和菓子の種類は豊富にありますが、その季節でないと食べられない和菓子もあります。
どんな基準で四季が区切られているのでしょうか。
あの和菓子が食べたい!という時に季節のものではお店に行っても売っていないことがあります。
和菓子での季節の基準とはどんなことでしょう。
製法・用途での分類、餡の種類なども調べてみましたので紹介します。
和の文化の季節の和菓子 決める基準はなに?
四季を区切る基準には、年度・気象庁・天文学・二十四節季・旧暦があります。
年度
年度とは4月1日~3月31日を1年間としたもので、主に国や地方自治体の会計年度・会社の事業年度・学校などに使われています。
春は4~6月、夏は7~9月、秋は10~12月、冬は1~3月となります。
気象庁
気象庁では天気予報で使う用語のなかに時に関する用語があります。春は3~5月、夏は6~8月、秋は9~11月、冬は12~2月と定められています。
天文学
天文学では二至二分(にしにぶん)で四季を区別しています。
二至二分とは夏至と冬至の二至、春分と秋分の二分のことで毎年同じ日になるわけではないので「~頃」で区切られています。
春は3月21日頃(春分)~6月20日頃、夏は6月21日頃(夏至)~9月22日頃、秋は9月23日頃(秋分)~12月21頃、12月22日頃(冬至)~3月20日頃となります。
二十四節気
二十四節気とは1年間を24等分にしたもので、立春・立夏・立秋・立冬と季節の始まりを表す日があり四季の基準にしています。
太陽の動きを基準にしているので、毎年同じ日になるわけではないので「~頃」で区切られています。
春は2月4日頃(立春)~5月5日頃、夏は5月6日(立夏)~8月7日頃、8月8日頃(立秋)、冬は11月8日頃(立冬)~2月3日頃となります。
旧暦
現在では明治6年に採用した太陽の動きを基準にした太陽暦が使われています。
太陽暦への改暦までに使われていた暦を旧暦と呼んでいます。
現在の暦と比べると、約1~2ヶ月季節が進んでいます。
春は1~3月、夏は4~6月、秋は7~9月、冬は10~12月となります。
様々な季節の区切り方がありますが和菓子は古代から食べられているため歴史が長く、旧暦にちなんだ和菓子が数多くあります。
和菓子の分類は製法と用途では違う
和菓子は水分が30%以上では生菓子・10~30%では半生菓子・10%以下では干菓子の3つに分けられますが、製法と用途によってさらに分けられます。
製法での分類
- 餅菓子
餅米・うるち米・加工品などを原料にした和菓子で、おはぎ・赤飯・大福餅などがあります。
- 蒸し菓子
形を整えてから蒸し上げた和菓子で、上用饅頭や葛桜・かるかんなどがあります。
- 焼き菓子
焼き上げた和菓子で、どら焼きやカステラ・金鍔などがあります。
- 流し菓子
生地を型に流し入れた和菓子で、羊羹があります。
- 練り菓子
材料をこねて練り上げた和菓子で、練り切りや求肥・雲平などがあります。
- 揚げ菓子
油で揚げた和菓子で、あんドーナツや揚げ芋・かりんとうなどがあります。
- おか菓子
別々に作られた和菓子を組み合わせて作られた和菓子で、最中や鹿の子・すはまなどがあります。
- 砂糖漬け菓子
豆類や野菜などを砂糖漬けにした和菓子で、甘納豆や文旦漬けなどがあります。
- 打菓子
炒り麦粉や粟粉に砂糖とシラップを加え混ぜてから木型に詰めて形成してから打ち出し表面を乾燥させた和菓子で、落雁や懐中しるこなどがあります。
- 掛け菓子
炒った豆やビスケット・粟などにシラップやチョコレートなどを掛けた和菓子で、ひなあられ・おこしなどがあります。
- 飴菓子
砂糖・水飴を煮詰めて作られる和菓子で、有平糖・おきな飴などがあります。
- 豆菓子
豆類を原材料にした和菓子で、炒り豆・おのろけ豆などがあります。
- 米菓
うるち米・餅米を原料にした和菓子で、せんべい・あられなどがあります。
用途での分類
- 並生菓子
日常での茶請け菓子や行事で使われる・季節的なものなどがあり、作ったその日に売り切っていましたが最近では日持ちの長いものが多くなっています。
- 上生菓子
上等で高価な和菓子で、山水や花鳥を表現したものや抽象的なデザインなどで仕上げてあります。
- 茶席菓子
茶会で使われる和菓子で濃い茶には生菓子、薄い茶には干菓子が使われています。
- 引菓子
慶弔で引き出物として使われる和菓子です。
- まき菓子
舞踊や長唄・小唄・琴などの発表会で、お土産として使われている和菓子のことです。
- 工芸菓子
食べられる材料で作られているが鑑賞するだけの和菓子です。
江戸時代、大奥で鑑賞していた献上菓子が始まりといわれています。
和菓子の餡の種類が和菓子によって違う理由
和菓子に使われている餡は、主に小豆・水・砂糖で作られています。和菓子の用途によって餡の種類は違ってきます。
最中に使われる餡は水分量が少ない硬い餡です。
最中の皮は湿気ってしまうと価値が下がってしまうので、水分が皮に移らないように水分の少ない硬い餡が使われています。
どら焼きに使われている餡は水分量が多い柔らかい餡です。
餡の甘い水分がどら焼きの生地に移ることで、しっとりとした食感になります。
和菓子によって使う餡が違うのは、生地や皮を美味しく食べるための方法なんですね。
季節の和菓子 さいごに
和菓子は古くから食べられているため、季節に関するものは旧暦に合わせて作られているそうです。
旧暦は、現在の暦より1~2ヶ月早くなっているので食べてみたい季節の和菓子がある時は旧暦に合わせて和菓子屋さんに行ってみてはいかがでしょうか。
♪和菓子についての歴史などはこちらの記事でご覧いただければと思います。
和の文化の和菓子は日本の伝統的な菓子 歴史と由来そして特徴と魅力