花火はクリスマスや年末年始イベントでも使われるようになり、冬の花火大会も行われるようになりましたが、やはり夏の風物詩というイメージが大きいですね。
夜空に大きな花を咲かせる打ち上げ花火はとても綺麗ですが、どんな意味があるのでしょうか?
そんな花火には鎮魂の意味が込められています。
花火の始まりや歴史などを調べてみました。
花火にはどんな意味がある?
死者の魂を慰める
日本では花火は夏の風物詩となっていますね。
全国各地で花火大会が行われています。
夏に花火を打ち上げるのは鎮魂の意味があるからです。
炎は古くから不浄を焼き尽くし、闇を照らす神聖なものとされていました。
そのため死者を尊び・慰めるという意味で特別な炎を燃やすために花火が使われるようになり、鎮魂花火と呼ばれています。
また火は日と同じく「ひ」と読み太陽と等しい存在で、人間が文化的な生活を送るためには必要不可欠なものという意味でもあります。
花火は火薬と金属の粉を混ぜて包み、火をつけ燃焼または爆発させることで生じる光や音・形などを鑑賞する火工品です。
公用語では「煙火(えんか)」と呼ばれていて、製造・貯蔵・販売などは火薬類取締法によって規制されています。
そんな化学的説明もありますが・・
炎が不浄を焼き、闇を照らし、死者を慰めるという意味の方が「花火とは」の意味にふさわしてように思えます(^^)
打ち上げ花火の発祥はいつ?どこがはじまり?
古代中国の狼煙(のろし)が起源といわれていています。
煙による通信手段・火薬の技術発達とともに花火が誕生したそうです。
ヨーロッパに伝わったのは13世紀以降で、祝砲の音を大きくする・煙に色をつけるなどに使われていました。
花火が観賞用として初めて使われたのは14世紀のイタリア・フィレンツェで、キリスト教の祝祭で人形の口から火を吐く仕掛けのために用いられたようです。
16世紀になるとイングランドで花火の技術が進歩していきました。
ヘンリー8世が王室軍隊の花火師を徴用するための規則を作り、戴冠式や王室の結婚式・誕生日などで水上花火を楽しんだという記録が残っています。
その後ポーランド・スエーデン・デンマークなどに花火学校が設立され、専門的な知識を持った花火師を育成していきました。
イングランド王のジェームズ1世は娘・エリザベスの結婚式のために、デンマークから花火師を招聘し花火で盛大に祝ったといわれています。
花火の歴史 日本の花火大会のはじまりは?
日本に花火が伝わった時期については諸説がいくつかあります。
一般的には戦国時代に火薬とともに観賞用の花火がポルトガルや中国から伝わったといわれています。
1613年に徳川家康が駿府城内で見たのが日本最初の花火であると記録が残っているそうです。
伝わった花火は火の粉を吹き出すだけの単純な仕掛けでした。
徳川家の鉄砲隊が三河で花火製作を始め、稲富流・池田流・豊田流などの流派が誕生し、花火発祥の地となりました。
1623年頃に3代将軍・徳川家光が花火を奨励したことで、江戸庶民もねずみ花火や狼煙花火などで花火を楽しむようになりました。
初めて花火大会が行われたのは1733年。
そのころ江戸時代中期に発生した「享保の大飢饉」とコレラの大流行によって多くの死者が出ました。
8代将軍・徳川吉宗が鎮魂と悪霊退散を祈り、隅田川で水神祭りを催した時に約20発の花火が披露されました。
現在では日本全国各地で7・8月を中心に花火大会が行われています。
日本三大花火大会
日本で行われている花火大会は年間約1,000ヶ所あるといわれています。
その中でも多くの観光客を集める日本三大花火大会といわれるものがあります。
大曲全国花火競技大会
秋田県大仙市で8月に行われています。
1910年から始まり、全国から選りすぐりの花火師が最新の花火を持ち寄り競い合う大会となっています。
約18,000発の花火が打ち上げられているそうです。
土浦全国花火競技大会
茨城県土浦市で10月に行われています。
1925年から始まり、大都市圏内で行われているので毎年多くの見物客が訪れています。
大曲全国花火競技大会と同様に全国から花火師が集まり競い合う大会で、
数百発多種多様の花火による速射連発のスターマインは迫力があります。
約20,000発の花火が打ち上げられているそうです。
長岡まつり大花火大会
新潟県長岡市で8月に2日間行われています。
長岡まつり大花火大会は、大曲・土浦の花火大会のように花火を競い合うものではありません。
1945年8月に発生した長岡空襲の犠牲者を慰霊、戦災復興を願った花火大会となっています。
最大重量の大玉花火・三尺玉が名物花火となっていて、約600mの上空で直径約600mの大きな花が開く見応えのある花火です。
各日約20,000発の花火が打ち上げられているそうです。
打ち上げ花火の意味 さいごに
夜空に花を咲かせる花火には、死者の魂を尊び・慰めるという鎮魂の意味があり、花火大会はお盆の送り火と同じ役割があるので7・8月を中心に行われているのですね。
花火を見ながらご先祖様や亡くなった方への思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
♪花火のこと、こちらの記事もご覧くださいね
花火に色があるのはなぜ?打ち上げ花火の種類と手持ち花火の種類