夏になると、お店やイベントなどでうちわが配られたりしますよね。
扇げば涼しさも感じられて、貰うとちょっと嬉しかったりもします。
夏の浴衣姿の時などにも団扇を持っている人をよく見かけるし、可愛い柄のうちわを帯の後ろに刺したりしても可愛いですよね。
でも、よく見るとゆかたを着ている時にうちわを持っている人だけではなく、扇子を持っている人がいるのにも気が付きました。
そして、うちわを持っているのと扇子を持っているのでは何だか雰囲気も違うような・・・
その時、「うちわと扇子って形も違うけど、使い方は一緒なの??」
という疑問がふっと湧いてきちゃったので、ここではうちわと扇子の違いや由来について調べてみたいと思います。
うちわの歴史からみる本来の役目とうちわの語源
うちわは、手で扇いで風を起こす為に使われる道具。
用途としては、やはり風を起こす為のものなんですね。
うちわの歴史は、古代中国やエジプトが始まりと言われています。
日本では、弥生、古墳時代に中国より伝えられたと言われています。
形は今のうちわの柄を長くしたもので、木製のものでした。
用途も祭事にまつわる道具として使われていたそうです。
中世(飛鳥~鎌倉時代)になると、形も大きなものや豪華なものが作られ、
素材も絹や芭蕉などの植物繊維、キジなどの鳥の羽など様々用いられるようになりました。
庶民の間では、軽くて便利な網代網の四角形の団扇が使われていたそうです。
現代の団扇の形になったのは、室町時代末なんですね。
軽くて扇部がへたらないよう竹や芭蕉を骨とし、素材に紙が使われるようになりました。
江戸時代に入ると、庶民にも広く普及していき、涼むためや炊事、装いや虫追いなど日常生活の道具として色々な場面で使わるようになりました。
そして、なぜ団扇(うちわ)と呼ばれるようになったのかというと、
「打つ」と「羽」が合わさって出来たものと言われています。
他にも病魔を撃ち払う魔除けの意味もあったとされています。
扇子の歴史は日本が発祥?!
扇子とは、扇いで風を起こす為の道具。
また儀礼や芸能で用いられるものです。
伝統芸能などで、よく用いられていますよね。
風を起こす為というよりは、儀礼や芸能で使われている方が多い気がします。
扇子の歴史は、日本が始まりと言われています。
奈良時代に使われていただろう扇子が発掘されました。
扇は30㎝ほどの長さに2~3㎝幅の薄い檜の板を重ねて作られていたそうです。
その時の用途としては、扇ぐためのものではなく、メモ帳として使われていたそう。
その後、平安時代の中ごろまでには、5本または6本の細い骨に紙を貼ったものが夏の扇として現れ、これが現在の扇子の原型となっているそうです。
扇ぐ役割だけではなく、儀礼や贈答、コミュニケーションの道具としても用いられました。
平安時代には、和歌を書いて贈ったり、花を載せて贈ったりしていたそうです。
扇子は、時代が下るにつれ儀礼の道具として重んじられていきました。
うちわとせんす さいごに
調べてみると、形の違いの他にも、歴史の違い、使われ方も違う事がわかりました。
うちわは、中国から伝えられたものですが、扇子は日本発祥のものだったんですね。
そして用途も、扇いで風を起こすものというのは一緒ですが、
扇子の方は儀礼や芸能などでも使われています。
うちわは日常的に使われるもの、扇子は儀礼の道具という感じですね。
確かに能などの伝統芸能にうちわは使われませんよね。
今回、うちわと扇子の違いを調べてみて、涼をとるのは一緒ですが、
その他の用途はまったく違っているということがわかりました。