2021年はトラ年ですね。
虎はライオンやヒョウと同じく獰猛であることから、強い者の代名詞として武田信玄は甲斐の虎、上杉謙信は越前の虎という異名があります。
また虎の他に寅という漢字があります。どんな意味があり虎との違いには何があるのでしょうか?虎とはどんな動物なのか、寅の漢字の意味・虎と寅の違いなどを紹介します。
虎とはどんな動物
虎は十二支では3番目に登場するネコ科の中では最大の動物で、アジア大陸に生息しています。
虎は哺乳綱食肉目ネコ科ヒョウ属に分類され、大きさはライオンと同じですが胴体がライオンより長く、足は少し短くなっています。
体はがっしりとしていて爪は大きく、力は強いです。
- 毛の色
赤褐色や黄褐色・赤みがかった黄色です。
体には黒い縞模様がありますが。
- 耳
形は小さくて丸く、裏側は黒くなっています。
- 尻尾
長さは体長の半分ほどあります。
- 寿命
約15年
- 暮らし
虎は生まれたときの体重は約1kgあり、1歳半までは母虎や兄弟とともに生活しながら狩りや生活するための方法を学びます。
独り立ちすると自分の縄張りを持ち単独で生活するようになります。
- 縄張り
縄張りはオスの場合は広くその中には複数のメスの行動圏と重なるように持ち、メスの場合は食糧となる生物が多くいる場所を中心に狭い範囲で持ちます。
寅の漢字の寅の意味とは
寅は音読みでは「とら」・「つつし(む)」、訓読みでは「イン」となります。
名前で寅を入れたときの読み方は「つら」・「とも」・「のぶ」・「ふさ」があります。
意味
-
- 十二支の3番目
- 方角は東北東
- 午前4時、および午前3時から5時までの間を指す
- 陰暦1月の異名である寅月(いんげつ)の略称
- つつしむ
寅の字が入った熟語
・丑寅(うしとら)
北東の方角、丑と寅の中間の方角、鬼門とも呼ばれている
・寅薬師(とらやくし)
寅の日に薬師如来に詣でること。
寅と虎の違いを詳しく比べてみると
漢字の「寅」と「虎」は、どちらも「とら」と読みます。
「虎」は動物のトラ、「寅」は干支や時間・方角に使われています。
虎の入った言葉
虎が入った言葉には、強いもの・恐ろしいものという意味を含んだものがたくさんあります。
- 竜虎
強大な実力を持ち、優劣つけがたい2者を指す
- 虎に翼
強い者がさらに力をつけること
- 虎を野に放つ
危険なものを放置すること。
禍いの元となる要因を放置したことで、後で大事になってしまったことを言う。
- 虎の尾を踏む
虎の尻尾を踏んでしまったら大変なことになることから、危険を冒すことの喩え。
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず
大きな成功を望むのであれば、大きな危険は避けられないことの喩え。
- 前門の虎、後門の狼
1つの禍いから逃れることができても、さらにまた他の禍に遭ってしまうことの喩え。
- 虎になる
酒で酔っ払って、怖いもの知らずになること。
由来は警察署にある泥酔者を保護する場所のことを「トラ箱」と呼んでいたことから。
- 虎の威を借る狐
実力者の威光を借りて、威張っている人のこと。
- 虎は千里往って千里還る
勢いがある様子。
由来は、虎は1日で千里の道を行き、また戻ってくることができると考えられていたから。
虎が入った熟語
- 虎視眈眈(こしたんたん)
力のあるものが、じっくりと機会を窺っている様子のことをいう。
虎視はトラがじっくりと獲物を狙っていること、眈眈は睨む、または見下ろすという意味があります。
- 虎頭蛇尾(ことうだび)
頭は立派な虎だが、尾は蛇のように細くて弱々しいことから、最初は勢いがあるのに終わりになると勢いがなくなってしまうという喩えとなっている。
- 虎嘯風生(こしょうふうしょう)
優れた能力を持っている人が機会を得て奮起する様子のことをいう。
「虎嘯」は虎が吠える、「風生」は風が発生するという意味があります。
- 虎渓三笑(こけいさんしょう)
夢中になりすぎて、他のことを忘れてしまったこと。
「虎渓」は中国の江西省の廬山にあったとされる谷の名前、「三笑」は三人で笑うという意味があります。
中国東晋の高僧・慧遠は、廬山の寺にこもって虎渓よりも外に出ないと誓っていたが、詩人の陶潜と道士の陸修静を見送るときに話に夢中になり、虎の吠える声で虎渓を超えてしまった事に気づき、三人で大笑いしたという故事が由来となっています。
虎とは?虎と寅 さいごに
漢字の虎と寅は、どちらもトラと読めますが使われている意味に違いがあるので改めて確認してみるといいですよ。
また虎を使った言葉は、まだたくさんあるので興味があれば調べてみてはいかがでしょうか。