ったら完了です。
・熱湯
- 鍋でお湯を沸かします。
- 切ったごぼうを入れ、数秒茹でます。
- ザルに入れて水気を切ったら完了です。
※少量の場合は熱湯をかけ回すだけでも大丈夫です。
切り方
料理によって切り方を変えると、食感に違いが出てきます。
- 筒切り
歯ごたえがあり、しっかりと火を通す煮物に適しています。
皮付きだと風味を感じやすく、皮を剥くと煮汁が染み込みやすくなります。
【切り方】
3~4cmの長さに切ります。
- 短冊切り
コリコリとした口当たりがあり、きんぴらや炒め物・揚げ物に適しています。
【切り方】
4~5cmの長さに切ったごぼうを繊維に沿って縦に切ります。
- 千切り
シャキシャキとした食感があり、早く火が通ります。炒め物や和え物・サラダなどに適しています。
【切り方】
- 4~5cmの長さに切ったごぼうを厚さ1~2mmの板状に切ります。
- 板状に切ったごぼうの端から厚さ1~2mmの棒状に切ります。
- ささがき
みずみずしく、口当たりが柔らかいです。サラダやきんぴら・和え物などに適しています。
【切り方】
- ごぼうを持ち、先をまな板に当てます。
- 鉛筆を削るような感じで包丁を当て、薄くそぎ落とします。※ごぼうが太い場合は、十字に切り込みを入れましょう。
牛蒡の歴史と調理のコツ さいごに
ごぼうを食べるのは日本だけですが、今ではフランス料理やイタリアン料理にも使われるようになりました。
ごぼうには生活習慣病予防や腸内環境を整える効果があるので、いろんな料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。