お正月に飾る鏡餅。
鏡餅は円形で作られた大小の餅を重ねたお正月の飾りですね。
でも、地域によって違いがあります。
なかでも石川県の鏡餅は紅白なんです。
他県から引っ越してきた人には驚かれることがあります。
どうして石川県の鏡餅は紅白なのか?
そのわけや、金沢のお雑煮やおせち料理にはどんなものがあるのかなどをご紹介しますね。
目次
なぜ、石川県の鏡餅は紅白なの?
ふつう、鏡餅と言えば円形の大小の白い餅を重ねたものを想像すると思いますが、石川県の鏡餅は紅白になっているんです。
この紅白の鏡餅は、室町時代に足利家家臣が朝廷に反発し、鏡餅に紅白の花びらをイメージした菱餅を作り、将軍に献上したことが始まりです。
その形式を加賀藩前田家が受け継いだと言われています。
また、江戸時代に加賀藩主第12代目藩主・前田斉広が藩主となって初めてお国入りしたとき、新春を祝うために上が白で下が赤の紅白鏡餅を献上されました。
それが庶民にも広まりまがしたが、お殿様と同じでは恐れ多いと上が赤で下が白となったそうです。
紅白の鏡餅にはそんなわけがあったんですね。
他にも違いがあるのかおせちやお雑煮の特徴もご紹介します。
金沢のおせちやお雑煮の特徴
お雑煮の餅は石川県では丸餅?角餅?具の特徴は?
金沢のお雑煮は、基本的にはすまし汁の中にお餅を入れ、柔らかくなるまで煮たシンプルなお雑煮です。
珠洲・輪島・志賀町では岩のり、穴水・能登島では小豆を入れます。
また、山中では大根おろしを使ったみぞれ雑煮。
白峰ではきのこ・山菜を使った味噌仕立て。
というぐあいに地域によって違いがあります。
お餅も能登・加賀地方では丸餅、金沢市では角餅と地域によって違ってきます。
金沢は元々関西の影響が強く、お雑煮も丸餅の白味噌仕立てになっていました。
江戸時代、加賀藩主第2代藩主・前田利常に徳川家康の孫である珠姫が輿入れしたことから、角餅のすまし汁仕立ての江戸風雑煮が金沢に広まったと言われています。
石川県のおせちはいろいろ 独特なものは?
おせち料理にも独特なものがあります。
かぶら寿し
かぶらに切り込みを入れて鰤・人参などを挟んで米糀で漬け込んだ発酵食品です。
古くから冬の保存食として食べられていて、家庭ごとに様々な味があります。
鰤の代わりに鯖をつかうこともあります。
ベロベロ
溶かした寒天に砂糖・醤油を入れて味付け・煮立たせてから、溶き卵を流し入れ冷やし固めた郷土料理で、「えびす」とも呼ばれています。
名前は見た目がべっ甲に似ていることに由来しているそうです。
治部煮
鴨肉や鶏肉に片栗粉をまぶし、麩・セリなどの野菜と一緒に出し汁で煮込み、トロッとした汁と一緒に椀に盛り付け薬味としてワサビを添えた椀物です。
お正月だけでなく結婚式などのお祝いの席に欠かせない料理です。
くわい
大きな芽が出るということから「めでたい」とされ、おせち料理などに使われています。
加賀藩第5代藩主・前田綱紀が農業・産業の奨励に力を入れていて、栽培が始まったと言われていて加賀野菜15種のひとつでもあります。
天ぷら・揚げ物・煮物などが定番となっています。
昆布〆
刺身を昆布で挟み締めた保存食です。
昆布の旨みが刺身に移り、刺身の水分が無くなり弾力性が増します。
昆布〆が糸を引くことがありますが、これは刺身が美味しく熟成された状態を意味しています。
鱈・鯛・平目・カジキマグロなどの種類があります。
お正月菓子もあります
12月から1月はじめにかけて、スーパーマーケットや和菓子屋さんで期間限定販売されています。
福梅
前田家の家紋・加賀梅鉢を形取った紅白の最中です。
加賀藩第10代藩主・前田重教の時代に新春の茶席に献上されたことが始まりと言われています。
辻占
砂糖・もち粉・でんぷんで練った生地に「福が来る」や「ご縁がある」などと書かれた紙を包んだ和菓子です。
新年の運勢を占うだけでなく、3つ開いて言葉をつなぐ遊びがあるそうです。
福徳煎餅
俵や打ち出の小槌など縁起物を形取った煎餅で、割ると中から縁起の良い人形や金平糖などが出てきます。
どれが出るか、ワクワクしながら楽しむことができます。
現在では、「諸江屋」だけで製造していて、12月のみ販売となっています。
石川県のお正月 紅白鏡餅 さいごに
石川県の鏡餅・お雑煮・おせちなどを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
この記事は金沢のライターさんが書かれた内容ですが、地域が違うといろいろ変わってくるんだな~と思いました(^^)
鏡餅は歳神様をお迎えする大切な物で、12月28日に飾るのが良いそうです。
これは、8が末広がりの縁起の良い数字となっているのが理由です。
29日は、9が苦しむを連想する数字なので正月飾りを飾らないように気をつけましょうね。
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