歯ブラシは、歯についた汚れを取るための小さなブラシです。
歯ブラシは虫歯や歯周病の原因となる汚れを取るために使います。
毎日当たり前のように使っていますが歯ブラシがなかった頃にはどんなもので歯のケアをしていたのでしょうか。
歯ブラシの誕生やその歴史など調べてみました。
また歯ブラシと歯磨き粉の種類・適切な使い方などを紹介します。
歯ブラシの誕生とその歴史
歯ブラシが日本で誕生したのは明治時代で、インドから輸入したイギリス製の歯ブラシを参考にして作られました。
鯨楊枝と呼ばれていて柄の部分は鯨のヒゲ、ブラシの部分は馬の毛を使っていました。
ただ当時は動物の毛を使った歯ブラシに抵抗があったようで本格的に歯ブラシが使われるようになったのは大正時代からだといわれています。
歯ブラシのなかった昔は?現在の形はいつから?
歯ブラシは紀元前1500年頃、エジプトで細い木の枝の端を噛み砕いてブラシのようにした歯木(しぼく)が歯ブラシとして誕生しました。
材料は虫歯抑制成分のあるニームという木が使われていて、現在でもインドやアフリカでは歯木を使う習慣があるそうです。
日本には中国から仏教とともに歯木が伝わってきました。
当時の歯磨きは、上流階級の人が身を清めるための儀式として行っていました。
江戸時代になると、柳の枝の先端を煮る→叩くという順番で柔らかくしてから木の繊維をほぐした房楊枝(ふさようじ)によって、庶民たちも歯を磨く習慣がつきました。
また房楊枝は舌の汚れを取る方法として使われていました。
現在のような歯ブラシは、1951年にナイロンとプラスチックで作られたものが登場しています。
歯ブラシと歯磨き粉
現在の歯ブラシが登場するまでは、木の枝の繊維をほぐして歯の汚れを落としていました。
では昔の歯磨き粉は、どんなものが使われていたのでしょうか。
歯磨き粉の歴史
世界で最初の歯磨き粉は、紀元前1500年頃のエジプトで作られていました。
記録によると、タンニン・緑粘土・ハチミツ・火打ち石・緑青(ろくしょう)が材料となっていたそうです。
4世紀頃は、食塩・黒コショウ・ミントの葉・アイリスの花を混ぜたものを歯磨き粉として使っていました。
ちなみにアイリスには歯を白くする効果があります。
日本では焼き塩や砂・焼いた米ぬかなどを歯磨き粉として使っていました。
1643年、江戸の商人である丁字屋喜左衛門(ちょうじやきざえもん)が朝鮮人から作り方を教えて貰い作った「丁字屋歯磨」が日本初の歯磨き粉です。
丁字屋歯磨には、歯を白くする・口の悪臭を取り除くという効果があったといわれています。
明治時代には、日本初のチューブ入り練り歯磨き粉「獅子印ライオン歯磨」が小林富次郎商店から発売されました。
歯磨き粉の成分・働き
歯磨き粉には、どんな成分が含まれていてどんな働きがあるのかを紹介します。
- 研磨剤
歯についたプラークや着色などの汚れを落とします。
- 発泡剤
口全体を洗浄して、汚れを除去します。
- 保湿剤
口の中の粘膜に傷をつけないように、適度な湿り気を与えてくれます。
- 粘結剤
成分同士が離れないようにする・適度な粘り気を与えてくれます。
- 香味剤
爽快感と香りによって、歯磨き粉を使いやすくしてくれます。
- 保存剤
酸化や腐敗などの変質から防いでくれます。
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歯磨き粉の形状
- ペースト
1番良く知られている形状で、泡立ちが良く少量でも泡が口の中全体に行き渡ります。
研磨材が含まれているので、表面の汚れを落とすホワイトニング効果を得ることができます。
- ジェル
ペーストより、粘着性が高くなっています。
表面や歯と歯の間に付着しやすくなっているので、薬効成分が口全体に行き渡ります。
しかし泡立ちが悪いため、歯磨き後のスッキリ感を得ることができず物足りなさを感じてしまう場合があります。
- 液体
研磨剤・発泡剤が入っていないという特徴があります。
また液体であるため歯の間や細かい隙間など口全体に薬効成分が行き渡ります。
研磨剤が入っていないので、表面や歯肉を傷つける心配はありませんが、ヤニやステインなどの着色汚れが落ちにくくなります。
歯ブラシの誕生と歴史 さいごに
歯ブラシは、木の枝を柔らかくして繊維をほぐして作ったことから始まりました。
また歯磨き粉も様々なものを混ぜ合わせて歯の汚れを落とすように作られてきました。
今では様々な歯ブラシと歯磨き粉があるので、色々試して自分に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。