駅弁は駅構内や列車内で販売される弁当のことで鉄道弁当とも呼ばれています。
駅弁はいつどこで誕生したのでしょう。
今では駅弁を売る駅も減り、列車内での販売も予約になったりと変化してきました。
それでも長い時間列車に乗る時は駅弁が食べたくなりますね。
そんな駅弁にはどんな種類や歴史があるのでしょう?
駅弁の特徴や歴史をまとめました。
駅弁の種類はこんなにある!駅弁の特徴は?
日本には約300駅があり約2100種以上の駅弁が売られています。
しかし、情報によっては約4000種類以上あるともいわれているが、現時点では駅弁の種類がどれだけあるかはハッキリしていません。
その理由は駅弁を統括する組織・団体がないことです。
国鉄が1987年に民営化になるまで、駅弁は国鉄構内営業中央会という組織に加盟しないと販売することができませんでした。
そのため駅弁の数を把握することができました。
現在では国鉄構内営業中央会から日本鉄道構内営業中央会と名を変えて存続はしているが、加盟していなくても駅弁を販売することができるためハッキリとした数を集計することはできなくなっています。
現在では様々な駅弁がありますが、駅弁として調理された弁当には日本鉄道構内営業中央会がデザインした駅弁マークがパッケージに印刷されています。
この駅弁マークがついている弁当が駅弁だと名乗ることができます。
駅弁マークが駅弁の共通する特徴であると考えられます。
代表的な駅弁
- いかめし(北海道)
マイカに餅米・うるち米を混ぜて詰め、ザラメと醤油で煮込んだ駅弁です。
- 牛タン弁当(宮城県)
麦飯の上に焼いた牛タンが6枚ほどのせた駅弁です。
発熱剤が入っているので、糸を引っ張ることで温めることができます。
- だるま弁当(群馬県)
真っ赤なだるま型のプラスチック製の容器に入った駅弁で、茶飯の上にチキン・こんにゃく玉・シイタケ・タケノコ・山ごぼう漬などがのせてあります。
- 峠の釜めし(群馬県)
益子焼の釜の中に茶飯を詰め、鶏肉・タケノコ・ゴボウ・シイタケ・栗・ウズラの玉子・紅ショウガなどをのせた駅弁です。
- ひっぱりだこ飯(兵庫県)
たこつぼ状の焼き物の容器に醤油味の炊き込みご飯を詰め、その上にたこのうま煮・すり身の天ぷら・タケノコ・シイタケ・ニンジンなどをのせた駅弁です。
駅弁の意味?弁当と駅弁なにが違う?
普段食べられている弁当は外出先で食べるために携帯するためですが、駅弁には特別なイメージがあるといわれています。
昔は旅そのものが特別な事だったことから、旅行時に食べる駅弁も特別な食事であったと考えられます。
普段の生活では食べられないようなおかずが入っていたので、駅弁はご馳走だったといえます。
弁当は日常的な携帯食、駅弁は特別な食事という違いがあります。
駅弁の始まり 発祥と歴史
駅弁の発祥についてはいくつか諸説あります。
定説となっているのは1855年7月16日に白木屋という旅館が日本鉄道からの依頼を受けて販売したといわれています。
日本鉄道宇都宮駅で販売された駅弁は、ごま塩をふりかけたおにぎり2個とたくあん2切れが竹の皮に包んだシンプルな駅弁でした。
1889年になると東京~神戸の東海道本線が全通したなどで全国に鉄道が広がったことで駅弁販売も広まっていきました。
当時、姫路駅で販売していたのはまねき食品が作った幕の内弁当です。
メニューは、
- 鯛の塩焼き
- 伊達巻き
- 焼きかまぼこ
- だし巻き玉子
- 大豆の昆布煮
- 栗きんとん
- ごぼうの煮付け
- ゆり根の煮付け
- フキの煮付け
- 奈良漬け
- 梅干し
- 黒ごまをふりかけた白ご飯
であったといわれています。
また小さめの土瓶に入れたお茶が静岡駅で販売されるようになり、汽車土瓶と呼ばれていました。
水筒と同じような感じで蓋をコップにして、お茶を注いで飲んでいました。
しかし1921年になると土瓶が重く割れやすいという理由で使用禁止となり、代わりにガラス製の容器が登場しましたが評判が悪かったことから土瓶に戻りました。
1955年代になると軽いポリ容器が登場したことで土瓶容器は完全に姿を消しました。
1975年代まではポリ容器にティーパックがセットされていて、買うときにお湯を注いで貰うのが定番となっていました。
その後ペットボトルの登場によってポリ容器のお茶も姿を消してしまいました。
日清・日露戦争によって日本は軍国主義になったことで、鉄道は旅客だけでなく軍用物資や兵士を運ぶようになりました。
また駅弁業者には、戦地へ向かう兵士に支給する軍弁の注文が殺到したといわれています。
第二次世界大戦が終わったことで軍弁はなくなりました。
1955年代には高度成長期に入り生活にゆとりが出たことで旅行ブームになり、1956年には東海道本線全線が電気化、1964年には東海道新幹線開業したことで、各地の食材を使った数多くの駅弁が登場しました。
しかし電車での移動時間が短くなったことで、列車内で駅弁を利用することが少なくなりました。
やがて駅弁は東京や大阪などの百貨店で駅弁大会という催し物で販売されるようになり、現在では全国各地で行われるようになりました。
駅弁の種類や弁当との違い?始まりと歴史 さいごに
駅弁の種類は豊富にありますが、全部が駅弁とはいえません。
日本鉄道構内営業中央会が制定した駅弁マークあるものが駅弁として認められています。
日本各地の食材を使ったものが多く、ハッキリとした共通点がありませんが、駅弁マークの有無が駅弁であるという共通点であると考えられます。
弁当を買うときに駅弁マークを探してみてはいかがでしょうか。