蚊に刺されると強い痒みが出て赤く盛り上がることがあります。
ほとんどの場合は数時間で自然に治りますが、中には水ぶくれができる・痒みが長続きしてしまうことがあります。
そのため蚊に刺されないために、蚊取り線香を使われることがあります。
蚊取り線香とは、いつどこで誕生したのでしょうか。
蚊取り線香の歴史や仕組み・効果的な使い方などを紹介します。
目次
蚊取り線香とは?仕組みはどうなっている
蚊取り線香とは、植物由来の木粉(もくふん)と染料など除虫効果のある材料を混ぜて固めて作られています。
蚊取り線香に火を付けると、殺虫成分のピレスロイドが揮発することで近づいてくる蚊を退治・寄せ付けないようにすることができます。
- 殺虫成分「ピレスロイド」
ピレスロイドとは、除虫菊(じょちゅうぎく)由来の神経毒で、昆虫の神経伝達を阻害する働きがあります。
人間や哺乳類などの動物に効果がないことから家庭用殺虫剤に使われています。
- 除虫菊(じょちゅうぎく)とは
シロバナムシヨケギクという和名を持つキク科の多年草植物で、地中海・中央アジアが原産国です。
日本では和歌山県出身の上山英一郎氏が、1886年アメリカで植物輸入会社を営むH.E.アモア氏から除虫菊の種子を贈られたことで、和歌山県や広島県・香川県・北海道などで栽培されるようになりました。
第二次世界大戦前までは日本から世界へと輸出されていましたが、戦後になるとピレトリン類似化合物のピレスロイドが殺虫成分の主流となったことで、現在は産業としての除虫菊の栽培は行われていません。
蚊取り線香の効果と効果的使い方
蚊取り線香といえば蚊を退治・寄せ付けないものですが、実は蚊だけでなくコバエやダニ・蛾・アリ・アブなどに効果があるといわれています。
これは、殺虫成分に特定の生物にだけ効果がある「選択毒性」という性質によるもので虫全般に効果があります。
ただしゴキブリなど体の大きい虫には殺虫効果は低いですが、追い出すことはできます。
蚊取り線香の効果的な使い方
蚊取り線香から出た揮発性の殺虫成分を広範囲に行き渡らせるには、風上に置くことが大切です。
また蚊取り線香を部屋の真ん中に置く・部屋の四隅に1個ずつ置く・扇風機のそばに置いて煙を広げることも効果があるといわれています。
効果範囲
蚊取り線香の効果範囲は、約6畳であるといわれています。
使いたい部屋が6畳以上であれば、約3~4mごとに蚊取り線香を置く全体に殺虫成分が広がります。
持続時間
使用する環境によって違いはありますが、約8時間が目安となっています。
商品によっては、約3時間の短時間タイプ、約12時間の長時間維持タイプなどがあります。
消し方
使用中の蚊取り線香の火を消すにはホッチキスの芯、またはダブルクリップを使う方法があります。
ホッチキスの芯
- 約1cmのホッチキスの芯を消したい部分に被せます。
- ホッチキスの芯を被せたことで、蚊取り線香の燃焼に必要な酸素が遮断され火が消えます。
- 火が消えていることを確認します。
- 消えた直後のホッチキスの芯は熱いので、取扱に注意してください。
ダブルクリップ
- 消したい部分にダブルクリップをつけます。
- ダブルクリップが大きすぎると重みで蚊取り線香が傾いてしまうので、小さめのダブルクリップを使うようにしましょう。
- ホッチキスの芯と同じように、燃焼に必要な酸素が遮断され火が消えます。
- 火が消えていることを確認します。
- 注意点
蚊取り線香は人には無害ですが、換気の悪い場所で使うと目や鼻・のどに刺激を受けてしまう可能性があります。
特に喘息などの持病がある・アレルギー体質の人は体調を崩してしまうことがあるので、蚊取り線香を使うときは風通しをよくしておきましょう。
蚊取り線香の発明はいつ?蚊取り線香の歴史は?
蚊取り線香は、1890年に上山英一郎氏が棒状の蚊取り線香を作ったのが始まりだといわれています。
棒状の蚊取り線香は、仏壇で使われるお線香のように細いため燃焼時間が約40分と短い・運んでいるときに折れてしまうという欠点がありました。
1895年、上山英一郎夫人であるゆきさんの発案で渦巻型にしたところ、燃焼時間が約40分から約7時間へと伸び現在でも蚊の対策商品として使われています。
蚊取り線香とは?仕組みや効果 さいごに
蚊取り線香は人には無害な殺虫成分「ピレスロイド」が使われた、蚊対策商品で現在でも使われています。
人に優しい成分であっても間違った使い方をすると、体調を崩してしまう危険性があるので、使用前には必ず使用方法を確認して安全に使いましょう。