成人式は、両親または周りの大人たちによって守られていた子ども時代を終えて自立し、大人社会へ仲間入りしたことを自覚するための大切な儀式です。
和装またはスーツなどの正装で出席するのが習慣となっています。
なぜ、成人式に着物を着るのでしょうか?
成人式に着物を着る理由・由来などをまとめてみます。
成人式とはなんぞ?その歴史や由来
成人式は、1946年11月22日に埼玉県北足立郡蕨市で行われた「青年祭」がはじまりと言われています。
当時、世間は第二次世界大戦敗戦による気力の喪失の状態にありました。
次世代を担う若者たちに明るい希望を持たせ励ますことを目的として、蕨町青年団長が青年祭を企画しました。
その後、全国に広まり1949年に日本政府は1月15日を「成人の日」に制定となりましたが、ハッピーマンデー制度によって、2000年から成人の日は1月の第2月曜日に変更となりました。
成人式に振袖を着る意味や由来とは?
振袖とは袖丈を長く仕立て、見頃と袖を縫い付けない着物のことを意味していました。
袖が開いているので風通しが良く、子どもの高い体温を逃がす役目があったので女の子だけでなく男の子も着用していました。
大人になると袖を短く、振りを縫うのが習わしとなっていました。
江戸時代初期になると踊り子が袖を振って愛情を示し、袖にすがって哀れみを請うなどの表現をしていたのを、未婚の女性たちがマネするようになり大流行したため、振袖は未婚の女性が着るものという習慣が定着したと言われています。
振袖は3種類ある
振袖には小振袖・中振袖・大振袖の3つがあり、それぞれ使い方が違ってきます。
小振袖(こふりそで)
袖丈が76cm~85cmが一般的で二尺袖とも呼ばれています。
袖の長さは膝ぐらいまであり、邪魔にならないので、ちょっとしたお出かけやお茶会など気軽に着ることができます。
また、袴との組み合わせにも使われていて、卒業式の定番として人気があります。
中振袖(ちゅうふりそで)
袖丈が87cm~106cmが一般的な振袖で大振袖に次ぐ準礼装です。
主に成人式・結納・パーティーなどで着用します。
また、花嫁が大振袖を着るとき、ゲストは衣装が似ないように中振袖を選び、ヘアメイクも花嫁より目立たないようにすることが礼儀になっています。
大振袖(おおふりそで)
袖丈が114cm~125cmが一般的な最も格式の高い振袖です。
本振袖とも呼ばれていて、未婚女性の第一礼装となっています。
5つの家紋をかかげた「5つ紋」が正式となっていますが、今では省略されていることが多くなっています。
大胆なデザインから色無地と種類は豊富にあります。
昔から婚礼衣装の定番となっているので、今でもお色直しとして使われていますが、最近では成人式でも着る人が増えているそうです。
成人式に振袖を着る理由
振袖は未婚女性の第一礼装なので、成人式という慶びの日を飾る最高の衣装となります。
また、振袖の袖を振る仕草には魔を払う・厄除け・清める効果があると言われています。
成人式に振袖を着ることは、人生の門出に身を清めて良縁を呼び寄せるという意味があるんですね(^^)。
成人式着物 さいごに
成人式で振袖を着るのは、未婚女性の正装ということだけでなく厄払いの意味もあります。
女性の本厄は19歳・33歳・37歳・61歳になります。
成人式の前年は本厄ということになります。
科学的根拠はありませんが、体力に変化が起こる・本人だけでなく、家族や社会的環境にも変化が起きやすい時期でもあります。
振袖の袖を振ることによって厄払いができるだけでなく、神様の魂を奮い立たせる「魂振り」の習慣もあったそうです。
振袖は厄を払うだけでなく、人との縁と魂を呼び込む清らかな着物となりました。
振袖は、これから大人として自分の人生を歩むことを祝い、自覚を持つための晴れ着です。
成人式は、一生に一度の晴れ舞台なので自分の好きな柄の振袖で成人式に参加しましょう。
☆成人式の記事を集めました、こちらもご覧いただければと思います。