銃剣道とは剣道と同じような防具と左側の肩・胸を保護する裏布団を身につけ竹刀の代わりに木製の銃を使う武道です。
自衛隊での格闘訓練の1つとして行われていて、2021年度から中学校ごとに選択する武道科目に加えられました。
銃剣道とはどんな武道なのか解らないことは調べるしかないですね(^^;)由来や歴史、必要性などを紹介します。
銃剣道とはどんなもの?銃剣道が武道の理由
銃剣道とはフランスの西洋式銃剣術に日本の槍術の心技や剣道の理論など取り入れて、日本人に合うように研究・改良された武道です。
木銃(もくじゅう)で相手と突き合います。
銃剣道は旧日本軍の訓練に使われていましたが、戦技的内容を取り除きスポーツ性を高めるために何度もルールを変更し人間形成を目的にしました。
試合で有効突きとなる1本を取るためには、正しい型になっている必要があります。
そのために型の正しい動作を何度も繰り返すことで身体に覚え込ませるための練習をすることが身体の鍛錬となります。
また何度も同じことを繰り返すことが心の鍛錬となるので、銃剣道が武道であるという理由にあげられます。
木銃
樫の木が原料となっていて、中学生以上は長さ166cm・重さ1,100g以上、小学生以下は133.5cm・重さ800g以上を使うことになっています。
先端にはタンポと呼ばれるゴムが付いていて、突き技の衝撃を和らげる働きがあります。
銃剣道用具
剣道と同じような面・小手・胴・垂の防具の他に、左胸を保護する裏布団、胴の上につける肩、右手につける指袋という用具を身につけて稽古や試合を行います。
競技内容
木銃での突き技のみで競い合います。
3本勝負で先に2本先取した方が勝ちとなります。
試合で1本となる技は上胴・下胴・喉・小手・肩の5種類です。
ただし10歳以下の場合は、用具を身につけずに決められた基本技の型の優劣を競うようになっています。
銃剣道はいつからあるの?その歴史や由来は?
幕末に行われていた槍術の技法を取り入れ研究・改良され、1894年に日本式銃剣術(銃槍術)として正式化されました。
また剣が付いた銃が輸入され、使うときに槍術の技法が用いられていることが始まりであるといわれています。
1874年フランス陸軍からジュクロー軍曹が体操教官として招かれたときに、フランス式剣術と銃剣術が紹介されました。
1884年フランス陸軍からド・ビラレー中尉とキエール軍曹が陸軍戸山学校の剣術教官として招かれ、本格的な銃剣術の指導が始まります。
1915年、槍術の払い技をもとにした技を加えるなどの改良が行われました。
1940年に行われた紀元二千六百年記念の橿原神宮(かしはらじんぐう)大会から銃剣道に名称が変わり、1941年には大日本銃剣道振興会が設立されました。
第二次世界大戦敗戦、GHQ指令により銃剣道は他の武道同様に禁止されました。
1953年に占領が終了したことで、旧陸軍戸山学校の関係者が戸山剣友会を設立し東京都戸塚警察署の剣道場を借りて稽古が再開されました。
これによって各地で銃剣道を再興する動きがでてきました。
1956年に全日本銃剣道連盟が発足されますが、当時は戦争のこともあり理解者・修行者は多くなかったそうです。
やがて精神修養や心身の鍛練などに重きを置いた武道として受け入れられるようになり、自衛隊の訓練として採用されるようになりました。
銃剣道の必要性とは?
銃剣道は自衛隊の訓練として使われているため、戦技的なイメージがあるそうです。
そのため一般の人には、相手を攻撃する危ないものと思われています。
1956年に全日本銃剣道連盟を設立するとき戦技的内容を取り除き、日本古来の武道精神を継承したスポーツへと変わりました。
試合で着用する道衣には相手の木銃が入らないように施され、木銃の先端にはゴムを付けるなど安全面に配慮されています。
銃剣道が必要かどうかは人によって違ってきますが、他の武道と同じように稽古と試合を通じてバランスのとれた心身の発達や社会への適応力の育成、心肺機能や反応力、持久力を高めることができます。
銃剣道とは さいごに
昔は戦闘訓練に重きを置いた銃剣道ですが、全日本銃剣道連盟を設立したときに内容を見直し伝統武士道を継承したスポーツとなりました。
競技人口は少ないですが目標や理論は他の武道と変わりないので、興味があれば見学に行ってみてはいかがでしょうか。
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