麹とは米や麦・大豆などの穀物に麹菌を付着させて培養したもので、日本酒や味噌・酢・漬物・醤油・焼酎などを造るときに使われています。
麹にはアミラーゼやプロテアーゼなど多くの酵素が含まれていて、食材の旨味を引き出す・ダイエット・血圧を下げるなどの効果があります。
麹の歴史や種類・分類・酵素が持っている効果などを紹介します。
目次
驚く麹のパワー!酵素の効果とは
麹にはアミラーゼやプロテアーゼをはじめとする多くの酵素が含まれています。
酵素には、どんな効果があるのでしょうか。
栄養素を分解する
栄養素を消化・吸収しやすくするために分解します。
旨味を感じるアミノ酸を作り出し、食べ物をやわらかくする効果があります。
消化を助ける
アミラーゼはデンプンをブドウ糖に、プロテアーゼはタンパク質をアミノ酸に分解します。
分解された状態で接種できるので、消化や吸収がしやすくする効果があります。
善玉菌を増やす
酵素によって作られたオリゴ糖は、腸内細菌である善玉菌のエサになるので善玉菌を増やすことができますよ。
ビタミンを生成する
肌の代謝に必要なビタミンB1やビタミンB2・ビタミンB6・ナイアシン・ビオチン・イノシトールなどを生成してくれます。
麹の種類と分類
麹には米麹・麦麹・豆麹の3種類があり、菌の種類によって5つに分けられます。
米麹
米に麹菌を付着させて発酵して作られた麹で、日本で最も知られています。甘酒や味噌・日本酒をつくるときに使われています。調味料として使われている塩麹にも米麹が使われています。
麦麹
麦に麹菌を付着させ発酵して作られた麹で、麦味噌や麦焼酎をつくるときに使われています。麦味噌は米麹でつくられた米味噌よりあっさりとしています。
豆麹
豆に麹菌を付着させ発酵して作られた麹で、豆味噌や八丁味噌をつくるときに使われています。
黄麹菌
緑がかった黄色の麹菌で、味噌や醤油・日本酒・みりんなどをつくるときに使われています。日本では古くから使われている重要なカビです。
黒麹菌
濃い褐色の麹菌で、泡盛をつくるときに使われています。主な働きとしてデンプンを糖化させますが、クエン酸も良くつくり醪の中にいる雑菌の増殖を抑えてくれるので温暖な地域での酒造りに適しています。
白麹菌
黒麹菌の突然変異によって生まれた麹菌で、オリーブに近い緑色をしています。焼酎をつくるときに使われています。黒麹菌と同じくクエン酸をつくるので、マイルドでキレのある焼酎になるそうですよ。黒麹菌と比べて色が白いことから白麹菌と呼ばれています。
紅麹菌
小豆のような紅い色をした麹菌で、豆腐ようや紅酒・老酒をつくるときに使われています。コレステロールの合成を抑える成分が含まれていて、アメリカではレッド・イースト・ライスと呼ばれているそうですよ。
麹の発祥と日本における歴史
日本で麹が使われていたのは奈良時代で、「播磨国風土記」という書物には「乾飯が濡れてカビが生えており、これで酒を造った」と書かれています。
このカビが麹で、日本で初めて麹を使ってつくられた日本酒であるそうです。
室町時代になると麹のカビの胞子だけを集め、粉末状にして麹を使いやすくした麹塵(きくじん)という商品が開発され販売をしました。
江戸時代では固めに炊いた白米の粥に米麹を混ぜ、糖化発酵させた甘麹(あまこうじ)がつくられるようになり、甘酒として夏バテ防止として飲まれていました。
麹は麹衆(こうじしゅう)と呼ばれる専門の職人たちが独占的に製造販売をしていましたが、明治時代になると誰でも製造販売ができるようになりました。
2006年には日本醸造学会が麹菌を国菌に認定し、現在でも多くの人々に親しまれています。
麹のパワーと酵素の効果 さいごに
日本の麹は播磨国、現在の兵庫県が発祥の地であるという説が有力となっています。
麹は酒を造るために使われていましたが、今では酒だけでなく味噌や醤油の原料としても使われるようになりました。
麹に含まれている多くの酵素には健康や美容に効果があるので、いろんな方法で麹を取り入れてみてはいかがでしょうか。
♪実際麹を使ってみたいと思ったら、どこで買うの?や麹の種類も知りたいですよね(^^)そんな時はこちらをご覧いただければと思います。
麹の購入はどこで?乾燥麹と生麹の違いとは?麹の保存方法と期間