梨は日本各地で栽培されていて、品種も多くある秋を代表する果物です。
日本が産地の果物、そんな梨はいつから食べられるようになったのでしょう?
梨の発祥の地や「梨」という名前の語源も気になります。
歴史や、数ある梨の主な品種や産地など、梨にについていろいろ調べてみましたのでご紹介します。
目次
梨は いつからある?食べられ始めたのは?
梨は日本生まれなんですね。
静岡県にある登呂遺跡から梨の種子が発見されたことから、梨は弥生時代から食べられていたと考えられています。
梨の名前の語源と歴史
梨の語源
梨の語源には、いくつか諸説があります。
- 梨は他の果物に比べて果肉が白いことから「なかしろ」と呼ばれ、そのうち「ナシ」と略すようになった。
- 梨は風があると実が落ちてしまうことから「かぜなし」となり、そのうち「ナシ」と略すようになった。
- 梨は中心部が酸っぱいことから「なかす」となり、その後「ナシ」になった。
歴史
梨は弥生時代から栽培が始まり、江戸時代には日本各地での栽培が盛んになり100を超える品種が作られていたそうです。
明治時代では二十世紀や長十郎と呼ばれる品種での栽培や品種改良が行われていました。
太平洋戦争後は幸水や新水・豊水が広まっていきました。
主な梨の品種と産地
梨は沖縄県以外の日本各地で栽培されています。
幸水(こうすい)
菊水と早生幸蔵を交配させた品種で、1959年に早生幸蔵の「幸」と菊水の「水」をとって「幸水」と名付けられました。
千葉県や茨城県・福島県などで生産されています。
果肉は柔らかく、水分も多く含まれているため、強い甘味が口の中で広がります。
皮の色は褐色ですが、黄緑色がかったものもあります。
豊水(ほうすい)
幸水と石井早生と二十世紀を交雑させた品種で、1972年に名付けられました。千葉県や茨城県・福島県などで生産されています。果肉は柔らかく、水分が多く含まれていますが日持ちが良く甘味の中に程よい酸味があります。
新高(にいたか)
1927年に名付けられた品種で、千葉県や新潟県・熊本県などで生産されています。
酸味は少なく、風味豊かな甘さとみずみずしい食感が特徴となっています。
高知県のような温暖な土地で栽培されたものは、糖度が高めになるようです。
二十世紀(にじゅっせいき)
鳥取県のブランドとして有名な品種です。
果肉は甘味と酸味のバランスが良く、シャリシャリとした食感があり、皮はキレイな黄緑色になっています。
鳥取県や長野県・山口県などで生産されています。
あきづき
新高と豊水と幸水を交雑させた品種です。
秋に収穫されることと形が月のように丸いことから「あきづき」と名付けられました。
千葉県や熊本県・栃木県などで生産されています。
水分が多く含まれていて、果肉の酸味は少なくシャリシャリとした食感が特徴となっています。
新興(しんこう)
二十世紀と天の川を交雑させた品種で、新潟県や鳥取県・大分県などで生産されています。
水分が多く含まれていて、果肉は柔らかく甘味の中に程よい酸味があります。
南水(なんすい)
新水と越後を交雑させた品種で、長野県や秋田県・福島県などで生産されています。
果肉は柔らかく酸味が少ないため、しっかりとした甘味を感じることができます。
長十郎(ちょうじゅうろう)
1893年頃、神奈川県の梨園で発見された品種です。青森県や宮城県・秋田県などで生産されています。
果肉は少し固めですが、酸味が少なく程よい甘味があります。
おもな産地:青森県(約53%)、宮城県(約20%)、秋田県(約11%)
愛宕(あたご)
天の川と長十郎を交雑させた品種で、岡山県や鳥取県・島根県などで生産されています。
水分が多く含まれていて、果肉は柔らかくシャリシャリとした食感が特徴となっています。
日持ちが良く、正月に食べられる梨として知られています。
にっこり
新高と豊水を交雑させた品種で、栃木県や茨城県・千葉県などで生産されています。
栃木県の観光地である「日光」と梨を「り」と読むことを組み合わせ「にっこうり」となり、「う」を取って「にっこり」となったそうです。
水分が多く含まれていて、糖度が高くなっています。
加賀しずく(かがしずく)
2017年に誕生した石川県オリジナルの品種です。
石川県だけで生産されています。
水分が多く含まれていて、酸味が少なくなめらかな口当たりになっています。
梨はいつから?語源や歴史 さいごに
梨は古くから作られていて、日本各地で多くの品種が作られています。いろんな品種の梨を味わってみてはいかがでしょうか。