和紙は丈夫で実用性が高い紙です。
インテリアや住宅の内装・ファッション・書道や料理の用紙など様々な所で使われています。
そんな和紙にも種類があります。
和紙の種類や表裏の見分け方、そして和紙独特の活用法を調べてみましたのでご紹介します。
目次
和紙の種類はいくつある?特徴は?
和紙は用途や原料・産地などによって種類は豊富にあります。
主な和紙の種類を紹介します。
楮紙(こうぞし)
楮の樹皮で作られた和紙で、書道の用紙や障子・ランプシェードなどに使われています。
少し黄みがかっているので、ランプシェードとして使うと室内を柔らかく照らしてくれます。
強制紙(きょうせいし)
両面にコンニャク糊を塗る→乾燥させてから揉む→灰汁で煮てから乾燥→水洗いをするという手順を何度も繰り返して作られた和紙です。
楮紙より強く、弾力があるという特徴があります。
衣類や刀の鞘袋として使われていましたが、現在では本の装丁や工芸品に使われています。
カス紙(かすし)
粕または塵などと呼ばれている楮の黒皮を混ぜた和紙です。
ちぎり絵や貼り絵などに使われています。
揉紙(もみがみ)
手で揉み柔らかくした和紙で、揉み方によって種類が分けられます。
屏風やふすまに使われています。
友禅紙(ゆうぜんし)
江戸時代から着物に使われている友禅模様をつけた和紙です。
華やかな模様が多く、折紙やペンケース・メモ帳などに使われています。
板締紙(いたじめし)
板に紙を締め付け、色をつけた和紙です。
板で挟んだ部分と挟んでいない部分で色に違いが出て、独特の模様ができあがります。
人形や貼り絵・ちぎり絵などに使われています。
典具帖紙(てんぐしょうじ)
1番薄い和紙といわれています。
美濃国で誕生し、その後土佐国で発展しました。
透けるほど薄いのに丈夫な和紙であることから、アメリカやヨーロッパなどの美術館で作品修復に使われています。
また宝石の包装や歯科医療にも使われています。
雲竜紙(うんりゅうし)
楮の長い繊維を模様として入れた和紙です。楮の繊維が、いろんな方向へ伸びて雲や龍のような模様に見えることから雲龍紙と呼ばれるようになりました。包装紙や障子・貼り絵などに使われていますが、名刺の用紙としても人気があります。繊維に色をつけた和紙を色雲龍紙と呼んでいます。
更紗紙(さらさし)
室町時代末期に南蛮貿易によって伝わってきたインド・インドネシアの更紗や文様などの模様を染めた和紙です。
表具や障子・ふすまなどインテリアの装飾として使われることが多いです。
和紙の裏と表見分け方使い方
和紙はツルツルしている方が表、ザラザラしている方が裏になります。
これは和紙を乾燥するときにできてしまいます。
手漉き和紙は、水分を抜いた湿紙(しとがみ)を板に張り付けて天日で干す、または蒸気を使った金属板に貼り付けて乾かします。
板や金属板に接した面が滑らかになるので表面、反対側が裏面になります。
機械漉き和紙は、円筒型の乾燥機で乾かします。
この場合も金属板に接した面が表になります。
和紙の表裏を見分ける方法
和紙の表裏を見分ける方法には、手で触る・目で観察する2種類があります。
- 手で触る
和紙を親指と人差し指で挟み、ツルツルしている面が表、ザラザラしている面が裏となります。
分からなかった場合は和紙をひっくり返して、親指と人差し指で挟み触って確認してください。
- 目で観察する
和紙を斜めにして光を当て、ザラザラと荒く見えたら裏面となります。
分からなかった場合は、光の当て方を変えて確認してください。
和紙の活用法にはこんなものも!
和紙は書道の用紙や障子・包装紙などに使われることが多いですが、他にはどのように使われているのかを紹介します。
- 紙布(しふ)
和紙で作られた布で、着物やインテリアなどに使われています。
- 紙糸(かみいと)
和紙を細く切って糸にしたもので、綿糸より軽い・しなやかなハリとコシなどがあります。
織物やサマーニットなどに使われています。
- 紙鍋(かみなべ)
厚めの和紙を鍋型に折ったもので、アクが繊維に絡みついてくれるのでアクを取る手間が省けます。
和紙の種類 さいごに
和紙の種類は豊富にあり、様々なものとして使われています。
使う目的に合った和紙を選んで、使うようにしましょう。