羊羹や大福・落雁などたくさんの和菓子があります。
和菓子の名前にはどんな由来があるのでしょうか。
名前の由来や込められた思いにはどんなものがあるのか調べてみました。
また日本はに四季があり、様々な節句や季節の行事に食べられている和菓子などがあります。
それぞれの行事ではどんな和菓子がたべられているのか?などをご紹介します。
目次
主な和菓子の名前や由来にはどんな思いが?
和菓子は大きく分けると、生菓子・半生菓子・干菓子の3つに分けられます。
生菓子
含まれている水分が約30%以上ある和菓子で、賞味期限が短いという特徴があります。
- カステラ
ポルトガルから伝わった洋菓子ですが、日本独特の和菓子となりました。
卵・砂糖・小麦粉・ハチミツ・水あめ・牛乳で作った生地を木枠に入れてオーブンで焼き上げています。
柔らかくて、しっとりとした食感が楽しめます。
スペインのカスティーリャ王国がカステラの由来であるといわれています。
- 羊羹(ようかん)
溶かした寒天に漉し餡をいれて練り上げた和菓子です。
栗を入れた栗羊羹もあります。
羊羹の由来には、羊肉のスープでできる煮こごり・中国から羊の肝臓の形をしたお菓子が伝わったときに羊羹と名付けられたなどの諸説があります。
半生菓子
含まれている水分が約10~30%ある和菓子で、生菓子よりも賞味期限が長いという特徴があります。
- 求肥(ぎゅうひ)
白玉粉、または餅粉に砂糖を加えて、練り上げた和菓子です。
そのまま食べられますが、餅より固くなりにくいため他の材料と組み合わせて、別の和菓子になることもあります。
牛の皮のように柔らかいことから「牛皮」と書かれていましたが、平安時代の日本では肉を食べることを禁じていたため帝の命によって「求肥」と字を改めました。
- 最中(もなか)
餅米に水を入れてこねてから蒸し、薄く焼いた円形の皮に餡を挟んだ和菓子です。
宮中で行われた月見の宴で出された白くて丸い餅菓子を見て、「もなかの月」と言った公家の言葉が由来になっているといわれています。
また江戸時代に考案された最中も「最中の月」と命名されたが、円形でない形も出回り始めたことから「最中」と呼ばれるようになりました。
干菓子
含まれている水分が10%以下の和菓子で、賞味期限がとても長いという特徴があります。
- 有平糖(あるへいとう)
ポルトガルやオランダから伝わった菓子で、砂糖に水あめを加えて、時間をかけて煮詰めてから形を整え仕上げたものです。
糖菓を意味するポルトガル語のアルフェロアが由来となっています。
- 落雁(らくがん)
餅米や砂糖・水あめなどを混ぜ合わせてから木型に押してから乾燥させた和菓子です。
由来については、中国の菓子である「軟落甘(なんらくかん)」が略され「落甘」となった、または近江八景の1つである堅田に降りてくる雁の情景にちなんで名付けられたという説があります。
和菓子の日の由来とその意味
1979年に全国和菓子協会が6月16日を「和菓子の日」に制定しました。
6月16日は「嘉祥(かじょう)の日」と呼ばれていて、菓子を神前に供えて祈る風習がありました。
この風習は平安時代に疫病が流行ったことから、仁明天皇が年号を「めでたい」意味を持つ漢字の嘉と祥を組み合わせた「嘉祥」に年号を改め、6月16日に16種類の菓子を神前にお供えして、人々の健康や幸福を祈願したのが始まりであるといわれています。
行事に食べる和菓子とは?
和菓子には普段から食べる手軽なものと、行事の時に食べるものの2種類があります。
行事で食べる和菓子には、どんなものがあるのでしょうか。
花びら餅
求肥餅を円形にして、白味噌餡と蜜漬けにした牛蒡をのせ挟んだ和菓子で新年の祝いで食べられています。
菱餅(ひしもち)
赤・白・緑の3色の餅を重ねて菱形にした餅です。
上から桃の花・雪・草木を表していて、江戸時代から雛祭りで飾られるようになりました。
氷室饅頭(ひむろまんじゅう)
毎年7月1日に石川県金沢市で食べられている饅頭です。
加賀藩では、冬場に積もった雪を氷室と呼ばれる保冷庫に保存しておき、夏になると取り出し江戸幕府に献上していました。
氷が江戸に無事にとどけられるようにと無病息災を願って神社にお供えしたが始まりです。
亥の子餅(いのこもち)
旧暦10月の最初の亥の日・亥の刻に食べる餅です。
猪は多産であることから、安産・子孫の繁栄・無病息災を願って、猪の子に模した餅を食べます。
和菓子の名前の由来と込められた思い さいごに
6月16日を和菓子の日と制定されたのは昭和の頃ですが、その前から人々の健康を願って和菓子を食べる風習がありました。
他にも行事で食べられている和菓子があるので、食べてみてはいかがでしょうか。