鍋は食材を茹でる・煮る・揚げる・蒸すなどができる調理器具です。
鍋っていつごろから使われていたのでしょう?
また鍋には片手鍋の雪平鍋やミルクを温めるミルクパン、余熱を利用して短時間で料理ができる保温調理鍋など様々な種類があります。
鍋の発祥や歴史そして鍋を選ぶときに知っておきたいこととして種類や素材などについてまとめました。
目次
鍋の発祥とその歴史
縄文時代は狩りや漁で獣や魚などを捕る、または木の実や山菜などで採集し食べるために土器で煮ていたことが、鍋の始まりであると考えられているそうです。
鍋として使われていた縄文土器は、尖底土器(せんていどき)の1種である深鉢で尖った底の部分を土や火床の上に立てて、周りで火を焚き、中の食材を加熱していました。
金属製の鍋は紀元前2000年頃にエジプトやメソポタミア・中国などで使われていたそうです。
古代中国では、肉や魚・穀物を煮る器の鼎(かなえ)、水を沸騰させる器の鬲(れき)、粟や稲などを蒸すために鬲と組み合わせて使う甑(こしき)など青銅製の鍋が使われていました。
日本では鉄の供給が十分ではなかったため、刀剣などの武器や鍬(くわ)などの農耕器具を優先的に作られ、調理器具である鍋は鎌倉時代から室町時代にかけて広まったそうです。
調理器具の鍋の種類はどのくらいあるの?
鍋は料理や使い方によって、多くの種類があります。
雪平鍋
注ぎ口の付いた片手鍋で表面に凹凸があり、汁物や炒め物・揚げ物など様々な料理に使うことができる便利な鍋です。
熱伝導率が良く、食材に早く火が通る特徴があります。
やっとこ鍋
持ち手のないボウルのような鍋で、火にかける・火から下ろす時は「やっとこ」と呼ばれるペンチのようなもので掴んで移動させます。
持ち手がないので重ねて収納ができるのが魅力になっています。
ぼうず鍋
底が丸形になった鍋で煮詰めても焦げ付きにくく、煮汁の対流によって食材全体に味が染み込むという特徴があります。
豆を均等に煮ることができるので、和菓子の餡づくりに適しています。
親子鍋
親子丼やカツ丼などを作るときに使う鍋で、底の浅い丸型または角型の鍋に持ち手がついています。
持ち手が垂直になっているのが関東型、30度ぐらいになっているのが関西型です。
だし汁と具材を軽く煮込んでから、サッと盛り付けられるようになっています。
天ぷら鍋
天ぷらや唐揚げなどの揚げ物を作るときに使う鍋で、油をきるための網や油はねを防ぐためのフードが付いています。
ミルクパン
牛乳を温める小さな片手鍋で、少量の湯を沸かす・味噌汁を作る・野菜や卵などを茹でることもできます。
グリルパン
溝の付いているフライパンで、焼き目をつける・余分な油を落とすのに適しています。ホットサンドや焼き魚・ハンバーグ・焼き野菜などに焼き目をつけて、仕上げることができます。
雑炊鍋
お粥や雑炊だけでなく、1人分のご飯を炊く・スープを作ることができる小さな土鍋です。
保温性があり、そのまま食卓に出すことができます。
ジンギスカン鍋
肉を焼くために中央が丸く盛り上がっています。
また余分な油が落ちるように穴が開いているタイプもあります。
無水鍋
水を加えずに肉や魚・野菜など食材の水分だけで栄養を逃さず美味しく調理することができます。
アルミニウムや錫物ホーローなどがあり、密封・蓄熱・保温が良いことが特徴です。
鍋の選び方 素材の特徴から揃えたいものは
鍋を選ぶときは素材の特徴や形状などを知っておく必要があります。
素材
・アルミニウム
熱伝導率が良くて軽いが、酸には弱い
・ホーロー
保温性が高く酸やアルカリに強いが、衝撃や落下に弱い
・錫物
熱伝導率が均等で保温性も高いが重い
・ステンレス
軽いが熱伝導率が低め
形状
・片手鍋
片手で運べるので手軽に扱うことができます。
インスタントラーメンや少量の煮物や汁物を作るのに適しています。
・両手鍋
カレーやシチュー・おでん・ロールキャベツなどの煮込み料理や大量に料理を作るのに適しています。
少なくとも、お湯を沸かす・簡単な料理を作りたい場合は片手鍋、カレーやおでんなどの煮込み料理を作りたい場合は大きめの両手鍋、素材は軽くて手入れが簡単なアルミニウムがあればいいでしょう。
鍋はいつから?選ぶポイント さいごに
沸かす・煮る・焼く・揚げるなど使い方によって選ぶ鍋は変わってきます。
自分に必要な鍋を選ぶときは、どんな目的で使いたいのかを確認してから納得のできる鍋を選ぶといいですね(^^)
♪調理道具のフライパンについてはこちらの記事をご覧いただければと思います。
フライパンの歴史 日本でいつから?その種類や選ぶポイントは?