葬義では故人を前にしてお焼香をしますが、なんのためにするのでしょう?
お焼香とは葬儀・告別式において、自分の心身を清めてから故人の冥福を祈る儀式なんですね。
宗派によってお焼香の作法に違いがあるため、参列したときにどうしたら良いのか悩んでしまうことがあります。
困らないよう、お焼香の種類や作法マナーなどをまとめてみました。
お焼香のやり方と種類
お葬式などの時にお焼香で使われるお香には、
香木(こうぼく)を細かく砕いた木片の抹香(まっこう)をあげる、「抹香焼香」と、お線香をあげる「線香焼香」があります。
ほとんどの場合は抹香焼香で行われます。
お焼香のやり方の種類
お焼香の基本作法
お焼香のやり方の基本を覚えておきましょう。
・抹香焼香の場合
1. 右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香をつまみ目の高さまで持ち上げます。これを「押しいただく」と言います。
2. 抹香を指でこすりながら香炉に落とします。
・線香焼香の場合
1. 右手で線香を1本取り、ロウソクの火を移します。
ロウソクの火が付いていればそのまま使い、付いてない時は自分でロウソクに火を付けます。
2. 線香に付いた火を左手で扇いで消す、または下にスッと引いて消します。
※息を吹きかけて消すのはNGです。
3. 香炉に線香を立てる、または寝かせます。
お焼香の作法の種類 立礼座礼回し焼香とは
お焼香の作法には「立礼焼香」・「回し焼香」の他に「座礼焼香」の3種類があります。違いややり方をみてみましょう。
・立礼焼香(りつれいしょうこう)
椅子が用意されている斎場で行われることが多い方法です。
立ったまま焼香台で焼香します。
1. 順番が回ってきたら席を立ち焼香台の少し手前まで行き、遺族と僧侶に一礼します。
2. 焼香台まで進み、遺影に合掌してから一礼します。
3. お焼香をしてから合掌をします。
4. 1歩下がってから、遺影と遺族に一礼してから席に戻ります。
・回し焼香(まわしじょうこう)
自宅での葬儀や法事などで行われる方法です。
参列者全員に香炉を回して焼香します。
1. 香炉が回ってきたら、軽く会釈してから受け取ります。
2. 自分の前に香炉を置いて、遺影に向かって一礼します。
3. 焼香してから合掌して一礼します。
4. 香炉を次の人に回します。自分が最後の場合は、香炉を喪主の所へ持って行きます。
・座礼焼香(ざれいしょうこう)
和室など畳の部屋で行われる方法です。
焼香台の前で正座をして焼香します。
1. 順番が回ってきたら周りに会釈をして、中腰で祭壇の前に進みます。
2. 焼香台の座布団前で正座をして遺族と僧侶に一礼します。
3. 遺影に合掌してから一礼してから、立ち上がらずに膝をついて焼香台前にある座布団まで進みます。
4. 正座をして焼香し合掌します。
5. 振り返らずに膝をついて後ろへ下がります。
6. 遺族と僧侶に一礼してから中腰で席に戻ります。
告別式でのお焼香のマナーとは?
告別式で御焼香の際はどんなことに気をつけたらよいのでしょう。
回数や作法も宗派によって変わってきます。
故人の宗派などが解らない場合は、一般的な作法で大丈夫です。
さきに書いたお焼香の作法を参考に行います。
ここで迷うのが回数ですよね。
お焼香の回数は抹香1~3回、線香1~3本が一般的です。
宗派別お焼香の回数・作法
・天台宗
3回が主流となっています。
抹香・線香ともに特に決まった作法はありません。
・真言宗
3回行います。
抹香の場合は最初の1回は押しいただき、線香の場合は3本立てます。
・浄土宗
1~3回行います。
抹香の場合は押しいただき、線香の場合は立たせる、または横に寝かせます。
・浄土真宗本願寺派
1回行います。
抹香の場合はつまんでそのまま香炉に落とし、線香の場合は線香を2つに折って火を付けて横に寝かせます。
・浄土真宗大谷派
2回行います。
抹香の場合はつまんでそのまま香炉に落とし、線香の場合は線香を2つに折って火を付けて横に寝かせます。
・臨済宗
1回行います。
抹香の場合はつまんでそのまま香炉に落とし、線香の場合は立てます。
・曹洞宗
2回行います。
抹香の場合は最初の1回は押しいただき、線香の場合は立てます。
・日蓮宗
1~3回行います。
抹香の場合はつまんでそのまま香炉に落とし、線香の場合は立てます。
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お焼香とは 基本のマナー さいごに
お焼香の作法は宗派によって変わってきます。
宗派や作法が分からない場合は、基本作法で行います。
また故人の宗派に則って、お焼香をしたいと思う場合は、
葬儀スタッフに確認するのがよいと思います。
故人を偲び心込めてお焼香をしてあげたいですね。