毎月の生活費をやり繰りして、残ったお金をこっそりと貯金しておくことを「へそくり」といいます。
また、似たような言葉に「箪笥預金(たんすよきん)」というのもあります。
これらの言葉には、どんな意味があるのでしょうか?
「へそくり」の意味や由来そして箪笥預金との違いなどを調べてみましたのでご紹介します。
目次
へそくりの語源や由来は?へそくりの意味とは
へそくりとは、毎月の生活費で余ったお金をこっそりと貯金するという意味があります。
へそくりの呼び方は地方によって、「針箱銭(はりばこぜに)」や「継ぎ箱金(つぎばこがね)」などがあります。
糸や化粧品などをしまっておく箱にお金があるという意味があるそうです。
へそくりの語源・由来
へそくりの語源・由来には、諸説がいくつかあります。
その中から有力な説を紹介します。
- 「綜麻繰り」
へそくりの「へそ」は漢字で書くと「綜麻」となります。
紡いだ麻糸を環状に巻きつけた物が綜麻です。
農家たちが家計を助けるために麻糸を繰って貯めたお金のことを綜麻繰り金と呼んでいましたが、やがて略されて綜麻繰り(へそくり)となりました。
- 「臍繰り」
へそくりの漢字表記には「臍繰り」もあります。
江戸時代の庶民たちは、お金を懐紙(かいし)に包み、腹巻きや帯の中に入れていました。
腹巻きや帯の位置が身体の中心となる臍にあたり、そこから出すことから臍繰りと呼ばれるようになりました。
へそくりに似た英語表現
英語にも「へそくり」に似た表現があります。
- sercret saving
秘密の貯金という意味があります。
- extra money hidden away
extra moneyには「余分なお金」、hidden awayには「隠れ」という意味があります。
組み合わせると「隠れた余分なお金」となります。
- nest egg
巣の卵という意味があります。
昔は鶏にたくさん卵を産んで貰うために、巣の中に偽物の卵を置く習慣がありました。
この習慣が、いざというときのためにお金を貯めておくことに似ているといわれています。
銀行などの預金と箪笥貯金は何が違う?
箪笥預金とは銀行ではなく、家庭で保管している現金のことです。
現金を保管する場所として箪笥が多いことから箪笥預金と呼ばれています。
一方、預金は銀行をはじめとする金融機関に現金を預けることをいいます。
箪笥預金は家で現金を保管、預金は金融機関に預けるという保管方法に違いがあります。
箪笥預金のメリット
- 自分の都合で持ち出せる
預金を引き出すには金融機関の営業時間内に行う必要があり、場合によっては利用手数料が発生します。
箪笥預金なら、いつでも自分の都合で持ち出すことができます。
- 破綻の心配がない
金融機関が破綻した場合、預金者1人につき1,000万円までは保障されますが、それ以上は失ってしまいます。
箪笥預金であれば家で保管しているので、破綻する心配はありません。
- 口座凍結の心配がない
口座名義人が亡くなり相続が始まると、完了するまで口座は凍結され、現金を引き出すことができなくなります。
箪笥預金なら、すぐに葬儀費用などに使うことができます。
箪笥預金のデメリット
- 消失
火事や地震・洪水などの災害によって箪笥預金が消失する危険性があります。
火災保険、または地震保険では現金は保障されないため、燃えた・流された箪笥預金は取り戻すことは不可能です。
- 盗難
空き巣や強盗によって箪笥預金が奪われてしまう危険性があります。
箪笥預金が盗まれないように、しっかりと防犯対策をしておく必要があります。
- 保管場所を忘れた
箪笥預金は家族に内緒にしていることが多いです。
日頃から保管場所を確認しているのであれば問題はありませんが、保管場所を忘れてしまう可能性もあります。
保管場所を忘れたまま、自分や家族が気づかずに処分してしまう危険性があります。
せっかく貯めておいた箪笥預金が無駄にならないように、保管場所をしっかり確認しておきましょう。
- 遺産相続トラブル
箪笥預金の存在を証明する証拠がない場合が多く、故人の関係者がこっそり持ち出しても無いと主張されてしまうと何も言えなくなってしまい、トラブルの原因になります。
また、遺産相続が終わった後から箪笥預金が見つかる場合もあります。
終わったはずの遺産分割はやり直しになり、相続税の修正申告も必要となり、手間がかかってしまいます。
へそくりとはどこまでのことをいう
どこまでが「へそくり」なのか、という定義はありません。
自分でこれが「へそくり」だといえば、「へそくり」になると考えられます。
へそくりとは?タンス預金との違い さいごに
家族に内緒でお金を貯金する「へそくり」。
使い道は様々ですが、日頃から家計をやり繰りして少しずつお金を貯めるのは主婦の楽しみの1つではないでしょうか。
家計をやり繰りして、上手にへそくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。